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わたしの再現答案リアル解説(R06事例3 71点) カズ

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例3 71点) カズ

こんにちは、カズです。
今回はR06年度事例3の私の再現答案について解説します。

第1問(配点20点)

[設問文]
C社の強みを80字以内で述べよ。

再現答案
社長の生産性を高める工場設備レイアウト設計と提案力、NC加工機や設計・製造を担う技術者による特注品受託生産体制、部品構成表デジタルデータ活用、X社との良好な関係性

解答作成プロセスの紹介
  私の場合、与件文を読む際、3色のマーカーを使ってチェックを入れながら読んでいました。水色やピンクでチェックした要素を見ながら重要要素を抜き出して骨子を作り、解答作成しました。

・水色 :自社の強みや機会に関連しそうな内容(ポジティブ要素)
・ピンク:自社の弱みや脅威に関連しそうな内容(ネガティブ要素)
・黄色 :社長の想いやその他の重要そうな内容(「」で囲われている内容など)

 水色で色付けした箇所の中から以下の項目をピックアップしてメモ作成。これらのメモを見ながら、解答を作成しました。
<メモした内容>
・社長の経験、提案力、特注品対応力
・X社との良好な関係
・NC設備、技術者
・部品構成表、デジタルデータ活用

振り返り
 強みだけで80文字って多いな~と思いましたが、強みとして水色マークしていた箇所をざっとピックアップすると、4つくらいは強みとして書けそうだと分かり、1項目あたり20文字を目安として解答文を作りました。日本語がややわかりにくい箇所もありますが、重要な要素は抑えられたかと思います。

第2問(配点20点)

[設問文]
コロナ禍以降増加傾向にある受注量に対応するため、C社製造部では工程改善によって生産能力の向上を図る検討を進めている。どのように工程改善を進めるべきか、100字以内で助言せよ。

再現答案
ボトルネックである製缶工程を中心に、人員配置の見直しや設備投資の検討で負荷平準化を図る。作業者の多能工化で工程間のヘルプも可能な体制とし、品質改善で不適合品を抑制し、製造部全体で生産能力を向上する。

解答作成プロセスの紹介
 解答骨子として、以下の内容をメモして、メモを見ながら解答を作成しました。

・ボトルネック、平準化
  ⇒多能工化、ヘルプ、配置見直し
  ⇒設備投資
・不適合品抑制

ボトルネック解消、平準化というのは真っ先に頭に浮かびました。その手段としては大きく2つ、多能工化して今ある人的リソースを最大活用することと、設備投資を考えました。ここまでは、事例3で良くあるパターンだと考えながら、ぱっと書きました。

また、多能工化さえすれば、前工程や後工程からヘルプに行くことはできるだろうか?と考えたときに、「不適合品発生などの良く別な場合を除き残業や休日出勤は生じていない」という与件文が目につきました。
裏返すと、不適合品が発生したら前後工程も忙しいからヘルプに行けないと考え、不適合品抑制を書き加えました。細かいところを気にしすぎかとも思いましたが、字数的にもおさまりがよさそうだったので、そのまま採用して解答しました。

振り返り
 製造業における工程改善というと、今あるリソースのなかでムダを削減していくことが基本と思いますが、投資の線も切り捨てるのは失点リスクがあるようにも思い、「設備投資の検討」というぼかした表現で残しました。点数に結び付いたかどうかは分かりませんが、良い塩梅でリスク分散できたと感じています。

第3問(配点20点)

[設問文]
C社では、受注量の増加や納期短縮要請などの影響で製造部の工程管理が混乱している。どのように工程管理業務を改善するべきか、その進め方を100字以内で助言せよ。

再現答案
作業工数実績に基づき工数見積もりを標準化することで計画精度を向上。生産統制強化で進捗・余力を可視化し、無理な納期設定での受注を避け、変更が生じた際は即時情報共有を可能にし、顧客対応力を向上する。

解答作成プロセスの紹介
 解答骨子として、以下の内容をメモして、メモを見ながら解答を作成しました。

・工数見積もり、標準化
・生産統制⇒納期リアルタイム可視化、無理な納期受注減らす

与件の「各作業の工数見積もりは、製造部各課長の経験を基に作成されている」から、1つめは事例3のあるあるパターンとして抜き出しました。工数見積もりについては触れられている方が多そうなので、あまり大きな差はつかなかったような気がします。

