皆さん、二次試験お疲れさまでした。
試験が終わった後は、少しゆっくりできているでしょうか。
年明けに二次試験(筆記)の合格発表で合格を勝ち取ることができれば、そのあとは99%程度の方が合格できるといわれている口述試験(R7年度が最後の実施)を受けて、無事試験に合格となります。
今回は、試験合格後のことについて書いていきたいと思います。
実務ポイントの取得
中小企業診断士の資格を登録するには、以下のいずれかを合計で15日分の実施が必要となります。
- 日本中小企業診断士協会連合会が実施する「実務補習」
- 民間の業者が実施する「実務従事」
| 項目 | 実務補習 | 実務従事 |
|---|---|---|
| メリット | ・協会標準の教育を受けられる ・指導員から直接指導を受けられる ・協会・支部とのつながりが強化される | ・費用が安い ・日程が柔軟で働きながら参加しやすい ・実在企業での実践力を磨ける ・オンライン対応あり |
| デメリット | ・費用が高額 ・日程が固定されており有休取得が必要 ・開催地が限られ地方在住者は負担大 | ・主催者によって質にばらつき ・信頼性や実績を見極める必要あり |
様々なブログで「一度(8日分)は、実務補習を受けたことが、非常に役に立った」と紹介されていたことから、当初は実務補習+実務従事でポイントを稼ぐ予定にしていました。
しかし、実際は以下の理由で、中小企業戦略研究所の実務従事(15日分)を受講することにしました。
- 2,3月は出張が入っており休みを取れず、春の実務補習を受講できなかった
- 大阪で面着でのヒアリング会と報告会が実施されるコースがあった
- 15日コースは、日数に対してリーズナブルだった(実務補習+実務従事だと約15万円、実務従事のみだと9万円)
- 秋頃に子どもが産まれる予定になった
→「役に立つ講習を受けられても、今後ブランクができて忘れてしまうだろうから、内容よりも効率性」という考えに変わった
※来年度から、中小企業戦略研究所では15日コースが実施されない様な話を聞いていますので、詳細は各自ご確認ください。
実務従事の内容
概要
実務従事の流れ
実務従事は、以下のような流れで行いました。
- キックオフ会
- 事前学習用の動画視聴
- ヒアリングの事前打ち合わせ×2回
- 実務従事先の経営者へのヒアリング
- 提案・報告資料に関する打ち合わせ×10回(うち4回は講師の方のレビュー、6回はメンバー間での協議)
- 報告会
ヒアリング会~報告会までちょうど1カ月のスケジュールだったので、余裕があると思っていたのですが、実際は口述の通りやることが非常に多く、トータル100時間くらいの作業時間は必要だったように思います。
役割分担
役割分担は特に決められておらず、リーダーだけ最初に決めて、その他はメンバー間で適宜決めていくというかなり自由度が高いシステムでした。
私は、キックオフ会でリーダーを受けることになり、全体のスケジューリングなどの調整を行いました。
また、マーケティング面の提案・報告も担当しました。
キックオフ会~ヒアリングまで
キックオフ会
キックオフ会は講師と参加メンバーの顔合わせ・自己紹介、実務従事概要・企業概要の説明、リーダー決めを行って終わりです。
ヒアリング準備
ヒアリングの注意事項や着眼点といったことが説明されている事前学習用の動画を視聴してから、ヒアリング内容を考えます。
各ヒアリング内容の優先度や、誰がを質問するのかを事前に整理し、すり合わせるための打ち合わせを行いました。
ヒアリング会
ヒアリング会は2時間程度で、事前に準備した流れでヒアリングを進めました。
2時間と聞くと非常に長い時間のように感じますが、聞きたい事項は多岐にわたっており、何も考えずにヒアリングを進めていると、意外とすぐに時間が過ぎてしまいます。
事前にしっかりと準備をしておき、優先度の高い内容を抜けもれなくヒアリングすることが重要でした。
提案・報告の方向性検討~報告会
提案・報告の方向性決め(1~2週間)
ヒアリングした内容のうち、事業者が困っていた点などを中心に、どのような提案を報告書(報告会で説明するスライド)にまとめるか決めていきます。
ざっくりとした方向性を決めるために、粗いリサーチを行ったりして、全体の方向性を整えていきました。
ここで、以下のようなテーマを含めた報告することが決まりました。4人のメンバーで4テーマだったので、1人1テーマを担当することになりました。
- プロダクト戦略
- マーケティング戦略
- 人事戦略
- 財務戦略
この間に、メンバー間での打ち合わせを3回ほど行い、講師陣のレビューが1回ありました。
報告資料作成(2週間)
大きく方向性が決まった後は、報告資料の作成に着手します。
全体の方向性を決める時点で、ある程度の情報収集は完了していますが、より具体的で、説得力のある資料にするために、数値を用いたり、視覚的にわかりやすい情報を引用したりして、資料の作成を進めました。
この間に、メンバー間での打ち合わせを7回ほど行い、講師陣のレビューが3回ありました。
当初の計画では、講師陣の最終レビューの際には、ほとんど手直しが不要な状態になっている予定でしたが、実際はその時点では完成度が低く、追加のレビューの場を設けていただきました。
そして、報告書の完成版が仕上がったのは報告会の2日前で、かなりギリギリのタイミングでした。
報告会
報告会も約2時間で、準備した報告書を事業者様に伝わるように説明して、無事実務従事を終えることができました。
実務従事を振り返って
リーダーとしての反省点
全体のスケジューリングについては、あまりわかっていない点が多かったので、各検討工程を前倒しして、進めておけばよかったと思います。
また、メンバーの中では最年少だったので、強いことを言うのは控えていましたが、結局資料の作成等が遅くなってしまったため、必要なことはしっかり言わないといけないと感じました。
実務従事で必要なスキル
実務従事では、オフィスソフトの使用スキルが重要であると感じました。共同編集できるように、Google Driveを使用しましたが、Microsoft Officeと使い勝手が違う部分もあり、私も少し効率性が悪かったように感じました。
特に、Google Driveをほとんど使ったことがない方もいらっしゃったので、このあたりのツールを一通り使ったことがあるかどうかというのは、実務従事の効率性にかなり大きく影響していました。
また、報告資料(スライド)作成時に、どのようなデザインのスライドを作らないといけないかを把握しているかどうかで、レビューの手直し回数が変わるため、作業速度が3~5倍くらいは差がついてしまっているように感じました。
最後に
実務従事を始めて受けられる際は、不安なことも多いと思いますし、診断士としてのスキル面を勉強してから臨もうとする方は多いと思います。
しかし、「どうすれば報告内容がしっかり伝わる資料を作ることができるか」の方が重要なことが多く、文書作成や資料のデザインのスキルを最低限身に付けてから、診断士としてのスキル面も強化しておくのがいいのではないかと思います。
今回は以上です。




