与件文と向き合うときにしてはいけない、たった一つのこと

こんにちは、スローパンダです。いよいよ、2次試験まで1ヶ月と迫ってきましたね。

ここからでも間に合う勉強の強化方法は、以前のスローパンダの記事に書いておりますので、今回は、改めて与件文と向き合うときにやってはいけないことをご紹介します。

目次

与件文と向き合うときにしてはいけない、たった一つのこと

それは、与件文を疑うことです。

何を当たり前な……と思います、普通は。筆者も最初はそう思っていました……というよりは与件文の記述をときどき疑っていることに気づいてもいなかったという方が正しいです。

一方で、よく言われる警句としては、「与件文の内容からは導き出せない、突飛な回答を書いてしまう」というものがあると思います。

正直、現象としては似たようなものだと考えています。どちらも、得意分野で起こりがちなことです。

自分がよく知っている分野だからこそ、「つまり、こういうことを言いたいんだな」「これを言いたいのに間違っているに違いない」と想像力の翼を自由にはばたかせてしまうのです。試験勉強で過去問や新作問題と日々向きあい、さらに当日も長時間、難しい与件文を読み続けるわけですから、退屈した脳みそがついつい、得意で楽しい分野に思いを馳せてしまうのでしょう。

ある意味では両者ともに誤読してしまっているといえます。「得意分野なんだから、自分が誤読したのではなくて、ちょっとしたミスだよ」と考えてしまいがちなところにこのミスの怖いところがあると思っています。

筆者がやらかした(やらかしかけた)こと

じゃあ実際、どういうときにそんなことが起きるのか? ということを筆者の事例を出してご紹介したいと思います。

覚えている限りなので、おそらくもっとたくさんやっていると思います。

AASの新作問題で、VRとAR

今回のことを意識しだした後なのにやってしまったのが、VRとARです。

ご存知の方も多いように、どちらも近年騒がれているIT系の用語で、VRは(一般的に)「VRゴーグル」と呼ばれるヘッドセットをかぶり、コンピューター上で再現された仮想(バーチャル)空間を体験するバーチャルリアリティです。口語的に言えば、自分が仮想世界に行く、体験ですね。

一方で、ARはスマートフォンなどのカメラと液晶を備えたデバイスを用いて、現実の映像に、(主に)3D CGで描画された映像を、あたかもそこに存在するように合成する技術です。当初はARマーカーという2次元コードを利用することが多かったですが、現在ではマーカーなしでも床面などを自動で認識して、リアルタイムに合成する技術が急速に進歩している分野ですね。口語的に言えば、仮想の物体を連れてくる体験です。

で、与件文にVRと出てきたのですが、「あれ? これARじゃない?」となってしまったのです。なぜなら、よく似たAR活用による先行事例を「知って」いたからです。特に、実際の大きさなどを知りたい、といった場合はARの方が向いている場合が多くあります。実際のスペースに置いたりできますからね。

ただ、意識していたので、ぎりぎりARとVRを併記するにとどめました……が、回答としてはおそらく不合格レベルでしょう。

まさに、得意分野だからこそやってしまった実例といえます。

ちょっと新しい用語よりも素直に書く

完全にやらかしてしまったのが、一昨年の本試験(筆者がろくに勉強しないで惨敗した)ですね。

事例1だったと思いますが、新規事業がうまくいかなかった原因として、筆者は自信満々に「カニバリゼーションが発生していた!」と記載したのですが、後で過去問集を見ると、どこの出版社も大体、一言もふれていませんでしたね。

顧客領域(ターゲット)の重複があったので、確かにカニバリゼーションも発生していたとは思うのですが、そんなことを書くより、「ターゲットの選定の誤り」やそもそもターゲットとしている市場の衰退について明確に指摘することの方が大事です。その上で、各事業それぞれが正しい市場を選定しており、成長性も十分あるに関わらず、事業が不振である、といった場合にようやく指摘すべき事柄だったと今は感じています。

1次試験ではカニバリゼーションを覚えていると有利には働くと思いますが、2次試験はそれを踏まえた上で、基礎を知っているのではなく、理解していることが重要だなと思える事例でした。

詳しいというよりは、知識に振り回されてしまっているパターンですね。

与件文に書かれていないことは書かない

最後は、昨年の事例2です。わけあって筆者がよく知っている島が舞台でした。書かれているハーブも「あれか!」と分かる程度には詳しかったです。

有利な部分もあります。光景も思い浮かびますし、話題になっているハーブの特徴も言葉以上に実感として分かりますので。

一方で困るのが、特に地域連携です。大体どこの予備校でも教えているらしいですが、事例2ではとりあえず地域連携をどこかに入れておけば点数が入る、とまで言われているようです(AASではもっと丁寧に教えてくれます)。

そうすると、連携先は本来、与件文から探さなくてはいけません。ただ、自分が知っている島と知識がごっちゃになります。

たとえば、

  • 確かしいたけ有名だよな……
  • 昆虫好きにいいスポットが……
  • 地域の老人なら、ジャム作りが……
  • 意外と登山にも……

なんていう、まったく与件文に関係ないような発想がどうしても出てきてしまいます。

これはAASの新作で痛い目をみた直後だったので頑張ってねじ伏せて、無事合格することができましたが、意識して、一度失敗していなければどうなっていたか……。

まとめ

  1. 詳しい分野に気をつける
  2. 1次試験の知識に振り回されないで理解しているものを使う
  3. 実体験は封印する勇気も大事
  4. 与件文の内容が、試験の中では唯一の真実

筆者は実務補習の3回目を先日、終わらせましたが、やはり2次試験は2次試験です。与えられた文章のみで回答する必要があります。

勉強して、またこれまで身につけてきた知識や経験については、実務補習以降、もちろん実務でも十分生かす機会がありますので、試験中はぐっとこらえることも重要です。

というか、実務補習では与件文がないので、自分で調べて見つけ出して、もっともらしい与件文のようなものを作り出す必要があります。それが苦手なんだろうなぁという方も多くいらっしゃるので、むしろ今回の内容が「自分やらかしてるかも」と刺さった方は、実務補習が楽しいかもしれません。

2次試験まで残り1ヶ月弱、がんばりましょう。スローパンダでした。

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