MENU

【あおたろ】第4回:わたしの再現答案リアル解説(R06事例1 73点)

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例1 73点) あおたろ

こんにちは、あおたろです。

本日から4回にわたり、令和6年度2次試験の再現答案を解説していきます。
本日のテーマは、事例Ⅰです。
試験当日の思考プロセスや反省点をなるべく詳細に書いていきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

第1問(配点20点)

A 社の 2000 年当時における⒜強みと⒝弱みについて、それぞれ 30 字以内で答えよ。

再現答案

(a)強み
流通加工や保管業務の能力の高さ。質の高い輸送。協力会との連携
(b)弱み
旧態依然の管理体質で受注管理が非効率。新規開拓力が弱い。

解説

まずはしっかりと設問解釈を行いました。
「2000 年当時における」という制約条件を念頭に与件文のキーワードを拾っていきました。
また、事例Ⅰに限ったことではありませんが、SWOT分析は、第2問以降の解答で使用する要素を盛り込むことを意識していました。

強みである「流通加工や保管業務の能力の高さ」と「質の高い輸送」は第3問で使用しました。
「協力会との連携」は、今後A社が3PL事業者として事業を展開していく上で欠かせない強みと考え、第4問設問(1)で使用しています。

続いて弱みです。
「旧態依然の管理体質で受注管理が非効率」である点は、第2問および第4問設問(1)で使用しました。
「新規開拓力が弱い」点も、第2問で使用しています。
これらの弱みを克服すべく、組織構造の変革に着手するというのが、今回の与件文のひとつの骨格になっていると思われます。

第2問(配点20点)

なぜ、A 社は、首都圏の市場を開拓するためにプロジェクトチームを組織したのか。また、長女(後の2代目)をプロジェクトリーダーに任命した狙いは何か。100 字以内で答えよ。

再現答案

理由は古い慣習が残る組織から切り離し、若手中心のチームで首都圏の物流需要を捉え、新市場を開拓する為。狙いは①長女を後継者として育成する事。②大手企業での物流企画、営業の経験、人脈を活用する事である。

解説

長女を任命した狙いに関しては、事例Ⅰの頻出テーマである後継者育成がすぐに頭に浮かびました。
そして、長女には大手物流企業での物流企画部門・営業部門での経験やY社経営者との人脈があることが与件に書いてありましたので、解答に盛り込みました。

プロジェクトチームを組織した理由を考える上で、最初に私が注目したのは、プロジェクトチームのメンバーでした。
与件には、「若手社員1名、首都圏での新規採用社員1名とともにプロジェクトチームを組織」とあります。

このようなメンバー構成にした理由はどこにあるのでしょうか?

第1問で弱みとして指摘した通り、A社の組織風土は旧態依然としており、既存社員の多くは地元志向が強いです。
どう考えても、内弁慶な既存社員が完全アウェイの首都圏市場を開拓できるとは思えません。

そこで、組織風土に染まっていないでフレッシュなメンバーでプロジェクトチームを構成したと考え、解答を組み立てました。

第3問(配点20点)

なぜ、Z 社は A 社に案件を持ちかけたのか。100 字以内で答えよ。

再現答案

理由は①A社が地域物流のコーディネーターとして地元密着で質の高い輸送サービスを構築している為、②X社と長期の取引実績があり、一連の保管業務や流通加工の能力が高く、県内進出に必要だった為である。

解説

一般的に他社に協業を持ちかけるのは、自社にない経営資源を外部リソースから調達するためです。

首都圏で事業展開をしているZ社は県内の物流基盤を強化する必要があります。
一方でA社は創業以来地元のニーズに応えることで、「質の高い輸送サービス」や「流通加工や保管業務の能力の高さ」という強みを構築してきました。
さらに、A社には県内を地盤とするX社との長期の取引実績という信頼があります。

つまり、Z社から見たA社には、県内進出に必要な経営資源を有する魅力的なパートナーだったわけです。

以上の思考プロセスを元に解答を組み立てましたが、改めて振り返ると重要な論点が抜けています。

それは、Z社が、首都圏事業部と同等の物流システム提案や高度な受注管理・在庫管理のノウハウを、県内事業部からも享受できると期待していた点です。

しかし、実際には首都圏事業部と県内事業部は連携がほとんどなく、Z社が期待していた役割をA社は部分的にしか果たせませんでした。

このような問題が顕在化したことにより、第4問においてその対策を問われることになるので、この論点はぜひとも解答に盛り込むべきだったと反省しています。

第4問(配点40点)

