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事例4に自信が持てない受験生が勝つための戦略

こんにちは。AAS卒業生の典茶漬け(のりちゃづけ)です。

突然ですが、現役受験生の皆さんにお尋ねします。

皆さんには得意、もしくは苦手な2次試験の科目はありますか?

もしあるならば、得意か苦手かで試験など実際の成績に明らかに差は出ますか?

個人的には、事例1~3は自分の得意・苦手の感覚と実際の成績はあまり関連が無いのでは、と考えています。得意だと思っていた科目が総合的にみると特段点数が高いわけではなかったり、苦手だと思っていた科目が本番で最高得点をマークしたり、そんなことが起こります。

しかし事例4だけは、得意か苦手かで成績が明らかに異なるのではないでしょうか。

私の場合、事例4が得意か苦手かで言ったら確実に後者で、学習に最も時間をかけたにも関わらず、ついぞ自信を持てることはなく、本試験は毎回ドキドキ、恐怖の時間でした。

未だにトラウマとなっているのはH29年度の事例4。業態の異なる親会社・子会社という与件内容や、発電事業の売電量(kWh)を含む設問の設定条件が上手く呑み込めず、比較的難易度の低い問題を丸ごと逃した上、焦って他の問題まで冷静に解けなかったのです。

毎回このような有様で、事例4の成績は常にB評価止まりでした。

そんな私がどうして昨年(令和元年)の本試験でA評価の取得に漕ぎ着けられたのか。当時考えていたことや実施したことを、ここに書き残しておきたいと思います。

自分の未熟さを晒すこととなり恥ずかしいのですが、事例4に自信がないという受験生が、迷いなく、これから本試験に向けてやるべき事を定めるためのヒントとなれば幸いです。

財務会計に関する知見を持つ・持たないの「壁」

新しい設定で出題されるという点では他の事例も同じなのに、なぜ事例4だけがこれほどまでに恐ろしく感じるのか。その理由を当時の私は、「自分の知識だけでは一見太刀打ちできないような問題に直面する可能性があるため」、と捉えました。

過去問を通じて学びましたが、「営業レバレッジ」「200%定率法」などの専門用語や、「プロジェクトの流動性」「吸収合併の効果」など、ちょっと捻った言い回しを本試験で急に振られると一瞬怯んでしまいます。(診断士を目指す者なら知っていて当然の知識だと言われてしまえばそれまでなのですが・・・。)

しかも、本番でどのような財務会計用語や言い回しが出てくるか予測がつきません。過去問やそれに準ずる教材を使った学習だけでカバーするのは困難、ましてや講師からのインプットが得られない独学ではほぼ不可能でしょう。

より広い財務会計に関する知見がないと、与件や設問で使われている言葉の意味がわからない、もしくは設定条件を理解することが難しいなどの事態が事例4では起こるのです。

財務会計の知見があれば、変わった設定や捻った言い回しであっても「そういったこともある」と受け入れ、既知の解法を応用できるのでしょう。そうなると試験中も焦ることなく冷静に対処できそうです。

やや大袈裟かもしれませんが、事例4においては財務会計の知見を持つ人と持たない人との間にあらかじめ「壁」があるのです。

知見の「壁」を突破しなくてもA評価はとれる

合格年前までの私(簿記2級レベル)は、なんとかこの「壁」を乗り越えようと必死にもがきました。ひたすら財務会計関連の本を読む、ビジネス会計検定試験の問題を解く、公認会計士の公開セミナーに参加するなど、財務会計の知見を広げるため、思いつく限りの努力をしました。

これらの涙ぐましい努力が全て無駄だったとは思いたくないのですが、所詮はちょっと聞きかじっただけのにわか知識。財務会計専門の上位資格ホルダーや日常業務でPLに触れるような、所謂「事例4が得意な人たち」の知見レベルに追い付くことなど到底叶わないのです。

しかしそこまで思い詰めてようやく、改めて気づいたのです。

事例4を構成する問題の全てが自分の知見で答えられるレベルを超えているわけではない、という事実に。

よくよく考えてみれば意図を理解できないような問題は稀で、出題されたとしても1事例あたり1問。もしその1問(配点20~30点)を丸ごと逃したとしても、他でしっかりカバーできれば合格点(60点以上)を確保できるように、試験問題は設計されている。

つまり、事例4が得意でなくても、ハイレベルな財務会計の知見を持っていなくても、A評価(60点以上)はとれる!

