お疲れ様です。
2次試験の本試験が終わり1ケ月。予備校の成績解答。模範解答やさまざまな再現答案集めが終わって、まだ発表まで長いよという時期ですね。
また1次の学習を始める方も増える時期かもしれません。
まだ8月の1次試験までに時間がある時期に着手した方は、今の時期だからこそ時間かかる経済学や法務の民法の仕組みなど、長期的な知識を見直してはいかがでしょうか。
直前期にはお勧めできませんが、困ったらこの発想に戻れば答えを導けるというたぐいのものです。
例えばミクロ経済学の無差別曲線や生産曲線の3次元的理解、マクロ経済学IS曲線LM曲線の4象限図表による導出など
この中でIS曲線の導出を取り上げてみたいと思います。
1.IS曲線の導出
IS曲線はInvest-Saving Curveなので貯蓄と投資が均衡する、横軸に国民所得と縦軸に金利をとった線です。
1)貯蓄曲線
国民所得と貯蓄の関係を示す貯蓄曲線ですが、消費者は可処分所得を消費と貯蓄に振り分けるタテマエがあります。
すると貯蓄曲線は消費曲線をひっくり返した格好になります。
図1

2)投資曲線
投資曲線は金利と投資の関係を示した線です。
投資の経済性、から投資プロジェクトの収益率と資金調達金利の金利を比較して
収益率>金利ならば「投資すべき」であるため、金利が低いほど「投資すべき」プロジェクトが増えるため縦軸に金利、横軸に投資をとった投資曲線は右下がりになります。
図2

3)四象限図表に展開、第3象限で投資=貯蓄になる45度線を引く
上で描いた貯蓄曲線を第4象限に、投資曲線を第2象限に描きます。
第3象限は横軸投資、縦軸貯蓄となるので投資=貯蓄となる45度線を引きます。
図3

4)第1象限にIS曲線を描く
上記表の第2、3、4象限表の線上の各点に対応する点から長方形を作るように描画すると第1象限に投資と貯蓄がバランスするような金利と国民所得を表すIS曲線を描くことができます。
図4

2.四象限図表のメリット
この表を描くメリットは、
①貯蓄と投資がバランスの意味を汲み取れる。
超過需要に対応するならば投資を増やさないといけない。
国民所得(=生産)を増やすことで対応できる。
→IS曲線の右上にある時は超過需要が生じている。
超過供給に対応するならば投資を減らさなければいけない。
国民所得(=生産)を減らすことで対応できる。
→IS曲線の左下にある時は超過供給が生じている。
と確認できます。
②試験問題で、「消費性向が低くなるや高くなる」や「投資の弾力性が高いと低い」となど記憶に頼らずに導出できるのでド忘れしてもなんとか対応できる。
③この図を書くことで復習がすむので暗記の量を圧倒的に減らせる。
こうしたメリットから早めに1次の学習に着手できた場合は、時間かけてでも暗記に頼らないグラフの書き方から学んだほうが良いと私は思っています。
なおLM曲線も貨幣の取引需要と投資需要から四象限で表現できますのでネットで検索してお試しください。




