とっつぁんです!
皆さんも中小企業診断士の試験において、
1次試験と2次試験は連続している、という考え方と、それぞれは別物である、という考え方を
聞いたことがあると思います。
解答が選択式か記述式かで異なるため、試験形態としては別物であるというのは想像がつくと思います。
一方で、それ以外にはどのような違いがあるのか、については、
特に2次試験対策にまだ取り掛かれていない方はイメージもできていないのではないかと思います。
今回は、概要に加えて、自分自身が試験対策としてやっていたことをご紹介したいと思います。
1次試験とは?2次試験とは?
そもそも、中小企業診断士1次試験と2次試験はそれぞれどのような試験なのか。
「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」では下記のように記されています。
1次試験
第一次試験は、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、次の各号に掲げる科目について、多肢選択式又は短答式による筆記の方法により行う。
と記されています。
また、”各号に掲げる科目”として、ここでは省略していますが試験7科目が明確に記されています。
つまり、1次試験は全7科目それぞれに関する学識=知識を問われる試験です。
2次試験
第二次試験は、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式又は論文式による筆記及び口述の方法により行う。
と記されています。
必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的としていること、
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力を図る試験であること、
と記載されています。
一方で、1次試験と異なり、試験科目については記載がありません。
ただし、2次試験案内(令和7年度のもの)には、下記のように記されています。
各科目は、「経営革新・改善」、「新規事業開発(既存事業の再生を含む)」などの中から次のように出題します。
・「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計と言う各事例の科目名が明記がされています。
ただし、ここで重要なのは”中心とした”と”経営の戦略及び管理”いう文言です。
2次試験は、各科目が主体にはなるものの、
経営の戦略と管理
=複合的な要素(その科目以外の知識を含む)を考慮した診断・助言を行うことを目的に行われる試験
と読み取ることができます。
ここで、”経営の戦略”というワードを考えてみたいと思います。
全体像として、会社の軸となる経営戦略、そこに紐づく事業戦略、機能ごとの戦略があります。
機能ごとの戦略は、試験では、組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計が対象です。
経営戦略は事業戦略及び各機能戦略と繋がっていることに加え、
機能ごとの戦略も独立したものではなく相互に影響し合うものとなります。
つまり、経営戦略を考える場合は、機能ごとに戦略を捉えつつ、他の機能への考慮も必要になります。
そのため試験問題への対応においても、
事例Ⅰ:組織・人事、事例Ⅱ:マーケティング・流通は1次試験の企業経営理論で勉強するテーマですが、
たとえば財務会計の知識を活用することがあります。
事例Ⅲ:生産・技術においても、運営管理に加えて企業経営理論、財務会計の知識が、
事例Ⅳ:財務会計においても、財務会計+企業経営理論+生産管理の知識を活用することがあります。
たとえば、実際にこのような問題が本試験で出題されています。
令和3年度の事例4(財務・会計)の問題です。
取締役に対する業績評価の方法について、中小企業診断士として助言を求められた。現在の業績評価の方法における問題点を⒜欄に、その改善案を⒝欄に、それぞれ 20 字以内で述べよ。
業績評価というワードから組織・人事関連の出題であるとイメージがつくかと思います。
こちらは平成29年度の事例3(生産・技術)の問題です。
C 社では、ホームページを活用した CNC 木工加工機の受注拡大を考えている。展示会での成功を参考に、潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法、潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策を 160 字以内で述べよ。
顧客の獲得というワードからマーケティング関連のトピックであるとイメージがつくかと思います。
このように、事例の科目ごとにメインとなる1次試験の科目はありつつも、
複合的に知識を活用して解答しなければならない問題が出題されています。
そのため、2次試験は経営の戦略及び管理に関する問題=”応用能力”を問われる試験となっております。
以上のように、1次試験と2次試験は問われるものが異なっていることはイメージいただけたかと思います。
どのように対策をすれば良いか?
