皆さん、こんにちは。
「5年連続第2次試験を受けて、ようやく合格した50代サラリーマン」のけやきです。
第2次試験、本当にお疲れさまでした!
80分×4事例という長丁場を乗り越えられた皆さんに、心から敬意を表します。朝から夕方まで、休憩時間を挟みながらも、高い集中力を維持し続けることは、大変だったと思います。試験会場を出たときの、あの独特の疲労感と解放感を、私も5年間、毎年味わってきました。
ゆっくり休んで、まずはご自身を労ってあげてください。好きなものを食べて、ゆっくりお風呂に入って、早めに休むのもよいと思います。これまで試験勉強のために我慢してきたことを、少しずつ取り戻していく時間が始まります。
さて、試験が終わると、これから続々と受験予備校などから模範解答や解説が発信されると思います。今回は、この模範解答との向き合い方と、合格発表までの過ごし方について、私の5年間の経験を書いてみたいと思います。
模範解答は見るべき?見ないべき?~私の考え
試験直後は、「自分の解答がどうだったか」気になって仕方がないと思います。「あの設問、あれで良かったのかな」「与件文のあの部分を使うべきだったのかな」と、頭の中で試験問題がグルグル回っている方も多いのではないでしょうか。模範解答を見たい気持ちは、よくわかります。見たい人は、もちろん見てもよいと思います。
ただ、私は、試験直後に模範解答を見ないようにしていました。
理由は、予備校ごとに模範解答が異なるからです。これは、第2次試験の特性とも言えます。模範解答が公表されない試験ですから、各予備校が独自の解釈で模範解答を作成します。その結果、A予備校の模範解答と自分の解答が近ければ安心し、B予備校の模範解答と違っていれば落ち込む…そんな一喜一憂を繰り返すことが、私には精神的に良くないと思ったからです。
特に、複数の予備校の模範解答を見比べると、重要なキーワードは共通していても、解答の組み立て方や使用する与件文の箇所が微妙に異なることがあります。そうなると、「どちらが正解なんだろう」「自分の解答はどちらに近いんだろう」と、さらに悩みが深まってしまいます。
実際、私が合格した年も、合格発表後に初めて模範解答を見ました。結果は、結構模範解答と違っていました(笑)。特に事例Ⅲでは、予備校の模範解答と解答要素の切り分けが異なっていたのですが、それでも64点を取ることができました。事例Ⅳも、思ったより点数が取れていなかった(46点)のですが、他の事例でカバーできて、総合点で合格ラインを超えることができました。
合格発表後に見ると、「こんな解答もあったんだな」「この視点は面白いな」と、ゆったりした気分で見ることができました。不思議なもので、合否がわかった後だと、模範解答を見ても心が乱れることはありませんでした。むしろ、「自分の解答と比べて、どこが良かったのか、どこが足りなかったのか」を冷静に分析することができました。
これは、もし再受験することになった場合にも、非常に有益な振り返りになると思います。 もちろん、模範解答を見ることで安心したい、という気持ちもわかります。「見ないと気になって仕方がない」という方は、見てもよいと思います。ただ、その際は、「予備校の解答は一つの見解であって、絶対的な正解ではない」ということを、心に留めておいていただけるとよいと思います。
口述試験の準備はいつから?~合格発表後からでも十分間に合います
今年度の口述試験は1月25日(日)で、まだかなり先です。第2次の筆記試験の合格発表が1月14日(水)ですから、発表から口述試験までは1週間と少しあります。
「今から準備しなくて大丈夫?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、合格発表後からでも十分間に合います。
実際、私も合格発表までは、口述試験の勉強は一切やっていませんでした。
口述試験は、第2次試験の筆記試験とは異なり、面接形式で行われます。試験時間は10分程度で、試験官からの質問に口頭で答えていく形式です。質問内容は、筆記試験で出題された事例企業に関することや、中小企業診断士としての基本的な知識が中心です。
口述試験の合格率は非常に高く、よほどのことがない限り不合格にはなりません。もちろん、だからといって何の準備もせずに臨むのは危険ですが、筆記試験に合格された方であれば合格発表後の約1週間で十分に準備できる内容と思います。
ただし、各予備校の模範解答は集めていました。これは、口述試験で事例企業について質問されたときに、どのような解答が想定されるのかを把握するためです。また、各予備校の口述対策でどんなものがあるか、という情報だけは、合格発表までに調べていました。具体的には、口述試験対策講座の日程や費用、内容などをインターネットで確認していました。
