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【あおたろ】第7回:わたしの再現答案リアル解説(R06事例4 56点)

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例4 56点) あおたろ

こんにちは、あおたろです。

今回は令和6年事例Ⅳの再現答案解説です。

結果は56点のB評価でした。

A評価に至らなかった原因は明白で、ずばり、多くのミスを犯してしまったことです。

今回の解説では、私がどのようなミスを犯したのかという点に焦点を絞って解説していくつもりです。

そして、多くのミスを犯したにも関わらず、そこそこの点数を獲得できた理由も書いていきます。

是非とも私の失敗を教訓にしていただければと思います。

目次

第1問(配点25点)

設問1

 D 社および同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較して D社が優れていると考えられる財務指標を 1 つ、劣っていると考えられる財務指標を2 つ取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、その値を⒝欄に記入せよ。

再現答案

(a)(b)
有形固定資産回転率11.26回
自己資本比率14.15%
売上高営業利益率1.01%

解説

定番の経営分析問題です。定石通り、収益性・効率性・安全性の観点から回答しました。

収益性指標として売上高営業利益率を挙げましたが、売上高総利益率の方がふさわしかったかもしれません。

なぜなら、売上高販管費率はD社が同業他社より優れているからです。

ただ、どちらを選んでも、得点を大きく左右するほどの影響はないものと思われます。

設問2

D 社の当期の財政状態および経営成績について、同業他社と比較した場合の特徴を 80 字以内で述べよ。

再現答案

顧客からの評価が高く、一貫生産体制がある為、効率性が高い。来店客数、客単価減少や大手進出による競争激化で収益性が低く、内部留保が少なく借入が多い為安全性が低い。

解説

設問1同様、収益性・効率性・安全性の観点から回答しています。

無難に回答できているので、特に解説することはありません。

第2問(配点20点)

設問1

再現答案

(a)6500 袋
(b)240 袋
(c)2670800 円
(d)各社の1袋当り直接作業時間 X:1 Y:1+1.5=2.5
各社の1袋当り機械運転時間 X:2 Y:2+0.5=2.5
単位時間あたりの限界利益 X:(3000-1780)/2=610 Y:(4800-1780-1600)/2.5=568
以上よりX社の生産を優先する。
X社を6500袋生産した場合、直接作業時間は3500時間、機械運転時間は600時間余る。
Y社の生産量は600/2.5=240
営業利益は、(3000-1780)*6500+(4800-1780-1600)*240-5600000=2670800

解説

無事に正解を導き出すことができました。

この問題に限ったことではないですが、計算過程は可能な限り丁寧に記述することを意識しました。

そうすることで、正解に辿り着けなかった場合でも、部分点の獲得を期待できるからです。

このような部分点獲得に対する意識は、事例Ⅳ攻略において重要なポイントです。

設問2

再現答案

(a)4895 円
(b)Y社を2400袋生産した場合、直接作業時間は4000時間、機械運転時間は7600時間余る。
X社の生産量は7600/2=3800
Y社の販売価格をyとして、下記の式を解く。
(3000-1780)*3800+(y-1780-1600)*2400-5600000≧2670800
y≧4894.5

解説

ここまでは比較的順調でしたが、この設問以降のすべての設問で私はミスを犯していくことになります。

この問題でのミスは、不等式を立てる際に発生しています。

具体的には、左辺ではY社向け価格を未知数yとしているのに、右辺では設問1の解答を安易に流用してしまい、Y社向け価格を据え置いています。

しかし、このミスに関しては合否を分けるほどの重大なミスではなかったと思われます。

事実、高得点者の方の解答を見ても、4895円としているケースが多いようです。

第3問(配点30点)

設問1

再現答案

(a)41 万円
(b)46 万円

解説

この設問で、重大なミスが発生しています。

正解は、初年度のキャッシュローの増加額が69万円、2年度の増加額が74万円です。

なぜ正しいキャッシュフローが導き出せなかったかというと、設問文の読み間違えという初歩的なミスを犯してしまったからです。

なお、新機械の導入により、生産能力は増強される。そのため営業利益は、初年度は更新前と比べて 30 万円多くなり、それ以降は各年度とも更新前と比べて 70 万円多い額になると予想されている。

