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「求められていること」から逆算して考えてみる。

こんにちは、くろいのです。

いよいよ本年度の1次試験まであと1ヶ月を切りました。

この時期は、1次試験に不安がある方にとっては直前の追い込み期であり、2次試験を見据える方にとっては本格的にエンジンをかけ始める時期になるだろうと思います。

今回は、そうした診断士試験で求められていることを改めて整理することで、本番までの戦略を考えるヒントを提供できればと思います。

 

手始めに、各試験に求められていることとして、それぞれの試験案内に記載されている「目的と方法」を抜粋してみます。

・1次試験

第1次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、筆記の方法により行います。

・2次試験

第2次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式又は論文式による筆記及び口述の方法により行います。

 

まず1次試験から。1次試験では「中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定すること」が目的となっています。

ここで「学識」という言葉について改めて定義を確認してみると、

学問と見識。また、学問から得た、物事を正しく見分ける判断力。

となります。

すなわち、「診断士に必要な学問的知識、及びそれを踏まえた見識や判断力を持っているか?」を推し量ろうとしているわけです。

「学識」という言葉を使っていることから、単純な知識のみを問うているのではないですよ、というメッセージが読み取れます。

実際に過去問を見てみるとよく分かり、診断士1次試験は各科目択一式の試験ではあるものの、大部分の選択肢が文章形式となっています。

2日目の「暗記系」と呼ばれる科目においては知識を問う問題も見られますが、割合として多くはないと言えると思います。

知識を問うのであれば、某クイズ番組のように単語を並べて選ばせるフォーマットで十分となるはずです。

例を挙げると、「IT社会で働く上で必要となるITに関する基礎知識」を問うITパスポート試験などでは、複数の単語が選択肢となる問題が多く出題されます。

 

以上から、診断士1次試験では知識の活用面に重きを置くことが、出題側の題意に沿っていると言えるでしょう。

とはいえ自身の力で知識の活用面まで抑えるのは大変です。(もちろん、実務上で知識を使っているなどの背景がある場合は例外ですが。)

そこで、使うべきは過去問ということになります。特に、その年は正解にならなかった選択肢も、「活用」面においては参考になることが多く、解いて正誤だけ確認するというよりは、選ばれなかった選択肢についても細かくチェックすることが、かえって近道になるんじゃないかと思います。

 

続いて2次試験。2次試験では「中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定すること」が目的となっています。

こちらも「応用」という言葉について改めて定義を確認してみると、

原理や知識を、他の場合や実際的な事柄にあてはめて活用すること。

となります。

よって、「診断士に必要な、知識を実際の事柄にあてはめて活用する能力を持っているか?」を推し量ろうとしているわけです。

このことについて詳しく見てみます。

まず、ここでいう「知識」というのは1次試験で判定の対象となった「学識」が該当します。

続く「実際の事柄にあてはめて活用する」の部分です。

2次試験では、実際の企業を模した与件文と、それに対応した診断、助言に関する設問文で構成されます。

これらを組み合わせると、「与件文に対して、学識を『あてはめて』『活用する』ことで診断、助言を行う能力を判定する」ということになるでしょう。

 

以上から、診断士2次試験では知識を「あてはめる」「活用する」ことを意識することが、出題側の思いに沿っていると言えるでしょう。

注目すべきは、各設問が「応用能力」を問うている以上、それぞれに「あてはめて活用する」ための「学識」が想定されているはずということです。例えば「表現力」や「要約力」等の国語的能力のようなものは、出題側から直接的に求められているわけではないということですね。

設問によっては、「SWOT分析せよ。」のように「あてはめる」の部分がハッキリしているものもあります。この場合は「活用する」の部分だけ考えればよく、「与件文の活用」を中心に進めていけばよいということになります。そうではない設問においては、何らかの知識を「あてはめる」「活用する」ことが背景にあるだろうと考えられます。

そこで対策としては、1次試験と同様に過去問を用いて「応用する」ことを学ぶことが重要になってきます。

「活用する」の部分は模範解答や解説で手法を学ぶ事ができます。最近ではyoutubeなどでも各予備校の解説が見れたりするので、大いに参考にするのが良いだろうと思います。また、1次試験の知識を「活用する」の視点で見返してみると、気づきになることも多いでしょう。

しかし、「あてはめる」の方は少々問題が起きます。というのも、2次試験では公式解答が存在しないため、出題者が設問に対してどんな知識を「あてはめる」想定だったか、という確実な答えがありません。

模範解答がいくつも存在するのはそのためで、確実な正答が出されていない以上、様々な解釈の余地が否定できないということになります。

そうした背景もあって、個人的に思う2次試験の対策としては、様々な模範解答を比較して深く検討することが良いだろうと思っています。

個別の設問だけではなく、全体の問題構成なども含めて出題テーマをなんども立ち返って考えてみる。すると、設問の「流れ」のようなものが突然見えてくることがあります。

経験的には、直近数年分を納得するまで深ぼってみるのが一番効果が高いような気がしています。

 

繰り返しとなりますが、2次試験は学識の応用能力を判定することが目的で、間違ってもオリジナリティなどの要素は関与しないはずです。方向性を正しく把握して、着実に目標に近づいていってもらえればと思います。

以上、本記事が皆さんの気づきになれば幸いです。ありがとうございました。

 

 

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