早めの方がいい財務・会計(事例4) 2次試験

みなさんこんにちは、スローパンダです。

前回まで筆者のスロースタートぶりでもなんとかなる1次試験の話をして参りましたが、今回はこればかりは早めに始めた方がいい、財務会計の2次試験対策の話をしたいと思います。

というか、2次試験はすべて、1次試験と並行して進めた方がいい=早めの方がいいと思います。

目次

筆者スローパンダの場合(1年目)

スローなパンダだったものなので、2次試験の勉強を始めたのは、1次試験合格の後です。それでも、正直、財務会計に関しては「1次・2次両対応!」というような問題集をやっていたので、そこそこ大丈夫だろうという自信がありました。いつも根拠のない自信がありますね、この筆者。

さすがに過去問題集に取りかかった段階でそれが過ちだと気がついたのですが、他の科目もやりながら2次試験の頻出論点の式を覚えて……ではとてもではないですが、時間が足りないです。ですので、1次試験の勉強をしながら、最低限、財務諸表の各種経営指標なんかは覚えておいた方がいいです。

ネット上には、1問目にほぼ出題される財務諸表から「優れている点・劣っている点」を読み解く問題を間違えず、その後の設問と整合性がとれていれば点数にゲタが佩かせられる……なんていう噂もあるくらいで(真偽は不明ですよ!)、超重要論点であることは間違いないです。

また、これらの指標は1次試験対策として、簿記の記法に親しむためにも便利だと言うことは前回の記事に書いた通りです。

そうした「先にやっておくべき」ことをやっていなかった筆者は、見事1年目は落ちました……。しかし、途中の問題がすっかり外れていた割にはB評価だったので、財務諸表の分析が重要だというのは事実だったと思います。

意外と難しい部分

1年目は落ちるべくして落ちた感がある筆者ですが、続く2年目。合格年度だったわけなのですが、AASの模試などでいまいち評価が伸びなかった部分が「計算した経営指標をもとに経営状況を説明する」といった類の問題です。第一問の設問2によく出てくるタイプの問題です。

意外と難しいというのは、経営指標の選択や計算についてはほぼ間違えないという状態でも、設問2できちんとした精度の解答を作り上げるのがとても難しかったです。自己採点で「まあまああってるしいいか」と思っている方は、一度しっかり取り組むことをお勧めします。

もちろん、日頃こういった数値に触れてレポートを作成しているような方であれば問題ないと思います。しかし、筆者は数字には強くても、分かる様に説明するのは苦手なタイプでした。経営者やコンサルの言葉で説明できていないのですね。

対策としては、過去問の解答を書き写すこと。これは(他の事例ではとくに)推奨されないことが多いのですが、色んな予備校が出している過去問の解答を書き写しました。AASのメソッドでは、この設問2の解答にもセオリーがあり、他校の解答方法はそれと異なるので、確かに混乱するおそれはあります。

ただ、筆者の場合は、経営診断をするための語彙が不足していたので、言い回し・単語を覚えるためにもとにかく色々な人の文章を写して覚えるようにしました。特に、文字数の制限が厳しい設問でもあるので、適切な語の選択が重要だと感じました。

また、問題集としては「30日完成! 事例IV 合格突破計算問題集」も利用しました。計算問題集と言いつつ、経営分析の文章の問題も収録されており、設問2対策でも役に立ちました。特に文字数制限が本番よりもとても長いので、違った意味での訓練になりました。

勉強の効率を上げるには、略語・記号を使う

事例4の勉強で楽をするというのは大体無理だと思います。というより、2次試験は理解してアウトプットする試験なので、記憶のためのコツといったものは使えないと思った方がいいように思います。逆に、2次試験の技術に絡めて、記憶をした方が効率がいいくらいですから。

しかし、そうはいっても勉強の効率をあげたい。

その場合、事例4ではまず真っ先にやるべきことは「略語・記号」を使うことです。

例をあげると、フリーキャッシュフローを計算するときに「フリーキャッシュフロー = 営業活動によるキャッシュフロー – 投資活動によるキャッシュフロー」なんて書いていたら、それだけで時間がかかってしまうわけです。そこで、「FCF = OCF – ICF」のように、ローマ字などで置き換えてしまうと一気にノートを書くのが楽になります。