 今後、A 社が 3 PL 事業者となるための事業展開について、以下の設問に答えよ。

設問1

 2024 年の創業経営者の助言による配置転換の狙いは何か。80 字以内で答えよ。

再現答案

狙いは①県内事業部と首都圏事業部の連携を強化し、シナジーを創出する事、②県内事業部のDX推進による受注・在庫管理の高度化、③長女が全社を俯瞰できる体制構築。

解説

3つの論点で解答を組み立てましたのでひとつずつ説明していきます。

①は、配置転換の狙いが首都圏事業部と県内事業部の連携強化にあることは、与件の内容からも明らかだったので、素直に書きました。

②は、長男を県内事業部のマネージャーに据えることで、第4問で顕在化した問題の解決を図ろうとしたと考え、このようにまとめました。
反省点としては、①②共に大きな意味ではシナジー創出を論じているので、多少解答要素の重複があるように見える点です。
一方で、「DX推進」という字数を節約できる上に、昨今のトレンドに沿ったキーワードが出てきたことは、我ながらファインプレーだったのではないでしょうか(笑)

③は、冷静に振り返ると、解答の意図が採点者に伝わっているか自信が持てません。

2020年、長女が2代目経営者に就任した当時は、首都圏事業部をメインに活動しており、県内事業部のマネジメントは経営幹部に一任していました。

ここからは私の勝手な想像ですが、古い慣習の残る県内事業部は長女の肌に合わなかったのではないかと思います。
与件中のA社組織図を見た時に、新しいことに積極的にチャレンジする首都圏事業部と変化を嫌う県内事業部というありがちな対立構造を思い浮かべた受験生の方も多かったのではないでしょうか。
「県内事業部の人たちは変化を嫌って文句ばかり言うから、経営幹部に任せてしまおう」と長女が考え、距離を置いたとしてもおかしくありません。

しかし、Z社とのプロジェクトにおいて問題が顕在化した今、経営者として県内事業部の改善に動かないわけにはいきません。
そこで、経営幹部に専務取締役として間に入ってもらうことで、経営幹部を通して県内事業部の状況を把握できる体制を目指したのではないかと考え、「長女が全社を俯瞰できる体制構築」という解答になりました。

設問2

A 社が Z 社との取引関係を強化していくために必要な施策を、100 字以内で助言せよ。

再現答案

施策は①適正在庫管理や機動的な商品補充への対応を進め、受託範囲を増やす、②協力会と連携し、労働環境を整備し、人手不足解消、③段階的な成果主義導入や公平な評価制度確立でモラール向上を図る事である。 

解説

①は、Z社がA社に求めている対応を与件の言葉を素直に使って表現しました。

②も、与件の言葉を素直に使いました。
A社が地域に根差した輸送サービスを構築できたのは、協力会を始めとする外部委託先があってこそです。
「労働環境の整備」に関しては与件に根拠はありませんが、「物流の2024年問題」の一環として解答に盛り込みました。
しかし、今振り返ると、「労働環境の整備」ではなく、「DX推進による業務効率化で人手不足解消」などとした方が与件に忠実で良かったようにも思います。

③も、与件の「処遇面で不満が出ている」ことに対する解決策として書きましたが、抽象的でただの一般論になってしまっています。
そもそもなぜ処遇面で不満が出ているかというと、システムエンジニアなどの専門人材が多様化しているにも関わらず、創業時から人事処遇制度がほぼ変わっていないからです。
さらに具体的にいうと、運送部や倉庫部の評価制度でシステムエンジニアを評価しているということです。

「専門人材の多様化に対応した評価制度の確立でモラール向上を図る」などとしたほうが、解答に具体性が出て、加点が望めたように思います。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

事例Ⅰは得意科目であり、得点も高かったので、解説を書くのも非常に楽しかったです。

しかし、次回以降はすべてB評価の科目なので、古傷をえぐるような苦しい作業になりそうです…

お楽しみに!

お勧め2次対策講座

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次