今回は事例3の再現解説をします。
口述前など読み直すと、与件に使えることがたくさんあることに気づきます。
(「あれ?」と後に気になることもあり、☆で記載し作り直すならも作っておきます。)
第1問 C社の強みを80字以内で述べよ。
(再現)
強みは、社長の工程生産性を高める提案力で特注品受託生産ができる。NC加工機を導入し設計要員や製造要員の技術者が多くいる。据付後のメンテナンスを担当できること。
事例Ⅲ、生産技術の問題なので、4Mを意識して強みを抽出しました。
ヒト 社長 設計要員、製造要員。
機械 NC加工機
材料 特になし
メゾット 特注品受注、メンテナンス、生産性高める提案
☆メンテナンスは、後に自社でメンテナンスやったことのない小規模工場や物流施設に販路を広げたいという方向性がある。メンテナンス込みの受注は必須になるはず。(生産は多能工化するのに営業や設計は専業して兼務を切り離す、この試験の通説には疑問を感じております。中小企業ということで営業と顧客の接点を増やすことは必要と思っています。)
第2問 コロナ禍以降増加傾向にある受注量に対応するため、C社製造部では工程改善によって生産能力の向上を図る検討を進めいている。どのように工程改善を進めるべきか、100字以内で助言せよ。
(再現)
改善は、作業分析により工数を標準化し各課長の経験見積りを廃止する。見直した工数でボトルネック製缶工程に合わせ平準化。製造要員の余剰は製缶工程への応援や異動も考慮する。以上で生産能力を向上させる。
第2問、第3問は局地戦ですり合わせが要る第1問より先に仕上げ、あまり時間をかけたくなかった。「工程改善」ということから製缶課のみ残業でラインバランシングのこと、前提として経験で工数を見積もる点を標準化する。人は応援異動を考慮でいいかと済ませた。(工程改善が求められているから多能工やOJTは書いていません)
☆ただ読み直すと設問の「コロナ禍以降増加傾向にある受注量に対応」ここにもっと反応すべきだったと思った。
なぜ増加したかといえば、中国の見込生産機器を国内調達=C社へ発注となったから。
「見込生産」少種多量生産なので、他の受託生産品と違う。
しかし製造番号で納期順に製作している。
→見込生産機器はまとめて段取り減らし効率化。(工程改善なのでこれがあった。)
また
現在、大日程が工事番号毎の計画のみ全体余力不明→まとめて余力を把握。工程の空きで見込品をまとめ生産。
もう一段進むと製缶は搬送機の部品と考えれば、部品の標準化もありかも(第5問への布石)
これで生産能力を上げるなら「工程改善を要求する設問に正面から答えている」と思いました。
(ここを逃した点が今回の試験で一番の心残り。)
(書き直し解答作るなら)
改善は作業分析で工数標準化、製造番号毎の計画をまとめて工場全体の余力を把握。X社から内示を受領、増加する見込生産品をまとめ生産し段取替えを減少。工程間の負荷平準化で待ちを減らし効率化、生産能力を向上する。
第3問 C社では、受注量の増加や短納期要請などの影響で製造部の工程管理が混乱している。どのように工程管理業務を改善すべきか、その進め方を100字以内で助言せよ。
(再現)
進め方は、ITを利用し、取引先と変更情報を共有し工程管理に適時反映させる。進捗管理から余力情報を営業や設計も共有し、顧客へ納期提案を行い、工程管理業務の混乱を減らす。工場全体の進捗管理も一括して統制を行う。
IT活用は与件にもあり必須。変更し生産能力不足で納期変更あるなら営業に連絡し、すぐに客先に知らせる。現実的に会議は週一から増やしたくないし計画自体の変更は増やすべきでない。
とすれば、変更があれば共有できるようにするのが一番欲しいところ。
また現在は製番ごとの中日程しかないので、一括して工場全体での進捗管理も行いたいところ。
受注生産なので、余裕ある時期に少し安くしても受注を増やしたほうが利益も上がる。ここは営業も含めて対応すべき。
☆おさまりを考えると第2問で書いた各課長の経験見積もりは工程管理である、こちらで標準化したほうが収まりがいいと思った。顧客含めが前面に出すぎた点は反省点。
(作り直すならこの解答)
改善はITを利用、工場全体の大日程計画作成で余力を見える化、営業・設計・製造で週次計画の変更情報も会議を待たず共有。各課長の経験見積もりを廃止し全社一元統制、顧客に可能な納期を提示し工程管理の混乱を減らす。
第4問 C社の顧客企業との契約金額は、最近の材料費や人件費の高騰に対応した見直しは行われているものの、現状のコスト高には対応できていない。今後、顧客企業と価格交渉を円滑に行うための社内の事前対応策を120字以内で助言せよ。
(再現)
社内対策は、外注部品や購入品の価格を資材管理課が都度更新し、価格変動のデータ化をする。営業は過去の製造した機器にコスト変動を考慮して見積り、価格交渉を行う。また据付後のメンテナンスや納期短縮の人件費データも揃え、顧客企業との価格交渉を行う。
材料表はデータ化済。更新は必要。
・過去の契約額では相手の値引きを飲んだ場合永遠に値引きし続けることにもなる。
→原価に基づく出し値に切替え
追加やメンテナンス・納期短縮の人件費はサービスとなっている→交渉の準備をする。(第5問の事業化にも必要)
☆一応、人件費と材料費の高騰は見直している→ その他経費がまだ。
・営業部長に決裁権。→原価情報なので決裁は営業部長に製造部長も加えた決定にする。
ここが抜けてました。
(作り直すならこの解答)
対応は、材料費や人件費だけはなくその他経費の価格上昇も加味し部品構成表のデータを更新して見積単価に反映する。メンテナンスや短納期対応の工数と追加人件費を把握する。過去の製造原価に価格変動を織込み、営業部長と製造部長が協議し契約金額を決裁する。
第5問 C社社長は、小規模の工場施設や物流施設の新設や更新計画を計画している企業と直接契約し、自社企画の製品を設計、製造することで事業を拡大したいと考えている。この新しい事業展開を成功させるにはどのように推進するべきか、120字以内で述べよ。
(再現)
新事業は、社長の工程の生産性を高める提案力を生かし、小規模工場や物流施設に提案営業し、新市場を開拓する。設計要員を生かして特注品を自社設計する。据付後のメンテナンスもC社が行い継続取引とし、安定受注を確保し、高付加価値化でX社への依存を下げる。
ダナドコから
ダ①小規模工場、物流施設 ②既存客
ナ 個別対応できる特注品
ド 生産性高める提案 メンテナンスまで一貫で継続
コ 売上安定、高付加価値 X社から自立
☆強みを生かした事業提案 =ダナドコ
誰に 小規模の工場施設や物流施設に
何を 自社企画品 (設計要員 特注品でなく規格品を標準部品の組合せモジュールで作る。生産性向上のため。)
どのように 生産性を高める提案営業。経験のない小規模企業にメンテナンス・据付込のフル規格サービスで新規開拓、据付は協力先を見つけるべき。
(据付はノウハウがないことと建設業許可が必要なため内製しない)
売って終わりでなく継続した売上は自立化には必須。
効果 高付加価値でX社への依存を下げる
(作り直すなら、この解答)
事業は、社長の生産性を高める提案力を全社共有し、小規模の工場や物流施設に提案営業する。設計力を生かし標準部品組合せた自社企画品を開発、据付業者と提携、新設・更新の顧客を取込む。メンテナンスで継続取引し、高付加価値な事業でX社依存から脱却を図る。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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