不足と余剰について

はじめて

インフレ、早期利上げ、補正予算、円安、コロナ容認ゼロ、元高等の色んなキーワードで繋がり、因果関係を探し続けている「イーサン」です。

今日は、「希少性」「不足」「余剰」という3つの概念の違いについてお話ししたいと思います。希少性は、この世界の基本的な事実です。しかし、ご存知のように私たちには「不足」という言葉があります。不足と希少性とはどう関係するでしょうか?余剰という言葉もあります。希少性は基本的な事実であれば、余剰があるはずがありません。

 

希少性と不足の違い

まず、「希少性」と「不足」の関係について一緒に確認しましょう。

希少性は世の中の基本的な事実として知られていると存じます。良いものは十分ではなく、良いものは誰でも欲しがっていて、皆で競争して自分のものとしていることで、これを希少性と呼びます。

希少性は普遍的に存在していますが、不足はしばしば新聞の見出しになります。 新聞やテレビを見ていると、「○○××の商品がまた不足している」という話をよく耳にします。 希少性ではなく、なぜ不足が記事になりますでしょうか?不足は一時的なもので、希少性は永久的なものだと言う人がいますが、それは間違いです。 希少性が永続的なものであれば、どんな商品も短期的に希少性でもありますので、新聞記事にはならないはずです。また、アメリカでは1970年代のニクソン大統領に始まり、レーガン大統領が就任するまでの10年以上にわたって石油が不足していました。これは短期的な現象とは言えず、長期的な現象です。

実は、経済学には独自の定義があり、不足を「競争の仕方の違い」で定義しています。 希少価値のある商品を獲得するためには様々な方法がありますが、その中でもユニークなのが「提示された価格での競争」です。 ある商品が価格に基づいて、しかも価格だけで競争されるなら、その商品が不足することはなく、希少性だけが存在することになります。

メルセデス・ベンツの車が不足していることを聞いたことがないでしょう、いつも店の中で穏やかに君を待っているからです。カルティエのダイヤモンドも同じで、いつもそこで待っていて、お店に行ってお金を置いて持って帰るだけです。 カルティエでダイヤモンドが不足しているという新聞記事を読んだことはありません。実際にはダイヤモンドの数は非常に少ないのですが、お金さえ出せば買えますので、不足していても文句は言いません。それは、そのような商品は希少価値のある商品で、不足とは言えません。

 

価格抑制による供給不足

不足とは、その商品の価格が抑制されていて、お金だけでは買えず、更に人々は別の形で競争に参加しなければならないことを意味しています。

iPhoneの発売当日または供給不足の際に発生されていることは皆さんの記憶はまだありますね(今年のiPhone13系列はちょっと話が違いますが。。。)。3時間も4時間も並んだり、1ヶ月も待ったりして、時間を競って手に入れなければならないこと、それは不足と言います。 山崎のウイスキーは店舗で簡単に購入できるわけではなく、ダフ屋を探さないと手に入らないこと、それを不足と言います。つまり不足とは、供給量が減ることではなく、商品の価格が抑えられ、お金だけでなく、価格以外の手段で競争しなければならない特殊な現象です。従って、「○○××という商品が不足している」と聞いた時点で、その不足しているということは、お金だけでは買えなく、他の方法で競争しないと手に入らないということだとわかります。

東京の超高層タワーマンションの最上階部屋はどれくらいあるかというと、100以上はないと思いますが、東京で超高層タワーマンションの最上階部屋が不足しているという話を聞いたことがありますか?単純に、超高層タワーマンションの最上階ルームの価格が高いからです。従って、価格を基準にして手に入れればよいですので、それは不足とは言いません。

 

人為的な価格高騰の結果としての供給過剰

同様に、余剰の概念は、競争のルールを通じて、このような観点から理解する必要があります。 余剰とは、供給大量超過ではなく、製品の価格が人為的に上昇し、売り手が価格だけでは製品を売ることができない状態です。 商品を売るために、他のサービス又は競争手段を加えなければならなく、これを余剰と呼びます。 だからこそ、人為的に価格を高くした結果、余剰になります。

農産物が余ってしまうことはよくありますよね。その理由は、農産物の価格は、政府(具体的にはJA)によって押し上げられることが多いからです。価格が高すぎると、うまく売れなくなりました。国が農産物の価格を支えるお金には限りがあり、農産物の価格は市場価格よりも高いですので、農家はたくさん作れば儲かりますので、当然、たくさん作ろうとします。しかし、結局、政府の資金は限られていますので、どちらが政府の支援を受けるかは、農民間での競争になります。そうしますと、政府からの調達スコープを受けないと売れませんので、農家は政府の調達スコープを奪い合うようになります。農家が自分の生産物をうまく売ることができず、限られている調達スコープを競わなければならない状態を、「生産物の余剰」と呼びます。

余剰の解決策はいくつかあります。

・政府が補助金を減らせば、余剰は消滅する

・政府は農家の生産量を制限しなければならず、農家は政府からの調達スコープを巡って競争することになる

・需要過多の製品を強制的に、自分たちで処分の方法を見つけられるようにする

また、アメリカでは、政府が農家に直接補助金を出して、農家に生産しないようにお金を払うことで、農家が生産しすぎないように促すという、とんでもない現象が起きています。 これを「余剰」現象といいます。

 

さいごに

要約すると、「希少性は永遠であり、不足と余剰は人為的な価格介入の結果である」ということになります。

不足は、価格が低すぎて、人々が必要な商品を手に入れるために価格以外の方法で競争しなければならないときに起こります。一方、価格が人為的に高くなると、売り手は物を売るために価格以外の方法を取らざるを得なくなり、いわゆる余剰が発生します。

では、まだ来月宜しくお願い致します。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次