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わたしの再現答案リアル解説(R06事例4 78点) カズ

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例4 78点) カズ

こんにちは、カズです。
今回はR06年度事例4の私の再現答案について解説します。

実際に解答した順は 第1問⇒第4問⇒第2問⇒第3問 ですが、出題順で紹介します。

第1問(配点25点)

[設問文]
(設問1)
 D 社および同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較してD社が優れていると考えられる財務指標を1つ、劣っていると考えられる財務指標を2 つ取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、その値を⒝欄に記入せよ。解答にあたっては、①の欄に優れていると考えられる指標を、②、③の欄に劣っていると考えられる指標を記入すること。なお、⒝欄の値については、小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示すること。また、⒝欄のカッコ内に単位を明記すること。
(設問2)
 D 社の当期の財政状態および経営成績について、同業他社と比較した場合の特徴を80字以内で述べよ。

再現答案
(設問1)
①(a)有形固定資産回転率  (b)11.26回
②(a)売上高総利益率    (b)59.01%
③(a)自己資本比率     (b)14.15%

(設問2)
製品開発から生産、加工、販売に至る一貫体制と顧客からの高い評価で効率性は高い。体制の維持や食材のこだわりでコスト増、長期借入金は多く、収益性と長期安全性は低い。

解答作成プロセスの紹介
 経営分析問題は、事前に8~9個の指標を必ず計算するように決めて、それらをすべて計算したうえでその中から適切なものを選ぶ流れで解きました。計算結果を見ながら、限られた8~9の指標の中から一番合っているものを選べば良いので、思考時間は短く済むようになったと感じます。電卓をたたいて計算することが苦手でない方にはおすすめの方法だと思います。

振り返り
 お決まりの経営分析問題、今回も同様に出題されました。解答作成プロセスはある程度固めていたので、練習通りに対応できたように思います。かけた時間も15分以内で目標通りでした。

第2問(配点20点)

[設問文]
(設問1)
~前略~
 次期の営業利益を最大化するための生産数量と、そのときの営業利益の額を答えよ。
解答にあたっては、X社向けの生産数量を⒜欄に、Y社向けの生産数量を⒝欄に、それぞれ記入すること。また、営業利益の額は⒞欄に記入するとともに、計算過程を⒟欄に示すこと。

(設問2)
 Y 社から、最低でも2,400袋以上購入することを希望しており、また販売価格の引き上げについては交渉に応じる旨の連絡があった。なおD社は、設定した販売価格の下で営業利益を最大化するように生産数量を決定するという方針をとっている。生産数量についてのY社の希望に応じるためには、Y社向けの製品の販売価格を何円以上に設定すればよいか。 
 解答にあたっては、販売価格を⒜欄に記入するとともに、計算過程を⒝欄に示すこと。

再現答案
(設問1)
(a)6500 袋
(b)240 袋
(c)2,670,800 円
(d)
X向け限界利益:3000-1780=1220 円/袋
Y向け限界利益:4800-3380=1420 円/袋
直接作業時間あたりの利益は、X向けが1220円、Y向けが568円
機械運転時間当たりの利益は、X向けが610円、Y向けが568円
どちらもX向けが高いため、X向けを6500袋とし、残りの機械運転時間600時間でY向けを製造する。
Y=600÷2.5=240
1220×6500+1420×240ー5600000=2670800

(設問2)
(a)1865.5 円
(b)
Y向けを2400袋、y円で販売する
X向けは3800袋。
1220×3800+(3380-y)×2400ー5600000≧2670800

解答作成プロセスの紹介
 例年通り出題されました、CVP。配点20点なので、時間をかけずに終わらせたいと思いながら解き始めました。設問1は、(d)4行目の内容まで計算してみたところで、単純にX向けを最大数作ればよいことに気付き、サクッと解き終えました。
 設問2は、とりあえずy円で売ると仮定して方程式を立ててみたところ、解けそうだと気づき、そのまま解答しました。

振り返り
 設問1,2ともにサクッと解答し終えましたが、振り返ってみると、設問2でケアレスミス(下線部)をしていました…人間誰しもミスはするので仕方がないとして、このケースの場合、(a)1865.5円という数字を見て、おかしい・間違っているのではと気が付くべきでした。(Y社から4800円で納入することを打診されていたこと、さらに販売価格の引き上げについて応じることから、4800円以上になることは予想がついたため)

第3問(配点30点)

[設問文]
(設問1)
 初年度および2年度のキャッシュフローの更新前と比べた増加額(初期投資と旧機械の売却収入を除く)を計算せよ。
 解答にあたっては、初年度の増加額を⒜欄に、2年度の増加額を⒝欄に、それぞれ記入すること。

(設問2)
 この新機械の試験的導入における正味現在価値を計算せよ。ただし、資本コストは9%とする。利子率9%のときの複利現価係数と年金現価係数は以下のとおりである。解答は小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示すること。なお、正味現在価値を⒜欄に記入し、計算過程を⒝欄に示すこと。