振り返り
 答案の「無理な納期設定での受注を避け」の部分が、やや営業寄りの話になってしまったので、設問で問われている工程管理業務からは少し外れてしまったか。ただ、受注生産の製造業では、営業が無茶な納期で受注して現場が困るといった話はあるあるなので、あまり深く書いてしまっていました。実際の製造現場を知るがためのポエムだったか…

第4問(配点20点)

[設問文]
C社の顧客企業との契約金額は、最近の材料費や人件費の高騰に対応した見直しは行われているものの、現業のコスト高には対応できていない。今後、顧客企業と価格交渉を円滑に行うための社内の事前対策を120字以内で助言せよ。

再現答案
自社のコスト構造の内訳を明確化し、過去の実績でなく実際のコストを基に見積金額を提示すべき。部品構成表データを用いた材料発注や在庫管理を活用して材料費を管理、生産統制の工数実績を基に人件費を管理し、コスト内訳で理論武装して交渉する。

解答作成プロセスの紹介
 解答骨子として、以下の内容をメモして、メモを見ながら解答を作成しました。

・コスト構造、内訳
・部品構成表
・製造工数実績

加えて、私の場合たまたま物流コストの価格転嫁に関するセミナーに以前参加したことがあり、そこで聞いた「理論武装」という厨二っぽさも感じるワードがとても印象に残っていて、設問を読んだ瞬間「理論武装」は絶対書こうと思って盛り込みました。

振り返り
価格転嫁、出ましたね。書けた方と書けなかった方の差が一番ついた設問だったのではないでしょうか。
すぐに「理論武装」というワードが頭に浮かんだおかげで、あまり考え込まず時間を使わずに答案を書けたのはラッキーでした。

第5問(配点20点)

[設問文]
 C社社長は、小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業と直接契約し、自社企画の製品を設計、製造することで事業を拡大したいと考えている。この新しい事業展開を成功させるためにはどのように推進するべきか、120字以内で助言せよ。

再現答案
①自社企画の製品を開発・設計できる技術者の採用・教育②ITツールの導入や部品構成表データを活用し、製品図面や仕様書を効率的に作成できる環境整備③社長の工程設備レイアウト設計・提案力を活用④据付を顧客にまかせ営業資源を新事業に投じ、拡大を図る。 

解答作成プロセスの紹介
 解答骨子として、以下の内容をメモして、メモを見ながら解答を作成しました。

・開発設計、技術、人的リソース
・ITツール、製品図面、仕様書、部品構成表の活用 ←在庫管理には使っている強みをさらに活用
・営業力UP ←弱みを補強する

振り返り
開発や設計のところには、第1問で強みとして書いた、社長の設計・提案力などを盛り込んでもよかったかも。
据付はC社の強みの源泉とは言えない気がしたので、顧客に任せると書いてしましましたが、専任部隊を設けるとか、外注の線を考えたほうが良かったか…また、営業の話を最後に持ってきましたが、営業力UPが肝だと思うので、答案の最初に持ってきた方が良かったかもしれません。

終わりに

 第4問の価格転嫁はやや珍しい論点を問われたような気がしますが、その他は事例3では良く問われるような論点・設問だったように思います。良く問われる論点については、演習のときと同様に、落ち着いて与件文を整理して答案に落とし込むことができました。今回の価格転嫁のように毛色の違う設問が出されることもありますが、やはり良く問われる論点を着実に解答できるように備えておくことが非常に重要だと感じます。

おすすめ書籍紹介
今回は事例3の再現答案紹介でしたので、製造業に関する書籍を紹介します。

『IE基礎要論(甲斐章人)』
IEについて平易にかつ非常に詳しく解説されていて、製造業現場での実践にもすぐに活用できそうな内容になっています。IEに関する書籍は色々とありますが、個人的No.1です。40年前の本でなかなか入手しにくく、昔の字体で読みにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、IEに興味のある方はぜひ読んでみてください。

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