2次試験対策の「守・破・離」は、「守」に徹するべきと言いたい理由

こんにちは。AAS卒業生の典茶漬けです。

もうすぐ6月。学習の進捗は如何でしょうか。

年初からずっと2次試験対策を続けてこられた受験生にとっては、そろそろ答案の書き方のコツが掴めてきた(多年度生にとっては取り戻してきた)頃なのではないかと思います。まだという方も、過去問トレーニングなどに励む中で、自身の課題がより明確に見えてきたのではないでしょうか。

こうした学習進捗に関することで、しばしば目にするのが「守・破・離(しゅはり)」という言葉です。もともとは芸道・芸術における修業過程や境地を差すこの言葉。スポーツ、仕事、勉強など、様々な日常シーンでも使われているようですね。(参照:Wiki

AAS東京の方針にも取り入れられているこの、「守・破・離」。(参照:AAS東京 ご挨拶
受験生のみなさんはどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか?
ひょっとしてすでに実践・実感をされていたりするのでしょうか。

残念なことに私は、「これぞ守・破・離だ!」という実感を一度も得られないまま、受験生時代を終えてしまいました。試験勉強は「守(師の教えを守る)」しかなかった、という印象です。

しかし今振り返ると、結果的にそれで良かったのだと思います。寧ろ、よそ見せず師の教えに忠実にあろうとしたために合格できたのだと考えています。教義に反するとしてAASに消される(ブログ的に)覚悟で、受験生は「守」に徹するべき!、と言いたい。

以下に続く拙い文章で、そう考えるに至った理由を少しでもご理解頂ければ幸いです。

「守」=合格答案作成の「型」を築くための、必須プロセス

先輩方の言葉を参考に自分なりに解釈すると、2次試験対策における「守・破・離」の「守」とは、「しかるべき師(スクール等)に教えを乞い、合格答案作成の基礎(=型)を倣い、それを何度も繰り返して磨くこと」

私がこの「守」の重要性を強調する最大の理由は、2次試験で受験生が試されるのが「診断士としての知識を応用して、問われたことに忠実に且つ論理的に答える能力」だからです。

そして、その能力を答案用紙上で示すには、論理的で簡潔な文章構造と試験特有の得点ノウハウを駆使した、模範的な「型」に沿って書くのが正道どんなに素晴らしいアイデアを盛り込んでいても、型破りなオリジナル答案では、採点者に即ハネられてしまうでしょう。

また、「型」が無いまま過去問などのアプトプットに励むことは、遠回りどころか同じ道を行ったり来たりの繰り返し。これではいつまで経っても臨む目的地に辿り着けません。

私は自分が「型無し」であることに気が付くのが遅れ、独学にこだわったがために、「守」に入る前に2往復(年)しました・・・。

まさに、「守」無くして「型」築けず、「型」無くして「得点」得られず。

「破・離」=「型」を使いこなすための、ちょっとした工夫や改革

私自身の体験と振り返りから、2次試験対策の「守・破・離」における「破・離」は、「守」で築いた「型」を破ったり手放したりするのではない、と断言します。寧ろ、「型」を守りつつも自分なりに使いこなそうとする奮闘の中にある、と考えています。

「どうしたら模範解答のような答案を、自分でもスラスラと書けるようになるだろうか」
「どうしたら試験でもっと落ち着いて、時間内に答案を書き上げられるようになるのだろうか」

このような問いについて考え抜いた末、現状を打破するためにやむを得ず行った、習得した手法に手を加えるような「工夫」や、従来の考え方やこだわりを捨てるなどの内なる「改革」。それらが「破」や「離」として表現できるのではないでしょうか。

「型」を使いこなすためのちょっとした「工夫や改革」ですから、「型を破ってやろう」などと考えていては決して見つからないものです。

とはいえ、ただ黙々と「守」の修行に励んでいれば自ずと「工夫や改革」を見出せるわけではありません。「工夫や改革」へのヒントを得るためには、視点の切り替えが必要です。

視点切り替え方法の一つとして、以前ブログでお伝えした「敗因分析」があります。学習環境や取組み姿勢など、少し思考の幅を広げて現状を見つめ直してみることも有効だと思います。なぜなら、「工夫や改革」は、解答プロセスや答案作成テクニックのみに限定されないからです。

どのような形であれ「破・離」は、「守」とは異なり、他人に教えを乞うことは難しいでしょう。自分自身で、その必要性から見出すしかないのです。

以下は、私の「破・離」“だったかもしれない”体験です。
合格前は認識できなかったので、完全に後付けです。しかもあまりに些細な「工夫や改革」なので、これらを「破・離」として位置付けるのは、元々の意味に対して大変失礼な気もします。しかし確かに、私を多年度生卒業へと導いたブレークスルー・ポイントでした。

私の体験が全ての方に当てはまるとは限らないので、おススメはしません。受験生のみなさんが、それぞれ自分だけの「破・離」を見つけるヒントとなれば幸いです。

「破」だったかも? 
与件文にマーカーを引く際の色分け基準を変えた

与件分析の際に使うマーカー(蛍光ペン)の色分け基準を、長らく続けていたSWOT別をやめて、設問別に変更しました。色は、設問1から順に、「」とグラデーションで。
これにより、設問とリンクしている箇所が一目で把握できるなど、与件が劇的に読み易くなり、切り口やキーワード等の見落としが減りました。(一方で、診断士試験の基本ツールであるSWOTを手放した罪悪感は最後まで残ることに・・・)
「離」だったかも?
試験への疑念を捨て、結果を受け入れ続ける覚悟をした

多年度化が進むにつれ、強まっていった疑念「努力だけではどうにもならない、頑張っても報われない試験なのでは・・・」。
最終年度ではこの疑念をサクッと捨て、結果だけを素直に受け入れることにしました。よしんばそういう試験だったとしても、それを選んだのは自分だと気付いたからです。その上で、こうなったらもうとことんこの試験と付き合ってやろうと決めました。
そうすると心がスッと軽くなり、普段よりも精神的な余裕をもって試験に臨めたような気がします。(多年度の重圧からの解放!)


「守」無くして「破・離」へは到達できない。(参照:AAS東京の熱血講師

全くもってその通りだと思います。
しかし、私が到達した(ような気がする)「破・離」は、「守」に徹しようと四苦八苦する中で生まれたもので、合格前はそれと認識できないほど些細なものでした。

きっと、中小企業診断士の世界における本当の「守・破・離」は、資格取得後に診断士として歩む道の中にあるのでしょう。

・・・出入国制限の延長で今年中の実務補習はほぼ絶望的な中、そんなに遠くない異国の地から日本に思い馳せる日々です。

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