私が読み間違えたのは、赤字の部分です。営業利益とはっきりと書いてあるのに、なぜか私はこの部分を、減価償却費を差し引く前の現金収支だと思い込んでしまったのです。

この設問を間違えてしまったことで、連鎖的に設問2も正解を導き出せなかったという点において、このミスは非常に重大と言わざるをえません。

設問2

再現答案

(a)-116.77 万円
(b)減価償却費の差額 540/9-240/12=40
初期投資額 -540+70=-470
旧機械の売却損 240-20*3-70=110
タックスシールド 110*0.3=33
初年度のCF 30*0.7+40*0.3-25+33=41
2年目のCF  70*0.7+40*0.3-15=46
3~8年目のCF 70*0.7+40*0.3=61
9年目のCF   70*0.7+40*0.3+40=101
NPV -470+41*0.917+46*0.842+61*5.033*0.842+40*0.460=-116.766

解説

前述の通り、初年度および2年度のキャッシュフローを間違えてしまった結果、正解には至りませんでした。

しかし、数字の正誤はさておき、計算過程は正しく記述できているので、相応の部分点が入っているのではないかと思われます。

ここでも、計算過程は可能な限り丁寧に記述することの大切さや、部分点獲得に対する意識が役立っていると言えるでしょう。

設問3

再現答案

(a)万円
(b)実行すべきで ある
(c)正味現在価値の期待値がプラスなので投資を実行すべき。
予測の7割になる場合は投資を実行せず、予測通りになる場合は投資を実行する。

解説

この設問に関しては、時間が足りず、まともに取り組めていません。(b)(c)は当てずっぽうで書きました。

第4問(配点25点)

設問1

D 社では、事業部の業績評価のために、加工事業部から飲食事業部および惣菜事業部への製品の供給を事業部間の販売とみなし、そこでは製品単位当たりの全部原価に一定の割合の利潤を上乗せした価格を用いている。D 社が採用しているこのような価格の設定方法には、事業部の業績評価を行う上でどのような問題点があるのか、80 字以内で説明せよ。

再現答案

問題点は①各事業部が短期志向になり、業績向上を図る目的で、適正でない利益を上乗せする可能性がある事、②社内取引の為、各事業部の業績と全社業績が一致しなくなる事。

解説

この解答も、見事に的を外していますね。

敗因は知識不足です。全部原価に関する知識が曖昧だったので、その部分は棚上げして解答を組み立てました。

与件にある通り、D社の課題はコスト効率向上です。現在の業績評価手法がコスト効率向上に寄与しないことを、全部原価計算との関連で記述すべきでした。

全部原価計算は、製品原価に変動費だけでなく、固定費の配賦分も含まれます。

100万円の固定費を例に考えてみます。製品を100個作れば、製品1個あたりに配賦される固定費は1万円ですが、製品を1個しか作らない場合は、製品1個あたりに配賦される固定費は100万円です。このように、工場の稼働率が低い(コスト効率が低い)ほど、製品原価が高くなります。

しかし、加工事業部は製品1個あたりの原価である100万円に一定割合の利潤を上乗せして販売し、あろうことか、この販売実績によって高く評価されることになります。つまり、コスト効率が低くても事業部としての評価は高まり、その結果、D社の課題であるコスト効率向上に取り組むインセンティブが低下するという問題が浮き彫りになるのです。

試験本番にここまで思考を巡らせることは現実的には不可能だとは思います。しかし、知識不足により解答がぼやけてしまった点は反省すべき点だと思います。

設問2

D 社では、創業者である社長が事業部の運営に大きな影響力を有しており、設備投資に関しては当該社長が実質的な意思決定権限を持っている。このような場合、財務指標を用いて事業部長の業績評価を行うときに留意すべき点を、60 字以内で説明せよ。

再現答案

留意点は、適正な設備投資が実行されない可能性がある為、投下資本利益率や有形固定資産回転率等の指標に影響が出る可能性がある

解説

この解答がいちばんやらかしていますね。A評価に届かなかった原因は、この解答のせいだと言っても過言ではないでしょう。

まず、「業績評価を行うときに留意すべき点」を問われているのに、そこに対して答えられていません。

また、「適正な設備投資が実行されない可能性」というのも根拠がありません(頭の中で、勝手に理不尽なワンマン社長をイメージしてしまいました)。

投下資本利益率に言及できている点は良かったかもしれませんが、投下資本利益率に影響が出るのであれば、その代わりにどの指標を見るべきなのかを明言すべきです。

社長の権限が大きく事業部長がコントロールできる領域が狭いことが問題なのですから、事業部長が管理可能な貢献利益を評価指標とすべきでした。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

事例Ⅳは他の事例よりも勉強時間を割き、しっかりと対策をしてきたつもりでしたが、改めて振り返ると、ミスが多く、悔いの残る結果となりました。

多くのミスを犯したにも関わらず、そこそこの得点を獲得できたのは、計算過程をしっかり書いたことが主な要因だったのではないかと思います。

この記事が受験生の皆様の参考になれば幸いです。

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