1年間あっという間でした~未来の診断士にエール

合格された皆さん、おめでとうございます。残念ながら不合格だった方、私としてはあきらめず、再チャレンジすることをお勧めします。さて、私ソムタムの投稿も最後になりました。昨年12月に二次筆記試験合格、1月に口述試験、2月に合格通知を受け、その後実務補習、実務従事をして、8月に診断士登録をしました。合格からおよそ1年たち、その間に感じたことをお伝えしたいと思います。

あの格言は本当か?

皆さんお馴染みのフレーズ、「診断士資格は足の裏にくっついた米粒と同じ。気になって取りたいが、取っても食えない。」これ、本当でしょうか? 私の認識は、結論としてはその人次第です。企業内診断士が8割がたで、相当な割合の診断士が折角資格取得しても何もせず、ただ資格を塩漬けにしているだけだと思います。そりゃ、食えんわ、というか食いようがないわ、となります。また、弁護士や会計士と違い、診断士しかできない仕事は存在しない、とも言われています。これも、文字面はその通りです。じゃあ、実際に独立診断士として自営されている方は何なのでしょうか?マルチ商法の親玉みたいに、最初に始めたごくごく一握りの人たちだけがやっていけている世界なのでしょうか? 私が思うに、商売としてやっていこうと思う人たちがやっていけている、というのが実態です。確かに診断士資格が必須の仕事はありませんが、中小企業の経営支援で、会計士でも弁護士でも銀行でもなく、診断士がもっともフィットするような仕事は色々あります。要は、本人のやる気次第ですね。

合格前と後で何が違う?

当たり前ですが、受験生だった時の自分のゴールは合格でした。で、合格してどうなったかというと、受験生時代よりずっと多く色々なことを勉強しています。受験生の勉強は試験対策で、試験の設問で簡易的な診断・分析をするわけですが、やはりそれはあくまで答えがある架空の会社の物語です。私、現在は企業勤めですが、兼業ながら診断士としての活動を始めました。いったん診断士として実戦の場に出れば、クライアントは私がなりたてほやほやのペーペーかどうかは知らないので、当然他の診断士と同じレベルで税理士、会計士、銀行などと渡り合えるプロのコンサルタントとして期待します。じゃあ診断士試験合格すれば実戦的な知識は既に持っているか、というと、やはり右も左も分からず、いざ企業の支援をしましょう、分析・診断をしましょう、事業計画作りましょうといっても、実際の現場は試験とは異次元で、何をどうして良いかさっぱり分かりません。じゃあ、どうしろと言うんだ?と疑問もわくでしょうが、ご安心ください。診断士協会、コンサルタントとして活動されている診断士主催の、講座、研究会など色々あります。結構大変でお金もそれなりにかかりますが、全て一般向けではなく診断士資格保有者に限定された、非常に実践的な内容ですので、やる気さえあれば必要なスキルは身につきます。私の実感として、試験合格はゴールではなく、次のスタートだった、というものです。

1年でこんなことしました

もっとも、試験合格直後は、どんな研究会や講座が有るのか、私も全く知りませんでした。まず、最初に東京都診断士協会のガイダンスが有ったので聴講しました。その時点では、どうせ大した内容じゃないんだろうという先入観で、ふーん、こんな事やってんだ、という程度のノリで聞いていました。それとは別に、任意の診断士が集まる研究会に参加し、去年はZoomでの会合しかなかったので、参加はするもののただ聞いていただけでした。これが7月ごろ。なんとなく話を聞いているだけだと何も自分の身つかないし、なんかやってみようかと思っていたところ、研究会の会合で協会の主催または推奨するコンサルタント養成講座の話を聞き、真剣に講座を調べました。私、現在の勤務先は物流会社で企業買収を担当していますが、中小の物流会社を救済目的で買収する案件がちらほら増えてきています。そういう会社の買収は、ほぼ事業再生と同義なのですが、せっかくなのでシステマチックに事業再生を習得できる講座を、わりと高い金額でしたが受講しました。これが8月。講座は、主催者の講師である診断士の方が、ご自身の実務で使われているテンプレートを基に、どのように企業の情報を吸い上げ診断するか、また本当に一番最初に見なくてはいけないのは直近の資金繰りで、やばそうな会社はどういう兆候を持っているかなど、世の中のテキストには書かれていないような実践的な知識が得られました。この講座はまだ受講中なのですが、もらったテンプレートを勤務先でも使い、非常に重宝しております。その講座の講師の知り合いの診断士が、診断士を集めて税理士法人ネットワークから事業再構築補助金申請のサポートを受託しており、講座の受講生の中で興味あれば紹介する、という話をうけ私も参加しました。これが11月。プロの診断士としてデビュー戦でしたが、報酬は少なくなるものの、経験不十分のメンバーはメンターの診断士の方がアドバイスをしてくれるシステムなので、何とか初回分はやりとげました。補助金申請のサポートって、単に書類作るだけで面白いのか?とやる前は思っていましたが、経営者の方と突っ込んだ話をし、経営者の頭の中にぼんやりある事業を計画書に落とし込む、というのは、コンサルタントの最初の取り組みとして丁度良い、と思っております。というわけで、診断士になった後は色々な繋がりや知識を診断士だけが得られる場があり、やる気さえあれば実戦のコンサルタントになれます。

未来の診断士である皆さんへ

私の診断士としての活動も始まったばかりですが、兼業ながらプロのコンサルタントとして色々な人と会い、新しい事を見聞きできるようになり、1年間で私の心持ちや環境は明らかに変わりました。思い起こせば、一番最初はなんとなく始めた診断士受験でしたが、4回の不合格でもあきらめず受験をし続け合格したこと、そもそも診断士を目指そうと考えた自分の選択は、私には正しかったと自信をもって言えます。最後になりますが、皆さんが色々な選択をされる中で、その中に診断士になるという道をえらばれ、今私が感じている充実感や満足感をいつか仕事の場で、ご一緒に共有できればいいな、と心から思っております。1年間つたない文章にお付き合いいただき、有難うございました。

 

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