実務補習テキストを深読み① 「中小企業診断士として助言せよ」(事例Ⅰ)

こんにちは。AAS東京の三木です。

例年ならば1次試験の直前期ですが、今年は1ヶ月も2次試験の勉強に集中できる期間が増えましたので、受験生全体のレベルが上がって合格者(率)が増えるといいですね。

私が2次試験学習の最強のテキストだと思う「中小企業診断士 実務補習テキスト」のエッセンスを、過去問と連動させながらシリーズで解説していきます。2次合格をめざす受験生の皆さんが事例問題を理解する一助になれば幸甚です。

 

⓪予告編はコチラ

 

事例Ⅰでは、問題文に「中小企業診断士として述べよ」「中小企業診断士として答えよ」というフレーズがでてきます。中小企業診断士になるための試験ですから、診断士になりきって解答するのはあたりまえのように思いますが、何か特別な意味があるのでしょうか?

 

過去問で確認してみましょう。
(令和元年度の変化については最後に述べます)

平成30年度 事例Ⅰ
第4問:A社が、・・。中小企業診断士として、・・助言せよ。
平成29年度 事例Ⅰ
第4問:A社は、・・、中小企業診断士の立場で助言せよ。
第5問:・・中小企業診断士として、どのように分析するか。・・答えよ。
平成28年度 事例Ⅰ
第2問(設問1):中小企業診断士として、どのような助言をするか。
第3問:業績低迷が続くA社が・・。中小企業診断士として、・・助言せよ。
平成27年度 事例Ⅰ
第3問:・・今後の経営に、・・。中小企業診断士として、・・延べよ。
第5問:A社の・・。中小企業診断士として、・・助言せよ。
平成26年度 事例Ⅰ
第5問:A社は、・・。中小企業診断士として、・・助言せよ。

 

遡ってみると、設問文にこのフレーズが出てこないのは、平成18年度と平成17年度だけでした。(ちなみに、両事例とも与件文中で「中小企業診断士にアドバイスを求め」たり、「知り合いの中小企業診断士に相談」しています)

中小企業診断士として」というのは設問分解で言うところの制約条件ですね。このフレーズはどのように解答の方向性を制約しており、その制約にどのように対応すれば良いのでしょうか?

まず、設問の区分が「助言」だということですね。しかし、設問文に「助言せよ」と明記していますので、二重に制約する必要性は低いですよね。(平成29年度第5問や平成27年度第3問も今後のことに関する設問です)

さて、この制約条件に対応するためのヒントが、「現行の新制度となった最初の年の最初の設問に示されている」と思うのは、考えすぎでしょうか?

さっそく問題を確認してみましょう。

平成13年度 事例Ⅰ 第1問
業績改善を急務とするA社は、厳しい現状を打破するために中小企業診断士にアドバイスを求めることにした。中小企業診断士は、A社の戦略策定にあたって、まずどのような分析を行うべきか。60字以内で述べよ。

なんと、助言問題ではないのに、「中小企業診断士」というフレーズがでてきます。
しかも与件文に解答の根拠が見当たらない知識問題です!
皆さん、まずは解いてみてください。

 

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この試験は正解が公表されませんので、正しいと思われる答えを自分で導き出すしかありません。そこで、中小企業診診断協会が発行している、実務補習テキストの内容を参考に答案を考えてみましょう。

第Ⅱ章 5項 実務補習における「診断」「計画」のプロセス

【第1プロセス】経営者ニーズ確認、経営実態把握
【第2プロセス】経営環境分析
【第3プロセス】経営資源分析
【第4プロセス】経営課題抽出(SWOT分析)
【第5プロセス】全体最適調整
【第6プロセス】改善提言・改革提言
【第7プロセス】経営診断報告

 

戦略策定は第6プロセスに相当しますので、まず行うべきは第2から第4プロセスの分析であるということですね。

すなわち、「中小企業診断士として行なう助言は、事例企業の分析に基づいて行わなければならない」というのが解答の骨子であり、それ以降毎年のように示される「中小企業診断士として」という制約条件の意味ではないでしょうか。

そして、目指すべき合格答案とは、『その内容が「診断」「計画」の7つのプロセスを踏んで作成されたことが採点者に伝わるもの』、であると言い換えることができるのではないでしょうか。

 

事例問題にも、経営診断報告を作成する意識で取り組みたいですね。

 

ちなみに、受験生時代に作成したマイベスト答案は次の通りです。

平成13年度 事例Ⅰ 第1問 解答例
戦略策定にあたって、経営を取り巻く内外の環境(強み・弱み・機会・脅威)を明らかにするため、SWOT分析を行うべきである。(60字)

令和元年度の試験問題では「中小企業診断士」というフレーズが消えてしまい、新たに『経営コンサルタント』が助言役として登場しました。
同じ意味で使用されているのかどうか、現段階では判断しきれずにいますので、今年の新作事例に注目したいと考えています。(試験が待ち遠しいといったら怒られますかね?)

因みに、令和元年度の第5問は上記プロセスの【第5プロセス:全体最適調整】に該当すると判断することができますので、出題傾向の変化も実務補習テキストの範囲内で予測が可能だということになるでしょうか。

なお、令和元年度の事例Ⅰは、とても学習効果の高い事例問題だと思います。
その詳細は「R1のA社を深読み」で解説していますのでご覧ください。

 

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