実務補習を終えて感じること

みなさんこんにちは。4回目の投稿の「ソムタム」です。ご存じの通り、2次試験合格後に診断士登録をするためには、診断士協会の実施する実務補習か、実務従事を行って一定ポイントを得なくてはいけません。私、今年の2月に実務補習、5月に有償サービスの実務従事を行い、必要ポイントを得てつい先日登録申請をしました。何も無ければ、再来月には登録されることになります。試験に合格した後のことになりますが、私が感じたことをご参考までお伝えいたします。

実務補習・実務従事って何?

私自身、合格後に「実務補習があるよ」と言われても、「は?何それ?」という感じで、何のことか全く知りませんでした。これは何なのかというと、実際の企業の経営者にインタビューをして、その会社の業務改善のため診断・助言を行う、というものです。診断士協会がインストラクターを付けて行うのが実務補習、それ以外でやるのが実務従事。実務従事は自分自身でやっても良いですし、有償の認定コースを提供している事業者のプログラムに参加しても良いです。作業に携わった日数を1日・1ポイントとカウントし、合計15ポイントが登録に必要となります。では、具体的にどういうものなのでしょうか?

実務補習はこんなのでした

各班6~7名のメンバーに、診断士協会が任命したインストラクター役の診断士がついて集合。事前に対象企業の名前とウェブサイトだけ教えられており、簡単にどういう会社で、どんな業態かの現状認識を意見交換。企業訪問し、社長に1時間強インタビューし、その内容を整理。メンバー間で誰が何を診断・助言するかパート分けをして解散。集合作業はその他3日。その間、各メンバーが作成したものを合体させ、最終日に各々のパートを社長にプレゼンして終わり、というものでした。実務補習が大変かどうかは、担当インストラクターの方針と、対象企業によって大きく変わると思われます。体験記を読むと、本当に大変で仕事を続けながらだと寝る時間が無かったとか、インストラクターがどえらく難題出してきてにっちもさっちも行かなかった、等苦労話が多いですが、私自身の印象はそれ程大変なものではなく、淡々と報告書作って終了、というものでした。これは、私の班のインストラクターは大学院養成課程の講師をしており、わりと懇切丁寧に教えてくれた事、インストラクターの方針で実務従事はあくまで模擬コンサルでしかなく、突き詰めてやってもしようがないとしていた事、対象企業が特殊な製品を作る製造業で、業態や課題が分かりやすかった事が理由と思われます。

実務補習から得たもの

私の率直な感想を言うと、大変不遜な言い方になりますが、実務補習そのものは取り立てて役に立つものではありませんでした。どだい1時間程度のインタビューでその企業の課題の核心に迫れるはずはありませんし、特に営業面の課題抽出・改善策の策定をするためには顧客の実態を知らなければ不可能です。ですので、一人当たり10数ページ、合計で100ページ程度のそれっぽい報告書を作りましたが、内容としては浅くもう一つのものになりました。では実務補習はやらないほうが良いかと聞かれれば、私は診断士登録する者は絶対にすべき、と考えております。診断士協会の本当の意図は分かりませんが、私の実感として実務補習は、実際の診断・助言業務は試験とは全く違うもの、という気付きをさせる模擬体験ではないかと考えます。診断士の2次試験では、ある企業の戦略・課題、おまけに今後の進むべき方向は、全て与件文に書かれています。しかし現実には企業の課題や方向性は顕在化していない場合も多く、また社長自身の戦略も常に固まっているものではないと思います。ですので実務補習は、あらかじめ答えの有る与件文を読むのではなく、ある企業を外から眺めて何が課題でどうすれば良いかという文脈を持つ、与件文を一から作る作業というふうに感じました。

こうしようと思います

とりあえずお作法を知るため、また前述のとおり実際の診断・助言は試験とは違う事を知るため、実務補習を1回はすべきと思います。その後ですが、登録に必要なポイントを手っ取り早く得るため私は実務従事プログラムに参加しましたが、本当に意味あるものにするよう、知り合いの会社を時間をかけて調べ、自分自身で診断・助言する実務従事を今からやろうと思っております。また、特に知り合いの会社を頼らなくても、私を含め企業に勤めている方なら、自分の会社の課題抽出・改善案策定をしてはどうかと思います。自分が勤めているところでしたら内情はよくわかるはずですし、いろいろな情報の収集も、初めて訪問する見知らぬ企業より、相当深いものができると思います。実務補習を経て私が感じたことは、診断士試験に合格して終わりではなく、ようやく始まったということを実感しました。

 

 

 

 

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