これは、合格発表後にスムーズに動けるようにするための準備です。勉強ではなく、情報収集だけはしておいたという感じです。合格発表後は、口述試験までの時間が限られているため、どの予備校の講座を受けるか、独学で対応するか、といった判断を素早く行う必要があります。そのための情報を、事前に集めておくことは有益だと思います。
私の場合、合格発表後は、予備校の口述試験対策講座を受講しました。講座では、模擬面接を経験することができ、本番でも落ち着いて対応することができました。口述試験は、筆記試験と違って、その場で瞬時に答える必要があるため、模擬面接の経験は非常に役立ちました。
合格発表までの極上の時間を楽しもう~5年間で学んだ、この期間の過ごし方
これから合格発表までは、どう過ごすか。
模範解答などを活用して、試験を振り返るもよし。
まったく試験を忘れて、これまで行ってこなかったことをやるもよし。
どちらを選ぶかは、皆さん次第です。
私のおすすめは、勉強しなくてよい極上の時間を過ごすことです。
5年間の受験期間中、私は試験直後から合格発表までの約2ヵ月間を、毎年「勉強から解放された時間」として過ごしていました。家族との時間を大切にしたり、趣味のテニスに打ち込んだり、読みたかった本を読んだり…。この時間が、私にとっては何よりの癒しでした。
特に、第2次試験の勉強期間中は、家族に多くの負担をかけてきたと思います。休日も図書館にこもって勉強したり、平日の夜も遅くまで机に向かったり。家族との会話も少なくなっていたかもしれません。この2ヵ月間は、そんな家族に感謝の気持ちを伝え、一緒に過ごす時間を増やす良い機会だと思います。
また、趣味のテニスにも、久しぶりに集中して取り組みました。試験勉強中は、週末のテニススクールも休みがちだったのですが、この期間は毎週参加して、思いっきり体を動かしました。運動することで、試験のストレスも発散できたように思います。
読書も、この期間にたくさんしました。試験勉強中は、診断士試験に関連する本ばかり読んでいたので、小説やエッセイなど、自分が純粋に楽しめる本を読むことができました。読書は、私にとって心の栄養でした。
もちろん、試験を振り返りたいという方は、それもよいと思います。模範解答を見て、自分の解答と比較し、どこが良かったのか、どこが改善できるのかを分析することも、学びになります。特に、もし再受験することになった場合には、この振り返りが次回に活きてくると思います。
ただ、振り返りをする場合でも、毎日何時間も試験のことを考え続けるのではなく、適度に行うことをお勧めします。せっかくの「勉強しなくてよい期間」ですから、その時間を有効に使っていただきたいと思います。
私の経験では、試験直後の1週間くらいは、頭の中で試験問題がグルグル回っていました。「あの設問、もっとこう答えればよかった」「与件文のあの部分、見落としていた」といった後悔の念が、何度も湧いてきました。でも、1週間を過ぎると、だんだんと試験のことを考える時間が減っていきました。そして、2週間も経つと、ほとんど試験のことは頭から離れていました。
この自然な流れに身を任せるのもよいと思います。無理に試験のことを忘れようとする必要もありませんし、無理に試験のことを考え続ける必要もありません。ご自身の心が求めるままに、過ごしていただけるとよいと思います。
次のステップを考える時間にするのもあり
合格発表までの期間を、次のステップを考える時間にするのもよいと思います。
中小企業診断士の資格を取得した後、どのように活かしていくのか。独立・開業を目指すのか、企業内診断士として活躍するのか、副業として診断士活動を行うのか。選択肢はたくさんあります。
私の場合、試験後のこの期間に、診断士として何をしたいのかをゆっくり考えました。この期間は、試験勉強から解放されて、頭も心も余裕がある状態です。だからこそ、将来のことをじっくり考えることができると思います。もちろん、合格発表後に考えてもよいのですが、この期間に少しでも考えておくと、合格発表後の動きがスムーズになると思います。
最後に~皆さんへのメッセージ
試験を終えた今、皆さんはやるべきことをやり切った自分を誇ってよいと思います。
第2次試験は、決して楽な試験ではありません。膨大な知識を身につけ、論理的思考力を磨き、限られた時間の中で的確に解答する力を養う。この過程は、大変だったと思います。
でも、皆さんはそれをやり遂げました。試験会場に足を運び、4事例すべてに向き合い、最後まで諦めずに解答用紙を埋めました。その努力は、結果がどうであれ、決して無駄にはなりません。
結果は1月にならないとわかりませんが、今はその結果を待つ間、ご自身を労い、楽しい時間を過ごしてください。これまで我慢してきたこと、後回しにしてきたことを、少しずつ取り戻していってください。
5年間という長い道のりを経て合格した私だからこそ言えることですが、諦めずに続けていれば、必ず道は開けます。もし今回残念な結果になったとしても、それは失敗ではありません。次につながる貴重な経験です。
お疲れさまでした!
皆さんの合格を、心より願っています。




