本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例4 74点) けーたろー
みなさん、こんにちは!
けーたろーです。
令和7年度の1次試験の結果が発表されましたね。
合格された皆さん、おめでとうございます!
いよいよ2次試験対策が本格化しますね。
私がR06年度の2次試験にどう対応したかをこのブログに書いていっていますので、よろしければ参考にしてみてください!(第1回はこちら)
さて、今回は、前回に続き、R06年度の私の再現答案について解説していきます。
少しでも皆さんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします!
今回は最後の事例Ⅳです。
事例Ⅳの試験直後の感想ですが、「いつもよりできた気がするが、60点に届いただろうか?」でした。
こちらの記事にも書きましたように、例年事例Ⅳが足を引っ張っていましたので、今年こそは事例Ⅳで「まず60点を取りたい」と思っていました。事例Ⅳの対策はかなりしっかりやってきたので、スムーズに問題にあたることができたとは思いましたが、後述するいくつかの問題があって、終わったときには「60点到達には微妙かな・・」と思いました。
それでは以下に具体的にどのように対応し、解答したかを書いていきます。
第1問
[設問1 設問文]
D 社および同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較して D社が優れていると考えられる財務指標を 1 つ、劣っていると考えられる財務指標を2 つ取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、その値を⒝欄に記入せよ。解答にあたっては、①の欄に優れていると考えられる指標を、②、③の欄に劣っていると考えられる指標を記入すること。なお、⒝欄の値については、小数第 3 位を四捨五入し、小数第 2 位まで表示すること。また、⒝欄のカッコ内に単位を明記すること。
[設問1 解答 ]
有形固定資産回転率 11.26回
自己資本比率 14.15%
売上高総利益率 59.01%
[設問2 設問文]
D 社の当期の財政状態および経営成績について、同業他社と比較した場合の特徴を 80 字以内で述べよ。
[設問2 解答 ]
こだわりの材料も売上低迷、一貫生産でコスト負担が重く収益性が低い。大手資本の競合に比べ、利益の蓄積少なく安全性低い。設備等は共通品製造販売で効率性高い。
この問題は最初に着手しました。第1問の特に設問1の経営分析は特訓をしてきたことでかなりスムーズに解けました。設問2も収益性、安全性、効率性の観点を踏まえて解答ができたと思います。
第2問
[設問1 設問文]
取引先の X 社から次期に最大 6,500 袋を購入したいという引き合いがあった。ただし、販売価格 3,000 円での納入を打診されている。D 社としては加工事業のテコ入れを検討しているという事情もあり、引き受けを検討している。 一方で、新たに Y 社からも、次期に最大 4,200 袋を購入したいという引き合いがあった。ただし、タレで味付けするなどの追加加工を行った上で、4,800 円で納入することを打診されている。なお、追加加工は現有の設備で可能であり、新規の設備投資は必要ない。追加加工に必要な 1 袋当たりの原価などのデータは以下のとおりである。 <図表>
X 社および Y 社と交渉したところ、両社とも注文数量の調整に応じてくれることが分かった。次期の営業利益を最大化するための生産数量と、そのときの営業利益の額を答えよ。 解答にあたっては、X 社向けの生産数量を⒜欄に、Y 社向けの生産数量を⒝欄に、それぞれ記入すること。また、営業利益の額は⒞欄に記入するとともに、計算過程を⒟欄に示すこと。
[設問1 解答 ]
(a)6500袋 (b)240袋 (c) 2,670,800円
(d) X社向け限界利益=3000-1780=1220円
X社向け時間当たり限界利益=1220円
Y社向け限界利益=4800-(1780+1600)=1420円
Y社向け時間当たり限界利益=1420÷2.5=568円
X社向けが有利な為優先して生産する
1220x6500=7,930,000
この時6500x2=13000時間
