事例Ⅳの指標問題「よくある間違い」について

初めに

皆様、こんにちは。「AE86カローラレビンGTV」です。学習は順調に進んでいるでしょうか。本試験の10月25日まであと20日です。学習ももちろんですが、体調管理にも留意され、試験当日は最高の体力と気力で臨んで下さい。

事例Ⅳの第1問について

このテーマについては、今週の金曜日に執筆される中小企業診断士として実務でご活躍中の「金森先生」が4週毎にシリーズで詳しく解説されております。非常に参考になりますので、是非お読みいただき、解法テクニックの習得や基礎知識の確認を図って下さい。

さて、私は受験生の事例Ⅳ過去問の添削に携わりながら、特に第1問の指標問題で気付いた「よくある間違い」について述べたいと思います。本試験では「得点する力」はもちろん大切ですが、「失点しないこと」も同じくらい大切です。得点出来る問題を確実に得点するためにも皆様の参考になれば幸いです。

よくある間違いについて

①解答欄を間違えること。

実はこれが一番多い間違いです。例えば、令和元年度では、「①悪化していると思われるものを2 つ、②改善していると思われるものを1つ取り上げ、(中略)記入せよ。」ですが、悪化も改善もランダムに記入したり、悪化を1つ、改善を2つ選択したりしたものです。そのような解答に限って数値が正解だったりするので、本当に残念に思います。

②四捨五入の桁や単位を間違えること。

これもよくある間違いです。設問文にきちんと制約条件が明記されています。多くの場合、四捨五入の桁は「小数点第3 位を四捨五入」ですが、しっかりと確認が必要です。また、ついうっかりと第2問以降も第1問と同じ条件の四捨五入で対応している方もいらっしゃいます。かならず設問毎に制約条件を確認しましょう。

単位では、例えば、回転率を「回」ではなく「%」とか、回転期間と間違えて「日」や「月」と記述する方もいます。これらも数値は正解の場合が多く、非常にもったいないですね。

③同業他社比較と前期比較を混同していること。

令和元年度は前期比較でしたが、H29やH30は同業他社比較でした。同業他社比較の場合、記述は「~は改善している」、「~は悪化している」ではなく、「~良い」、「~悪い」です。指標名や数値は正しいのに記述がもう一息、と云う方も多いですね。

④指摘した指標と記述内容の整合性が取れていないこと。

設問1で選択した指標に沿って、設問2の記述が展開され、さらに第2問以降の問題との整合性が取れていることが理想ですが、これが出来ていない方も多いです。指摘した指標と全く無関係の記述をなさったりしています。これについては⑥で述べます。

⑤重複感のある指標が選択されていること。

④に述べたように収益性、効率性、安全性の3つの視点で指標を選択した場合、例えば、D社の負債が多く、その支払利息も多額な場合、課題のある指標として、収益性で「売上高経常利益率」を、安全性で「負債比率」を選択する方がいらっしゃいます。しかしこの場合、重複感があります。理由はどちらも「負債」に注目しているためで、どちらかの指標は再検討の可能性が高まります。着眼点は良いので、もったいないです。

⑥設問の一貫性が考慮されてないこと。

第1問の指標問題は、いわばD社のSWOT分析です。そのため、他の事例と同じく、指摘した問題点や課題は事例内で解決することになります。そこで指標を選択する際、「この指標は第2問以降のどこで解決できるのだろうか」、と考えてみることです。また、第2問以降の記述問題の際には指摘した指標は改善されているだろうか、と意識することで解答の切り口を見つけることにも役に立ちます。

もっとも、「設問の一貫性」は考慮すべき要素ですが、優先順位は、先ずは数値、そして与件情報と設問の制約条件、です。

最後に

いずれの間違いも、「なぁ~んだ」と云うもので、財務会計の難しい論点や高度な解法テクニックとは異なりますが、これが失点の事実です。過去問演習や模試では絶対にやらないような間違いをするのが本試験の怖いところです。

厳しい鍛錬で自分の弱みを克服することは大切ですが、同時に「自分は必ず間違いを犯す」ことを前提に、解答時には「間違いを減らす対策」を実行し、記入後には「見直しで間違いを見つけること」で確実に失点を防止していただきたいと思います。

それでは、時節柄ご自愛ください。

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