上記を踏まえて、どのように対策・準備をすればいいのか。
2次試験科目は、
1次試験科目でいうと主に企業経営理論、運営管理、財務・会計の3科目が中心ですので、
それぞれの科目を抑えておけば十分ではありますが、
いずれも試験範囲の広い科目ですので全てに対策をしようとすると難度は高いと思います。
(実務をするにおいても、必要な知識を全部覚えておくことは不可能です、、、)
そのため、試験対策として実際に私が意識していたことをご紹介します。
2次試験の問題において必要となる知識が何かを抑える
2次試験においては、理論名や人物名などの単語情報を問われることや記載することほとんどはなく、
理論を事例企業の状況に合わせて活用し解答を整理(助言・診断)していきます。
そして問われる内容もある程度絞ることができる(傾向がある)ため、それらを抑えておきましょう。
具体的な内容は、予備校や市販の対策本にも記載されていますので参考にしていただければと思います。
※最近数年の試験では、社会やビジネストレンドを踏まえた内容・単語が出ている印象があるので、
新傾向対策として現実のビジネスにおける情報収集やそこから連想される理論についても目を通しておきましょう
知識・理論は、類似・相反する理論やメリット・デメリットなど多面的な理解をしておく
2次試験では、
事業環境Aの中で方針Xを採用しているがうまくいっていない。新たな方針Yは何が良いか助言せよ。
というような問題が出題されます。
解答にあたっては、
Aに対してなぜXがうまくいっていないか、Aに対して有効な対処法をとれば良いか(その結果=Y)
がわからないと解答ができません。
この時、各理論と類似するもの、相反するもの、メリット・デメリットがわかっていると
有効となる打ち手として打ち出すことができるようになります。
一例で言えば、組織や事業体制でいう
機能別組織や事業部制組織、マトリクス組織やプロジェクト型組織、内製・外注などの
それぞれの特徴をおさえておくイメージとなります。
とはいえ、これに関しては比較的1次試験対策でも実施された方が多いのではないかと思います。
財務・会計に紐付けて理解をしておく
打ち手を考える場合、基本的に
会社の成長=利益の向上(売上が増える、コストが減る)につながるかどうか
が判断ポイントとなります。
また、メリットが見込める2つの打ち手がある場合、
どちらの方が利益が大きいか(得られなくなり利益は何か=機会費用)
を考える必要も出てきます。
そのため、
会計面では何に影響を与える考え方か、
の理解もしておくと、
その打ち手が課題とマッチしているか・課題を解決できるのか、の判断に繋げられるようになると思います。
先ほどの組織形態で言うと、
例えば事業部制組織においては、
間接業務を担当する部門が複数部門に存在するのであれば、
管理部門のコストが増加=売上が限定的であれば利益を圧迫する可能性のある体制
といえます。
生産の外注化をする場合、
生産設備の固定費を削減できる、生産コストの変動費化ができる一方で、
営業機会の損失につながる可能性がある=売上が確保できない可能性がある、
ともいえます。
これらは一例ではありますが、
まずは売り上げを増やしたいのか、コストを下げたいのか、両方同時に実現したいのか、
の優先順位からの判断にも有効となるため、会計的に理解しておくと良いでしょう。
2次試験の事例に登場する企業=助言診断を行う対象は中小企業です。
1次試験で学ぶ知識は中小企業に限定しているわけではなく、
大手企業が採用することで有効となる理論や知識も含まれています。
そのため、中小企業の事業状況に合わせた助言を行えるようにする必要があります。
会計的にどうかを確認することで、
中小企業が採用しても耐えられる打ち手かどうかの判断にもつながります。
最後に
2次試験は1次試験と別物かどうか、でいうと別物ではあると思います。
ただし、1次試験対策で身に付けた・学習する科目ごとの知識を複合的に考えていくことで、
自ずと対策ができるものでもあります。
一方で、限られた時間の中でスピーディに解答を整理する瞬発力が必要となります。
本試験で活かせるようにするためには、事前準備・情報整理に加えて、
多くの演習問題に触れ、振り返りをしながら身につけていくのが1番の近道だと思いますし、
試験で必要となるスピード感でできる状態で最低限実務でも活用できる知識・知見になると思います。
ぜひ、これらを参考にしていただき試験対策に取り組んでみてください。
以上