ちなみに、フリーキャッシュフローをFCFと書くのは一般的ですが、OCFやICFというのは、筆者が勝手にノートを作るときに使った略語で一般的には通用しないと思います。ですので、本番の途中式などには使わない方がいいと思います(営業 operation, 投資 investmentからとって作りました)。

財務諸表からの分析に使う、各種経営指標についてはこれをやりすぎると、「略語は出てくるのに正式名称が出てこない」なんてことになるので、日本語を縮めるくらいがお勧めです。

同じく頻出論点の正味現在価値も「NPV」とばかり書いてしまって「日本語がでてこない!」なんてのはよくあります。よくありますが本番ではまず思い出せない上に焦るので、この辺りも気をつけておきましょう。

少し余裕があったら、統計の基礎もやる

流行ってますよね、統計学。

ということで、将来的に会計はあまりやらないだろうな……、と思っている受験生の方も、余裕があれば統計学の基本の教科書を軽く触っておくのをお勧めします。

筆者は、1年目の二次筆記試験に不合格してからやる気があんまり出なかった期間に統計学の基本を触りました。やる気が出なかったの半分、仕事で必要だったのが少し。それから、そもそも事例4については統計学の基本が多く出てくるからというのが少しです。

そもそもとして、日頃の数値の積み重ねが統計ですので、事例4で必ず出てくる財務諸表などは当然、統計データとなります。なので、相性が非常にいいというか、内容がかぶります。

それでも統計学の基本を触っておいてよかったな、と思うのは、

  • 税効果や現在価値を抜いたプレーンな状態で基本形を覚えられる
  • 応用(実務)前に統計データの意味が分かる
  • 略語・記号を引っ張って来られる

というのがあります。3番目はひとつ上と一緒ですね。とにかく、試験勉強は試験日までの時間との闘いでもありますから、略せるのは強いです。

また、例えばWACCの公式なんかは日本語で書かれると、もの凄く難解な式に見えます。しかし、加重平均資本コストとも呼ばれるように、「要は資本コストの加重平均をとればいいんだな」と納得すれば特に式を暗記することもなくなります(式が複雑化するのは税効果のため)。期待値なんかも、実際のところは加重平均ですね。

ちょっとの遠回りにはなりますが、各種計算式の意味するところが分かると、実は覚える理論自体はそれほど多くないのが事例4だと言えると思います。どちらかというと、統計の基本的な理論と日本語を相互翻訳するような試験と言えるように思います。

苦手は捨てる

さて、1次試験と一緒ですが、苦手は捨ててしまう、難問は敢えて諦めるというのも、合格を目指す上では大事だと思います。

そういう筆者も、完全に捨てると決意した問題がひとつあって、ディシジョンツリーの設問2なんかで出てくる、「コストをかけて1年目の結果を固定したりする問題」です。

筆者はゲーマーなので、診断士試験を始める前から、日々期待値の計算は行っていました。ですので、完全な乱数に対するディシジョンツリーの問題には不安がありませんでした。

一方で、設問分で上記のような制約がかかった場合、混乱するというか、制約条件の読み取りをミスすることが多かったです。解説を読んでも、「何故この設問でこの制約条件が確定するんだろう?」と分からなくなってしまうことが多くありました。

そして、それを理解するために多くの問題を解きたくても、過去問や問題集を合計しても、数問くらいしかありません。

純粋な式の暗記であれば、同じ問題を解くことにも意味がありました。しかし、計算問題の設問文の解釈を何度も行うのは、他の事例と違って大して意味があるようには思えませんでした。

そのため、「出たら捨てるか部分点狙い」の覚悟を決めて本番に臨みました。

多少の不安もなかったわけではありません。しかし、頻出問題でもなければ、割り切りは必要だと思います。

終わりに

振り返って見ると、事例4については、変に「計算・数学の問題である」と考えると失敗する気がします。

頻出論点については、税効果と時間的価値を省けば、実は難しい理屈・数式はないので体系立てて覚えれば、難問やひねった問題が出題されてもある程度の部分点は狙っていけると思います。

そのため、難問に対する対応力をあげるよりは、日本語(解答と事例文、設問)と数字の橋渡しができているか? に意識を置いて勉強をするといいのではないかと思います。

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