二次試験、本当にお疲れ様でした!
二次試験を終えられた皆さん、本当にお疲れさまでした。
今は再現答案を作成し、各種採点サービスに提出して結果を知りたい時期かと思います。
令和7年の事例4記述問題の雑感
今年の事例4はオーソドックスな計算問題であった故に、途中計算や記述でかなり差が例年以上差が付きそうですね。 第1問はここで書かせていただいた5つの指標、(自己資本比率、棚卸資産回転率、有形固定資産回転率、売上高総利益率、売上高営業利益率)で十分対処できたかと思います。
設問2の経営指標の記述は、経営戦略を絡めて劣った点のみを求めた点が斬新でした。
「経営戦略」と紐づきができているか?ここを採点で厳しく見るか否かで、かなり得点が変わりそうな気がします。
①自社製造のこだわりで固定資産保有、②差別化戦略採用するが原価高騰、外部環境競争激化で価格転嫁できていないが本線かと思います。
(去年の事例3からの流れで価格転嫁の観点かな?高級品作ることが悪いのではなく、それに見合う価格で売れていないのが問題として、経営者がアクションできる要因で書きたい。)
第4問の設問1は経営指標で自己資本比率が良いに選べるが、資産が非効率なので、
資金調達は①初手はその他資産(735+900+529で21億60百万円もある)で非効率なものを売却する。
②固定長期適合率から借り入れるなら短期でなく設備の減価償却期間に合わせた長期借入の2論点方式。
もっとも長期借入だけでも60点レベルにはなると思います。
設問2は、「売掛金の為替リスクにユーロプットオプション買と為替予約で対応。」
これが本線でここまでで60点レベルは行くでしょう。ただこれでは30字。
ここ数年の状況から円高ユーロ安で差損というのも助言としてはどうかなという気もする。オプションの使い方を詳述するのも具体的な対処法の要求からありかもしれません。
まだ30字もあるので、もう1リスクで、「需要見込と輸送期間調査し製品仕掛品減らし在庫リスクを低減。」
もしくは為替リスクにさらに切り込んで設問1の資金調達が長期借入金である点も絡め「ユーロ建長期借入で債権債務バランス取り為替差損益を相殺。」もありかも。(知識に頼りすぎかもしれません)
本番ではたぶん在庫リスクを書いてるかな。
(今年は本番で解いていない気楽なコメントですみません)
なにはともかく結果発表までは、一次試験から二次試験までと同じくらいの長い期間があります。
この期間は、これまで試験勉強のために我慢していたことを思い切りやってみる良い機会です。
一方で、「今年の本試験を受けて、足りなかった部分を補いたい」というモチベーションが高まっている方も多いのではないでしょうか。
私の体験:3年間を振り返って
【1年目】事例Ⅲがボロボロだったので
初年度は、事例Ⅲが壊滅的でした。
一次の運営管理では70点以上取っていたため、正直少し油断していたと思います。
今振り返ると、「正解を選ぶための勉強」しかしておらず、「実際に使うための理解」が足りませんでした。
この反省から、一次の「運営管理」「企業経営理論」を二次で使えるようにやり直すことにしました。
【2年目】計算イップスに悩まされる
二年目の直前期、私は「解き方は分かるのに、なぜか答えがズレる」という状態に陥りました。
いわゆる“計算イップス”のようなものです。
原因を分析すると、次のような動作が問題でした。
- 右手で電卓をたたく
- ペンを持ってメモする
- ペンを置く
- 再び右手で電卓をたたく
このとき、目線が数値から外れることで転記ミスが発生していたのです。
そこで、「今年ダメだったら電卓レベルの問題だろう」と割り切り、
左手で電卓をたたき、右手でペンを持ったままメモする練習に切り替えました。
【3年目】簿記と電卓の再学習
三年目は、久しぶりに日商簿記2級の再取得を目指しました。
当時よりも範囲が広がり(特に連結会計)、かなり難易度が上がっています。
ただしCBT方式でいつでも受験できるため、1か月ほど集中して取り組むことができました。
これも良いリハビリになったと思います。
あまり語られない「電卓練習」のすすめ
一次や簿記の勉強法は多くの記事で紹介されていますが、
電卓練習について語られることはあまりありません。
そこで、私が実践した電卓トレーニングを紹介します。
使用したのは 「全経 電卓計算能力検定」 の教材です。
- 商業電卓完全攻略テキスト
http://eikosha-b2c.shop-pro.jp/?pid=96156143 - 電卓計算問題集 3・4級
http://eikosha-b2c.shop-pro.jp/?pid=95933552
(出版社サイト:http://eikosha-b2c.shop-pro.jp/)
これらは制限時間10分の問題集で、
乗算・除算・見取算・複合算 の4種類の問題があります。
特に複合算が非常に役立ちました。
かっこ( )のある計算やメモリ機能の使い方が身につき、
「式を見て電卓操作が自然に浮かぶ」ようになりました。
練習時のポイント
私は時間よりも「1発で正確に合わせること」を重視しました。
間違いがあった場合は、
・どのキーを叩き間違えたか
・なぜ「+」と「-」を取り違えたのか
といった点を、できる限り再現して原因を分析しました。
問題集は何度も使うことになりますが、1冊700円と安価なので、
コピーするより新しいものを買い直す方が効率的でした。
なお、全経の検定自体は受けていません(近くに受験地がなかったためです)。
興味のある方はこちらを参考にしてください:
https://zenkei.or.jp/exam/deskcal
電卓練習が合格の鍵に
結局、1月の合格発表までは電卓練習を中心に過ごしました。
残念ながらその年は不合格でしたが、
翌年は計算でつまずくことがなく、事例Ⅳの高得点が合格の決め手になったと思います。
最後に
あくまで一個人の経験ですが、
計算で苦労した方には、電卓練習を強くおすすめします。
基礎を見直すことが、最後の一押しになるかもしれません。




