本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例1 57点) コウジ
4回に分けて、私が受験した昨年度の二次試験の実際の答案について、解説する記事を書いていきます。
できるだけリアルにお伝えできるようにしたいと思います。
私は、記述式の事例1~3が非常に苦手です。その中では事例1は比較的得意だと思っていましたが、実際には4科目の中で最も低得点でした。
過去問のネタバレがございますので、まだ解いていないという方は、解いた後に読むことをお勧めします。
第1問
A 社の 2000 年当時における⒜強みと⒝弱みについて、それぞれ 30 字以内で答えよ。
自社倉庫の保有、流通加工や温度・湿度管理で地元顧客ニーズに対応
受注管理が非効率、旧態依然の組織管理体質、新規顧客開拓力が弱い
設問の制約から、2000年当時=4、5段落段落に着目し、強みと弱みを抜き出して、記述しました。
第2問
なぜ、A 社は、首都圏の市場を開拓するためにプロジェクトチームを組織したのか。また、長女(後の 2 代目)をプロジェクトリーダーに任命した狙いは何か。100 字以内で答えよ。
理由は①新市場開拓を専門化②長女や首都圏での新規採用者の経験を活用し、新しい風土の醸成③迅速な意思決定で、営業力強化で市場拡大を図った。また長女にマネジメントを経験させ後継者として育成することを狙った。
設問で問われている内容は、①首都圏市場開拓のためプロジェクトチームを組織した理由、②長女をリーダーにした理由の二点です。
①②いずれも知識をベースに、与件文の表現を交えて記述しました。
- プロジェクトチーム
- 特定の目標のための期間限定の組織
- 迅速な意思決定
- 中途採用
- 外部ノウハウの活用
- 即戦力
- 組織風土変革
- リーダー任命
- 後継者育成
- 権限委譲
第3問
なぜ、Z 社は A 社に案件を持ちかけたのか。100 字以内で答えよ。
理由は、①首都圏事業部の物流システム提案力や店舗在庫管理ノウハウ、②県内自社倉庫での入荷〜仕分けや温度管理といった保管業務や流通加工の能力を活用し、適正在庫管理や機動的な商品補充に期待したから。
設問の制約:Z社=11段落(2020年時点)
以下のようなA社の強みを中心に抜き出しました。
- 2020年までに培われた首都圏事業部のノウハウ
- 物流システム提案力
- 店舗在庫管理能力
- 2020年までに培われた県内事業部のノウハウ
- 温度管理といった保管業務
- 流通加工
- 受注当初期待されていたこと=11段落で発生した問題点の裏返し
- 適正在庫管理
- 機動的な商品補充
第4問
今後、A 社が 3 PL 事業者となるための事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問1)2024 年の創業経営者の助言による配置転換の狙いは何か。80 字以内で答えよ。
(設問2)A 社が Z 社との取引関係を強化していくために必要な施策を、100 字以内で助言せよ。
狙いは、①専門人材の適正な評価で不満解消し、モラール向上、②権限委譲を進め、後継者育成や能力向上、③事業部間の連携強化。結果、体制刷新による組織活性化を図る。
設問で問われている内容:配置転換した理由
2024年時点の課題と人事施策に関する知識と、施策による狙いを含めて記述しました。
- 2024年時点の課題
- 事業部間連携の強化
- 人事評価制度の刷新
- 2代目経営者の長男を後継者として育成
- 人事施策に関する知識
- 適正な人事評価でモラール向上
- 権限委譲による後継者育成・能力向上
- 事業部間連携の強化
試験本番では3PLの知識を盛り込む余裕はありませんでしたが、設問の制約を拾っておいた方が得点につながったのではないかと思われます。
施策は、①首都圏事業部のノウハウ標準化と県内事業部での研修・OJT実施による能力向上、②適正在庫管理や機動的な商品補充のニーズに対応し差別化。狙いは、関係性向上による受託の拡大と売上向上。
第3問でZ社が案件を持ちかけた理由を問われているため、その理由を満足するための以下の施策をもとに、施策による狙いを含める形としました。
- 首都圏事業部のノウハウを県内事業部で活用
- 標準化
- 教育・研修
- 在庫管理や商品補充に対応
在庫管理や商品補充に対応するための施策を具体化できていればもう少し得点が伸ばせたかもしれないと思います。
おわりに
試験本番で解いた感触は悪くありませんでした。具体的には、65点くらい取れているのではないかと感じていました。
そして、実は各社採点サービスでも事例1の評価は比較的良好でした。
AAS以外の3社の採点サービスでは、私の事例1~3の採点結果のうち、事例1が最も高い(同率も含む)評価をつけられていました。
口述試験後に得点が開示されますが、事例1が最も低得点で残念だったとともに少々驚きました。
プロの講師の方を含む採点者からみても、二次試験の得点は予想することが難しいようで、改めて二次試験対策は非常に難しいものであると感じさせられました。
今回は以上です。