このことは関東多摩三郎さんのブログ「SummerWars事例Ⅳ/新たなる希望」の中でも述べられています。(受験生時代に読みたかった・・・)

事例4に自信がない受験生がとるべき戦略

前述の私の痛い経験から、事例4が苦手という方がとるべき戦略として提案したいのは、「わかる問題で確実に得点を稼ぐこと」です。

この戦略におけるポイントは次の3つ。

1)よくわからない計算問題はスルー

2度読みしても出題意図や設定条件が理解できない問題に出くわした場合は深追いせず、一旦飛ばして次に進むことを徹底します。こうして無駄な思考に費やす時間のロスや、理解できないことによる焦りの発生を防ぎ、他の問題への影響を最小限に抑えます。

よくわからない問題には他の問題を解き終えた後でまた戻ってくればよいのです。案外、その時にはわかる問題になっているかもしれません。

これは心の持ちようですので、今この瞬間からでも実行することは可能だと思います。大事なのは、自分自身の知見レベルを自覚した上で、「自分のアタマで考えても時間の無駄である」と、心底受け入れることです。時間制限のある緊張状態でもスルーできるかどうか、模擬試験などで確認できると良いですね。

2)記述問題を先に埋める

過去問の傾向から察するに、記述問題で要求される財務会計の知見レベルはそれ程高くないようです。1次知識や2次試験(特に事例1)の知識があれば十分に解答可能、つまり「わかる」問題である可能性が高いです。

記述問題は試験時間の始めの方でさっさと埋めて、その他の計算問題に対処するための時間と心の余裕を確保しましょう。与件情報(SWOT)と経営分析結果、設問テーマ、そして知識を活かして書けば大外しはせず、得点源となるはずです。

3)わかる計算問題を丁寧に解答

一見して出題意図や解法がわかる計算問題は、とりわけ丁寧に条件を読み取り(高解像度)、きめ細かく計算をして(高精度)、確実に点を稼ぎましょう。一般的に受験生がすぐわかる問題といえば、過去に頻出のパターン、つまり定番問題。そして、今更言うまでもないことですが、定番問題の解法をマスターすることは、A判定取得の必要条件です。

もしまだ手を付けていない論点・解法があったとしても、幸い事例4は他の事例に比べて論点が限定的なので、試験前までにまだ間に合うでしょう。また、過去問の出題傾向や今年の出題予測などを参考に、重点的に学習する論点を絞り込むこともできます。

留意すべきは「今年あたりそろそろ出題されそうだ」など、他から何を言われようが、定番以外の新しい論点や解法に手を出さないことです。

これから試験日までにやるべきこと=計算トレーニング!

自分がわかるような定番問題は他の受験生にとってもそうである可能性が高い。従って、一見分り易い定番問題は点数に差をつけるため、量が多く面倒な計算を必要とするケースが多いです。

試験では明らかに時間がかかりそうな問題は後回しにすることも考えられます。しかし、もし他にスルーした問題がある場合は、面倒な計算問題に向き合わないとA判定に届きません。

そのため、事例4に自信がなく「わかる問題で確実に得点を稼ぐ」戦略をとるしかない受験生がこれから試験までにすべきことは、「計算力(正確さ×スピード)」を自分の限界まで高めることです。

1次試験を越えてきた受験生なら計算自体が苦手なわけではないでしょう。面倒な計算問題を力業(ちからわざ)でねじ伏せてください。

これから試験日まで毎日少なくとも30分~1時間、過去問などを使った計算トレーニングをすること。こうすれば試験直前には累計学習時間が20~30時間に達し、計算力向上の実感を得るには十分です。大事なのは週末などにまとめてやらずに毎日続けることです。ここを読んでいらっしゃる受験生の中にはすでに始めていらっしゃる方もいるかもしれませんね。

トレーニングに使用する問題は、同じセットの繰り返しでも良いと思います。新しい問題を探す時間が勿体ない。

AAS本科生には「イケカコノート攻略講座の計算トレーニング問題集(Part 1&2)」のリピートをお勧めします。厳選された定番問題が解説付きでまとめられており、計算トレーニングとしてはもちろん、解法のおさらいに最適です。また、与件背景を理解しなくても即問題に取り組めるためとても効率的です。私は時間があればこの問題集を、それこそ試験日当日朝まで計算トレーニングに活用していました。

 


昨年(令和元年)の2次試験の事例4は、蓋を開けてみれば基本的な問題ばかりで、終わった瞬間「えっ?これで終わり?」と拍子抜けした程でした。

スマートには程遠い、計算力でのゴリ押しでしたが、それでもA判定(68点)を確保することができました。

事例1~3にはビギナーズラックがあるかもしれませんが、事例4にはありえません。

しかし一方で、今からの努力が最も報われるのは事例4の計算問題です。

事例4に自信がない方は、試合を控えたアスリートになったつもりで、試験日をターゲットにひたすら計算力アップの脳トレを続けてみてください。

「計算力は裏切らない!」

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