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【雄町】第9回:自分の答案を他人に読んでもらう荒療治について

二次試験を受けられた皆さま、本当にお疲れ様でした。雄町から一献を注がせていただきたいと思います!
ほら、アルコールが心にまで沁みますね❤

さて日本酒って「辛い・甘い」と表現されることが多いのですが、どんな日本酒も糖分が含まれているので何かしらの甘味はあるものなんですよね。そんな日本酒を測る目安として、4℃の水より比重が重いか・軽いかという日本酒度±が使われます。マイナス(重い)であるほど甘口、プラス(軽い)であるほど辛口に感じやすいです。もちろんこれ以外の酸味や苦み・アルコール度数も味わいには関わってくるので一概には言えないのですが、瓶の中身の味を想像する参考にはなります。

さて、どんなに辛く感じても何かしら甘味があるものが「答案を他人に読んでもらう」荒療治でございます。
……前振り長いねんと叱られそうですね💦

そう!何かしらの発見があるはずなので、一度はこういう機会を作ってほしいです。

ここで言う人に読んでもらうというのは、模試や予備校の添削を受けるという意味ではなく、単純に文章の書きぶりを見てもらうということです。今年縁あって模試の採点官をさせてもらったのですが、内容に対するコメントをつけるものの、紙幅の都合があるので文章そのものの書きぶりにまで言及できないことが多いんです。

私は、一度二次試験に落ちているので、2年目にどう軌道修正をかければ良いのか悩んでいました。自分の解答が模範解答と比べてしっくりこないというか、文章のレベルが洗練されていない印象をずっと感じていました。けれど何をどう変えればよいのかわからなかったのです。そこで、思い切って編集職の知人に何がいけないのか見てもらうことにしました。もちろん文章の中身は置いておいて書き方に注意してもらいました。

知人はしばらく私の解答用紙を眺めて、「これは落ちるわ」と言いました。えっ、と面食らう私に向かって、「体言止めとそうでない書き方が混ざって読みにくい、一文が長くなりすぎて主述関係が取りにくい、そもそも読み手に伝わりやすい文章を意識して書いていない、筆圧濃すぎ」などとズケズケと言うのです。しかも合いの手で「そら落ちるわー。ぜんぜんあかんわー(笑)」とイチイチ言うのでこちらはもはや涙目です。

けれど、それではっきりしたことがありました。文章構成は伝わるように意識して書かないときっと採点官には伝わらないということです。言い換えれば自分はきちんと表現しているつもりでも伝わっていない可能性があるということです。

字の見やすさはシャー芯の太さを変えたりしてすぐ対応できましたが、肝心の「採点官にやさしい文章」をどうすればよいのかがネックでした。

最終的に私が行きついたのは設問解釈の徹底でした。題意は何か、制約は何か、時制はいつか、など、踏まえるべきポイントを明確にして、それを書き出しの主語や、並列・ピラミッド型の選択を踏まえ「私は設問で聞かれたことに一つ一つ答えています」という体で答えていくようにしました。きっと「採点官にやさしい文章」は聞かれているポイントへの答えが明白になっている文章であると思います。このやり方を意識しはじめてから、模範解答の見方も変わっていったことを覚えています。設問に対してどういう構成でどんなキーワードを配置しているのか作成者の意図をくみ取れるようになった気がしました。

もちろん要約技術や与件リンクの張り方や知識も重要ですが、「採点官にやさしい文章」を意識することは全ての土台になると思います。

長々と書いてしまったのですが、自分の答案に物足らなさを感じたり、何か読みにくいと感じる受験生がいらっしゃったら、ぜひ誰かに答案を読んでもらってください(注意点は記述の仕方に着目してもらい、内容自体は無視してもらうことです)。

行き詰まった時こそ、自分とは違う視点やアドバイスを取り入れてみましょう。おもしろくないことを言われもしましょうが、きっと良い気付きがあるはずです。テイスティングも似たようなもので、同じお酒であっても唎く人によってコメントが変わってきたりするのがおもしろいところ、別の角度からの意見はとても参考になります。

試験が終わってほっとしておられる方、リベンジを意識されている方、さまざまいらっしゃると思います。まずは体をゆっくり休めて、未来への行動計画を立ててみてくださいね。応援しています。

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