事例Ⅳ対策 経営指標選択④5つの解法手順

皆さん、こんにちは。AAS東京の金森大輔です。
中部地方の中小企業支援機関で働く、4人の息子を持つ40歳の診断士です。
コロナ禍が(業種にもよりますが)軒並み、企業の業績を悪化させている苦しい状況ではありますが、そんな中でいかにポジティブに考えてピンチをチャンスに変えていくかについて、診断士の先輩である道家さんが書かれた投稿に共感しましたのでリンクさせていただきます。
診断士試験の事例対策としての「強みを見つけ、伸ばす」という視点にも通じるものがあると思います。

さて、これまで事例Ⅳ「経営指標選択」について

①3つの切り口
②収益性選択の鉄則
③総合収益性(ROA)

といったテーマで書いてまいりましたが、今回は皆さんお待ちかねの具体的な解法手順についてです。

さっそくですが「経営指標選択」は下記の5つの基本手順に沿って解いていくものと考えています。

  1. 設問文(制約条件)の確認
  2. 財務諸表の各科目数値をざっと眺める
  3. 主な指標の比率計算
  4. 与件文から根拠を探す
  5. 設問間の一貫性を確認

よい語呂合わせがなく恐縮ですが、「せつ」「ざ」に「ひ」「よけ」「いっかん」とでも覚えましょう。
さて、それぞれを詳しく見ていきます。

①設問文(制約条件)の確認

当然ながら、「何を解答すべきか」が「設問文」に書かれています。
解答のヒントがもっとも隠されているのが「設問文」であるといっても過言ではありません。このことは全ての事例において最も重要なことの一つですが、事例Ⅳにおいても例外ではありません。

前期との比較?同業他社との比較?
 優れている指標?課題となる(=解決しないといけない=悪い)指標?

このあたりは絶対に見落としてはいけません。
ちなみに昨年令和元年の問題は、「前期比較」「悪化を2つ、改善を1つ」でしたね。

少し古い過去問になりますが、平成24年本試験の第1問(設問2)の設問文には、

収益性が改善したか否かを判定するのに最もふさわしい考えられる財務指標の名称を(a)欄に3つあげ~

とありました。ここでは「収益性」という制約条件を見逃さず、「安全性」指標は選択すべきではありませんでした。

また、平成25年本試験の第1問の設問文

現在のD社の貸借対照表と、出資直後の予想貸借対照表から財務状況を比較~。財務状況を表す主要な財務比率を3つあげ~

といったものでした。与えられている情報は貸借対照表のみ!
こうなると計算できるのは「安全性」指標しかありません。与件文1行目にある「売上高630百万円」という数字を使って強引に「効率性」指標の数値を導いた受験生もいたようですが、正解にはならないでしょう。

②財務諸表の各科目数値をざっと眺める

貸借対照表と損益計算書に書かれている各勘定科目数値のうち、

・金額の特に大きい勘定科目
・(他社/前年と比べ)差が大きい勘定科目

に注意しましょう。
但し、他社との比較においては、総資産自体に差がある場合はその分も考慮して総資産に対する比率を見るようにしましょう。
また、最終的には指標数値を計算することになりますのでこの時点ではあくまで「ざっ」と眺めるのでよいです(あまり時間をかけないこと)

③主な指標の比率計算

次に、ひとまず各指標の比率を計算してみましょう。私は、

【収益性】
売上高総利益率
売上高販管費比率 ※
売上高営業利益率
売上高営業外損益比率 ※
売上高経常利益率

【効率性】
棚卸資産回転率
有形固定資産回転率

【安全性】
流動比率 ←100%超えていれば問題点としては挙げにくい
自己資本比率

あたりはとりあえず無条件に計算しておりました。
特に「※」で示した、各費用比率を計算することは重要です。
このことは②収益性選択の鉄則でも触れましたね。ここで指標選択の大体の目星をつけておきます。

④与件文から根拠を探す

やはり最も大切なのは、事例企業へのヒアリング結果である「与件文」です。

仕入コストの増加 ←売上高総利益率が低い?
価格競争が激しい ←売上高総利益率が低い?売上高営業利益率が低い?
債権管理がずさん ←売上債権回転率が低い?
在庫が過剰 ←棚卸資産回転率が低い?
設備が老朽化/設備の稼働率が低い ←有形固定資産回転率が低い?
借入金に依存 ←売上高経常利益率が低い?負債比率が高い?
過去の業績がよかった ←自己資本比率が高い?

など、与件文に書かれたD社の歴史や現在の状況からSWOT分析を行い、計算した各指標比率と結び付けて考えます。

⑤設問間の一貫性を確認

ここまでのところで、経営指標はほぼ絞れているはずですが、それでも悩むことがあるでしょう。
そんなときに最後の決め手となるのが設問間の一貫性です。
要は、問題点・課題・悪化として挙げた指標(優れている指標は無視してよいです)が、その後の設問を通して改善に向かっているかをチェックするということです。
どの事例にも言えることですが、中小企業診断士として、診断先企業の弱みを放置することは許されません
裏を返せば、後の設問で改善されないような指標は問題点としては優先順位が低いため、選択すべきではない、ということにもなります。

例えば、

CVP分析 ←売上高総利益率、売上高営業利益率の改善
設備投資の経済性(NPV) ←有形固定資産回転率
CF計算 ←流動比率、当座比率

といった感じで関連付けて考えられます。

そういう意味でも、経営指標選択問題(基本的に第1問)の解答欄を埋めるのは、その他の設問を解いてから最後にすべきなのです。
但し、逆算して第1問の解答記入時間は確保しておきましょうね。

あなたのこれまでの解答プロセスは上記の5つの手順に沿っていましたか?改めて確認してみてください。

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