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公式を忘れてしまったとき・・・①

おはようございます。AASの市川です。一次試験を受験された方、お疲れさまでした。見事、二次試験への切符を手にされた方は、気持ちを切り替えて勉強に励んでおられると思います。惜しくも切符は来年に持ち越しになってしまった方は、この時期に来年に向けた学習計画をしっかり立てられるとよいでしょう。頑張りましょう!

さて、今回から「公式を忘れてしまったとき」というタイトルでしばらく連載させていただきます。ただ、本番で公式を忘れてしまったときの対応方法ではありません。
公式は覚えていれば後の計算は早いですが、しばらく使っていないと忘れてしまいます。そんな時に思い出すヒント・糸口になるようなことを書いていきます。ふだんの勉強であやふやになってきたときの対処法ということでご理解ください。

今回は間接法CF計算書について少し書きます。

CF計算書は診断士試験では避けて通れない論点です。一次はもちろん、二次でも28年、23年、18年、14年の本試験で出題されました。営業CFを計算過程とともに記述させる問題もあれば、営業CF、投資CF、財務CFの金額を書かせる問題があります。

CF計算書の営業CFのひな型には、直接法間接法があります。直接法は、「現金・現金同等物」の入出金時に各区分に分類していくことになるため、実務的に難しく採用している企業は少ないのが現状です(上場企業の有価証券報告書を見てもほとんどが間接法です)。
これに対し、①損益計算書上の当期利益が純資産の部の増減となってつながっている②貸借対照表は貸借がバランスしている、ことを利用して簡易にCF計算書を作成する方法が間接法になります。間接法の場合、営業CFは税引前当期純利益をスタートとして作成します。CF計算書を作成しているほとんどの企業がこの方法により作成しています。したがって、診断士二次試験対策もこの間接法が中心となります。

この間接法の場合、営業CFは、税引前当期純利益①減価償却費などの非資金科目の調整、②営業外・特別項目の調整、③営業資産・負債の調整、④小計以下のその他、などいわゆるひな型を覚えてしまうのがよいのですが、このひな型は、しばらくやっていないと忘れたりします。売上債権の増加はキャッシュのマイナスだったけとか、・・・、忘れませんか??


しかし、この間接法CF計算書のひな型も原理を理解してしまえば忘れませんし、忘れても大丈夫です。

ここでいう原理とは、BS等式ΔBS等式です。

BS等式は、資産=負債+純資産です。
この資産を現金と非現金資産とすれば、
現金+非現金資産=負債+純資産 です。

変形すると
現金=負債+純資産-非現金資産 になります。

その増分だけとると、


Δ現金=Δ負債+Δ純資産-Δ非現金資産
となります。

この式をよく見ると、
現金の増加は、負債の増加と純資産の増加 マイナス非現金資産 になります。

つまり、非現金資産の増加は、キャッシュのマイナス負債・純資産の増加はキャッシュのプラスになります。

これが染みついていればもう簡単です。
あとは、Δ現金を「営業」、「投資」、「財務」に分解します。

つまりΔ負債+Δ純資産-Δ非現金資産をこの営業CF、投資CF、財務CFの区分に色分けすればよいのです。

Δ負債は、仕入債務・・・営業、
借入金・・・財務
Δ純資産は、当期利益と配当金と増資などが考えられますが、
当期利益・・・営業(※1)、
配当金・増資・・・財務
△非現金資産は、
売上債権・棚卸資産・・・営業、
固定資産・・・投資(※2)

で分けます。
ここで注意しなければならないのは、減価償却費の調整です。減価償却費はキャッシュは流出しませんが、固定資産を減額させています。つまり、上記(※2)のところでプラスと計算されています。そして純資産のマイナス要因として上記(※1)でマイナスされています。これを整理するため、減価償却費は営業CFで加算、投資CFで減算します。あとは、これを自分なりの整理しやすいシートでまとめて終わりです。

過去問で確認


23年2次試験本試験問題をワークシートに並べると以下のようになります。


(※その他固定負債は、退職給付引当金と推定し、営業CFに分類)

以上でおしまいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。ではまた!

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