残る600時間でY社向けを生産 600÷2.5=240
6500x1220+240x1420-5,600,000=2,670,800円
[設問2 設問文]
Y 社から、最低でも 2,400 袋以上購入することを希望しており、また販売価格の引き上げについては交渉に応じる旨の連絡があった。なお D 社は、設定した販売価格の下で営業利益を最大化するように生産数量を決定するという方針をとっている。生産数量についての Y 社の希望に応じるためには、Y 社向けの製品の販売価格を何円以上に設定すればよいか。 解答にあたっては、販売価格を⒜欄に記入するとともに、計算過程を⒝欄に示すこと。
[設問2 解答 ]
<何か書いたように思いますが、ほとんど何もかけていなかったと思います。>
第2問は、第1問、第4問を解いた後に、解き始めました。
意思決定会計の問題自体も定番ですし、設問1も過去問や各種問題集で出てくるレベルの問題であったので、比較的スムーズに解答できました。そんな中でも気をつけていたのがは①自分が後で検算しやすいように整理しながら書くこと。②どこかに間違いはないかと疑ってかかること、でした。
第2問設問1までかなりスムーズに解けましたので「これは良い感じだ!」と思いました。そしてここが一つ目の落とし穴でした。気分が良くなってしまった私は、調子に乗って第2問設問2に着手しました。問題を読むと昨年も出た線形計画法で解く問題のようです。しかし、私は「昨年出たものは今年は出ないだろう。昨年もサプライズのような出題だったし、線形計画法は今年は出ないだろう。」と思っており、「線形計画法」を”全く”勉強していませんでした・・・。そこであきらめて次の第3問に行けば良かったのですが、調子に乗ってしまっていた私は「連立方程式をあれこれすれば解けるのでは?」と思いましたが、うまくいかずここで時間を使ってしまいました。そして途中で「これはいけない。事例Ⅳでは解けない問題に時間を使ってはいけないのだった!」と思い直し、第2問設問2は捨てて、第3問に着手しました。
第3問
[設問1 設問文]
初年度および 2 年度のキャッシュフローの更新前と比べた増加額(初期投資と旧機械の売却収入を除く)を計算せよ。 解答にあたっては、初年度の増加額を⒜欄に、 2 年度の増加額を⒝欄に、それぞれ記入すること。
[設問1 解答 ]
(a)8 (b) 46
[設問2 設問文]
この新機械の試験的導入における正味現在価値を計算せよ。ただし、資本コスト は 9 %とする。利子率 9 %のときの複利現価係数と年金現価係数は以下のとおりで ある。解答は小数第 3 位を四捨五入し、小数第 2 位まで表示すること。なお、正味 現在価値を⒜欄に記入し、計算過程を⒝欄に示すこと。
[設問2 解答 ]
(c)初年度CF 8
2年度CF 46
3~8年度CF 46
9年度CF 46 9年度運転資本戻り40
NPV=8 x 0.917 + 46 x 0.842 + 46 x 5.033 x 0.842 + 40 x 0.460 – 540 – 70 + 110 x 0.3 =
設問1はオーソドックスな問題なので、「これはできそうだ」と思いました。これまで勉強した通りに解いていき解答を導きました。そして続く設問2は計算過程まで示す必要があるため、一つずつ計算過程を整理しながら解答を書いていきました。ここで2つ目の落とし穴がありました。
それは第3問の与件文に「営業利益ベース」で数字が書かれてあることに設問2を解いている間に気づいたことです。つまり解答を終えたと思った設問1を間違えていることに気づいたのです・・・。
ここで私は決断を下す必要がありました。
設問2の計算式を書くのを途中でやめて、設問1を修正しにいくか、それとも設問1はそのままにして、設問2を完成させに行くか、どちらにするべきかと。時計を見ると残りは5分を切っていたと思います。
その時に「あー、第2問の設問2に着手するんじゃなかった・・・。あの時は調子に乗ってしまったんだなー。」とこの時反省しました。
しかし、反省はさておき、第3問をどうするかです。
よく受験校の講師がおっしゃっていますが、「設問1の方が設問2より多くの人が正解するので実は配点は設問1の方を高くしているはず」という説もあります。それに倣えば、定石は設問1の修正を優先することだったのですが、一方で私は「この残り時間で設問1を修正しに行って、焦って設問1を間違えたらどうなるんだろう?」と考えました。設問1も取れず、設問2の計算過程の記述も書き進められず・・・・、となれば得点が得られないかもしれない。。