(設問3)
 D社は、営業利益の予測が正しいかどうかを探るため、初年度期首に30万円をかけて市場調査を行った。その結果、営業利益は60%の確率で予測どおりとなるが、40%の確率で価格競争の激化により予測の7割にとどまることが分かった。なお、営業利益が減少する場合でも、運転資本の残高に関する予測に変化はない。このとき、新機械の試験的導入を実行すべきかどうか、正味現在価値を示して答えよ。正味現在価値は⒜欄に、小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで表示するとともに、⒝欄のカッコ内の「ある」か「ない」に○印を付して答えること。また、⒞欄に計算過程を示すこと。

再現答案(実際の途中式はもう少し詳細に書きました)
(設問1)
(a)36 万円
(b)74 万円

(設問2)
(a)53.88 万円
(b)
設備の売却損の節税効果:110×0.3=33
NPV=(33+70-540)+36*0.917+74*0.842+89*5.033*0.842+40*0.46

(設問3)
(a)21.7 万円
(b)実行すべきで ある
(c)
7割となる場合、
初年度CF:29.7
2年目CF:59.3
3~8年目:74.3
9年目:114.3
NPV=((33+70-540)+29.7*0.917+59.3*0.842+74.3*5.033*0.842+40*0.46)*0.4+53.88*0.6
=21.70>0

解答作成プロセスの紹介
(設問1)途中式を記入する欄がなく焦りましたが、落ち着いて解答。
(a)初年度:営業利益30万円×(1ー税率30%)+減価償却差額40万円ー運転資本増加25万円=36万円
(b)2年度:営業利益70万円×(1ー税率30%)+減価償却差額40万円ー運転資本増加15万円=74万円

(設問2)は、(b)に記載の通り、各年の数字を足し合わせて算出しました。

(設問3)は、市場調査費用の30万円は埋没コストとして計算には含めませんでした。30万円の市場調査結果が出てからでないと60%/40%という確率も分からず、そもそもこの試算ができないので、すでに支払ったコストと考えました。

振り返り
第2問、第4問でミスをしましたが、合計78点も取れたことを考えると、この第3問でそれなりの点数が与えられたものと思います。NPVは計算量は多くなるのでミスが生じやすいですが、基本に忠実に積み重ねていけば点数も取れる問題だと思いますので、落ち着いて、途中式をしっかり書いて取り組むことが重要と思います。

第4問(配点25点)

[設問文]
(設問1)
 D 社では、事業部の業績評価のために、加工事業部から飲食事業部および惣菜事業部への製品の供給を事業部間の販売とみなし、そこでは製品単位当たりの全部原価に一定の割合の利潤を上乗せした価格を用いている。D社が採用しているこのような価格の設定方法には、事業部の業績評価を行う上でどのような問題点があるのか、80字以内で説明せよ。

(設問2)
 D 社では、創業者である社長が事業部の運営に大きな影響力を有しており、設備投資に関しては当該社長が実質的な意思決定権限を持っている。このような場合、財務指標を用いて事業部長の業績評価を行うときに留意すべき点を、60字以内で説明せよ。

再現答案
(設問1)
全部原価計算方式では、製造した製品すべてに固定費が割り振られ、在庫が増減すると利益も増減するため、販売数だけでなく在庫量の影響も受けてしまい業績評価に適さない。

(設問2)
社長が意思決定権限を持つ設備費用は含まずに、事業部長の管理可能利益等、事業部間で公平な基準を決めて業績評価すべき。

解答作成プロセスの紹介
第4問も第1問と同様に、とにかくあまり時間をかけずに解くことに集中していました。実際に、12~13分で解答を終えていたかと思います。(第1問+第4問まで終わったところで、計30分程度)

振り返り
設問1では、「全部原価計算」という文言にひっぱられすぎて、やや題意とはズレた解答になってしまったように思います。設問2の方では重要と思われる「管理可能利益」のワード含めて解答できたので、1,2を合わせてプラマイゼロというところでしょうか。。。

終わりに

 近年良く出題される、経営分析、CVP、NPV、作文問題の組み合わせで、解答する流れなどは事例演習で準備していた通りで対応ができました。「出題傾向が変わったらどうしよう!?」という不安はありましたが、過去問に沿った対策をしっかりしていたことが功を奏した結果です。過去をさかのぼると、他の論点が出題されていたことも多々ありますが、まずは直近年度の出題傾向に沿った対策を第一に進めることが重要だと実感しました。

おすすめ書籍紹介
今回は事例4の再現答案紹介でしたので、製造業に関する書籍を紹介します。

『財務三表一体理解法(國貞克則)』
PL・BS・CFがどう連動して企業の姿を形づくるのかを直感的に理解でき、財務の“つながり思考”が身につく1冊だと思います。計算テクニックを教える本ではありませんが、「企業の財務がどう回っているのか」を根本から理解できるため、財務に苦手意識がある方や、数字の意味をつかみたい方に非常におすすめの一冊です。

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