“サンクコスト”は、コストではない

はじめて

経済学と財務会計にハマってるイーサンです。

今回は、経済学に切替します。 2つの非常に重要な概念については自分の最新理解を共有したいです。1つはサンクコスト(埋没費用)、もう1つは限界費用です。

 

サンクコストは実践することは難しい

選択肢があればコストが発生します。一方、選択肢がなければコストもなくなります。 選択肢がないときはコストがない、というのが「“サンクコスト”は、コストではない」という言葉の意味です。 この言葉は多くの人に語られ、誰もがその意味を理解しているように見えますが、この言葉の本当の難しさは、意味を理解することではなく、それを実際に実践する決断をすることにあります。

例えば、私たちが映画を見に行くとしましょう。映画館の中で15分~20分座っていれば、その映画が良いか悪いかがわかります。 実際には、映画のチケットを買って、お金を払って、もし映画が良くなかったら、その場で帰るのが一番適切だと思います。 なぜなら、映画のチケット代は埋没され、もはやコストではないからです。でも、映画館の中で悪い映画が上映されようとしているとき、映画が10分、20分になったとき、何人の人が立ち上がってその場で帰っていくでしょう? 難しいですね。

恋愛も同じです。 ほとんどの人は恋をして、半年後には熱い恋愛のブラインドのステージを過ぎています。 この頃になると、その関係が本当に自分に合っているかどうかを理性的に判断できるようになりますが、果たしてどれくらいの人が別れを決断できるのでしょうか。 結構な数の人が、ただ何もせずひたすらに引きずっています。

従って、「“サンクコスト”は、コストではない」という言葉は、言易行難です。 サンクコストはコストではありませんので、何を指針として行動すればいいでしょうか?

 

行動の選択肢を決める限界費用

もう一つの重要な概念である限界費用についてお話ししましょう。

今後の行動の指針として、限界費用と限界利益を常に意識しています。 私たちが決断を迫られたとき、常に問うべきことは、望むリターンを得るために、あとどれだけ投資すればいいのかということです。

例えば、案Aと案Bが手元にあります。案Aは、100を投入すれば150のリターンが得られるというもので、案Bは、100を投入すれば200のリターンが得られるというものです。

この時点で、案A、案B共に開始してません。 この2つの案を目の前にして、どちらを選ぶのが良いのでしょうか? もちろん、案Bの方が良いです。

もし状況が変わって、案Aにはすでに50を投資し、同様に案Bにも50を投資したとしたら、どちらの選択肢に投資を続けますか? 案Aでは、あと50で150、案Bでは、同じ50で200が手に入ります。 もちろん、この時点ではまだ案Bです。

しかし、そうでない場合、案Aではすでに90を投資していますので、150を取り戻すためにはあと10を投資すればよいことになりますが、案Bではまったく投資を開始していないので、200を取り戻すためには100を投資しなければならないことになるのです。 その時、案Bよりも案Aの方が魅力的になります。 それは、案Aの限界利益率が案Bの限界利益率よりも高いからです。

ですから、案Aと案Bの比較は、絶対的なものではありません。 リターンを得るためには、案Aと案Bにどれだけ多くの投資をしなければならないかによります。 私たちの判断材料は、現時点での将来の投資収益率であることがお分かりいただけると思います。

 

失敗の容認はより効率的な決断かもしれない

また、上記の数字は、最初に間違った判断をすることがあり、その間違った判断も正しいものになることを教えてくれます。

一例を挙げてみましょう。 何年も前、日本に来たばかりのエピソードですが、私はエアコンを買いました。夏だったので、冷やすことしか考えていませんでしたが、冷房だけのエアコンに50,000円も払いました。

実際、当時はプラス10,000円で冷房だけでなく暖房もできるエアコンを手に入れることができます。 しかし、その時の判断が間違っていて、冷房だけのエアコンに50,000円も払ってしまい、冬になって問題に気がつきました。 この時、どのような選択をすればいいのでしょうか?

サンクコストはコストではありません、50,000円でこの冷房専用エアコンのお金は払い終わっていて、私が楽しみ続けるためのコストはほぼゼロです。 暖房が欲しければ、暖房機能付きのエアコンに買い替えなければならず、それにはさらに60,000円かかります。 そして今、冷房だけのこのエアコンは、売っても10,000円にしかなりません。 つまり、余裕を持って考えると、暖房機能付きのエアコンを手に入れるためには、プラス50,000円を支払う必要があるのです。

限界費用は、意思決定のタイミングによって異なるのですから。 夏にエアコンを買ったとき、もし暖房機能が欲しかったら、10,000円多く払っていたことになります。 しかし、冬になって問題を再考すると、元のエアコンを売って新しいのを買わなければならないときで、暖房機能を得るための限界費用が10,000円から50,000円になってしまうのです。

私にとって、それは高すぎます。 そこで私は、冷房だけのエアコンを我慢して、さらに8,000円をかけてヒーターを購入するという選択をしました。 理想よりも低い金額で妥協するのはもちろんですが、間違った決断をしてしまい、低い金額で妥協することがより経済的な決断となります。 これは、限界費用と限界利益に常に目を向けていることの意味です。

 

産業政策における限界概念の利活用

この例をもう一度、産業政策に当てはめてみましょう。 例えば、無線通信のインフラに4Gと5Gがあるとします。 ゼロからスタートすれば、4Gよりも5Gの方が確実に優れています。 しかし、4Gがすでに稼働し、すでに構築されているのであれば、5Gはこの時点で導入すべきなのでしょうか? これは経済的な問題として考える必要があります。

例えば、4Gを提供している事業者が、5Gのサービス提供する事業者が市場に参入しようとすると、その事業者を脅かすことになります。 彼が言うには、我々のサンクコストはコストではない、すでに投資しているし、機器はすでにここにあります、だから我々はサービスのコストを非常に低くすることができます、5Gで入ってきても儲からないほど、ユーザーがサービスを買ってくれないほど低くすることができます。

では、産業政策を中立的な立場で見た場合、4G事業者を支援しますか、それとも市場に参入しようとする5G事業者を支援しますか。

このとき、限界費用と限界利益という概念を用いなければならず、もし5Gが提供するサービスの費用対効果が十分でないのであれば、ユーザーは当面、すでにサンクコストがゼロになっている安価な4Gサービスに落ち着いたほうが効率的かもしれません。

 

さいごに

“サンクコスト”はコストではないという言葉は、言易行難です。もっと練習して、いざという時に判断できるようにならなければなりません。 “サンクコスト”はコストではないんですので、何を基準にして将来の行動を決めますでしょうか? その答えは、限界費用と限界利益に目を向けることです。

では、今回はここまでです。

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