そして、次にこのようにも考えました。
「設問1はもしかすると私のように同じ間違いをしている人が一定数いるのではないか?それであれば、間違ってはいるが近しい解答として、部分点がもらえるのでは?」と。
そして「今は設問2の計算過程を書き進めて、こちらも部分点をより多く獲得した方が良いのでは?」と考えました。
結論として、設問1の解答はそのままにし、設問2の計算式を書き進めました。
結果的に、設問2の計算式は書きあげられなかったのですが、減価償却費などより多く項目は書けたかなと思います。この判断が最終的にどういう結果を招いたのかは、よくわかりません。
[設問3 設問文]
D 社は、営業利益の予測が正しいかどうかを探るため、初年度期首に 30 万円をかけて市場調査を行った。その結果、営業利益は 60 %の確率で予測どおりとなるが、40 %の確率で価格競争の激化により予測の 7 割にとどまることが分かった。なお、営業利益が減少する場合でも、運転資本の残高に関する予測に変化はない。このとき、新機械の試験的導入を実行すべきかどうか、正味現在価値を示して答えよ。正味現在価値は⒜欄に、小数第 3 位を四捨五入し、小数第 2 位まで表示するとともに、⒝欄のカッコ内の「ある」か「ない」に○印を付して答えること。また、⒞欄に計算過程を示すこと。
[設問3 解答 ]
(a) <空欄>
(b) ある
(c )<空欄>
設問3は着手できず、(b)欄にあてずっぽうで「ある」に〇をつけて試験はタイムアップとなりました。
第4問
[設問1 設問文]
D 社では、事業部の業績評価のために、加工事業部から飲食事業部および惣菜事業部への製品の供給を事業部間の販売とみなし、そこでは製品単位当たりの全部原価に一定の割合の利潤を上乗せした価格を用いている。D 社が採用しているこのような価格の設定方法には、事業部の業績評価を行う上でどのような問題点があるのか、80 字以内で説明せよ。
[設問1 解答 ]
期末の在庫の状況によって数値が変わるため業績評価には不適切。また社内販売を優先し外部販売がおろそかになる可能性があり全社成長の為には不適切。
[設問2 設問文]
D 社では、創業者である社長が事業部の運営に大きな影響力を有しており、設備投資に関しては当該社長が実質的な意思決定権限を持っている。このような場合、財務指標を用いて事業部長の業績評価を行うときに留意すべき点を、60 字以内で説明せよ。
[設問2 解答 ]
EBITDA等、事業部長が関与できない減価償却費の影響を排除する指標を使用するよう留意する。
第4問は、第1問着手後に、2番目に対応しました。
設問1は、事業部間の社内販売を業績評価に使うことは、本来やるべき外部売りへのモチベーションを下げてしまう問題点をまず指摘。その上で設問文にわざわざ「全部原価」とあるので、「全部原価?、標準原価計算とは違うってことか・・。 期末の在庫も勘案して計算するということか?」と考え、解答を書きました。
設問2は、イケカコにも出てきたテーマなので、「やはり来たな」という印象でしたが(ご参考:こちら)、解答を書いているうちに「管理可能利益を管理する」という表現になってしまうのがとても気持ち悪かったので、「何か違う解答で、良いものはないか?」と考えたときに、事例Ⅳ第4問の対策として勉強していた1次試験知識の中から(ご参考:こちら)、EBITDAは「減価償却費の影響を排除した評価指標になりうる」という話を思い出し、それを解答にしました。
ここでは「自分で考えた事例Ⅳ対策が機能した!」と思えました。
このような形で試験は終わり、直後は「60点に届くだろうか・・?」と思っていました。
結果は74点でした。
正直なところ、第1問、第2問設問1、第4問がある程度取れていたとして、さらに第3問設問2の計算過程の部分点があったとしても、60点行くかどうか・・・。70点を超えてくるとは思ってもみませんでした。このあたりの配点は謎・・・・・だと思いました。
今日のブログは以上です。
2次試験の対策の参考になれば幸いです。
次回は、2次試験当日の過ごし方についてお話しさせていただきます。
また、次回もお会いしましょう!