本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例2 61点) コウジ
4回に分けて、私が受験した昨年度の二次試験の実際の答案について、解説する記事を書いていきます。
できるだけリアルにお伝えできるようにしたいと思います。
今回はシリーズ3回目の記事で、『事例2』について書きます。
過去問のネタバレがございますので、まだ解いていないという方は、解いた後に読むことをお勧めします。
第1問
B社の現状について、SWOT分析をせよ。各要素について①~④の解答欄にそれぞれ40 字以内で説明すること。
①料理に合う色や形の食器の提案力、X焼知名度、オリジナル食器企画力、動画コンテンツ
②ホームページの活用不足、需要減少による売上低下、コロナ禍の打撃
③動画サイト視聴者からの問い合わせ、宿泊施設や飲食店からの提案依頼、陶磁器祭り
④高齢化と人口減少で需要低下、X焼の情報発信の滞り、安価な外国製陶磁器との競合
典型的なSWOT問題なので、次回の記事で詳細を書きたいと思いますが、以下のようなセオリーに従った答案作成が重要です。
- 与件文中からSWOTの要素をできるだけたくさん見つけ出す
- SWOTの要素を端的に表現する
第2問
X市は、ふるさと納税の返礼品としてX焼を活用したいと考えている。現在でも市の返礼品の中にX焼はあるが、全国の返礼品の中で埋もれている状態にある。
3代目は、X市から「返礼品の中でもっと目立ち、市とX焼のファンを増やすような返礼品の企画を考えてほしい」と依頼を受けた。ブランド価値構造のうち、消費者にもたらす感覚価値と観念価値を意識して、返礼品の企画を100 字以内で提案せよ。
企画は、地元ホテルや飲食店と連携し、X市郷土料理とのセット販売である。X市限定商品として差別化し、盛り付け映えや写真映えで目立たせる。狙いは、X市とX焼のブランド価値向上によるB社売上拡大と地域活性化。
感覚価値と観念価値とは何かが全く分からなかったのですが、とにかく消費者に対してどのような価値を提供できているかという点で考えました。
第4段落等に記載がある通り、本設問の狙いとしては、X市やX焼のブランド価値を高めていくことであると考えて、そのための具体的な施策を答案に含めました。
具体的には、9,10段落にあるような地元の業者との連携や、ウェブを駆使した情報発信という機会を活用していくことが挙げられると考え、施策の内容としました。
第3問
X焼には窯元それぞれの魅力があるため、3代目は、消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会をつくりたいと思っている。しかし、陶磁器祭りで接客をしていると、「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう食器愛好家の声をよく耳にする。
3代目は、自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業を手がけたいと考えている。どのような事業内容にすべきか、100字以内で提案せよ。
サブスクリプションと中古売買を事業化する。多様な窯元の陶磁器の使用機会提供と収納スペース不足解消で、食器愛好家のニーズに対応する。狙いは、愛顧向上による固定客化と売上拡大である。
多様な陶磁器を使用したいが、収納スペースが不足する顧客の課題を解決できる事業を提案する問題ですが、前年度の問題でサブスクの問題があり、まさか今年も同じような問題が出るとは!と驚きました。
サブスクリプションだけでは、具体策の提案として弱いようにも感じたので、中古売買という内容も加えました。
最終的な狙いは、顧客の課題を解決することによる固定客化と売上拡大にあると考えましたので、それも含めて答案としました。
第4問
EC サイトの新規顧客は増えたが、3代目は顧客の顔を直接見ながら販売できない寂しさも感じ始めた。
3代目は、今後は、X 市の地元で開く店舗とEC サイトの両方を利用する顧客を増やしていきたいと考えるようになった。B社にはどのような施策が必要か、150字以内で具体的に提案せよ。
施策は、①動画サイト、SNS,自社サイトでの情報発信、双方向コミュニケーションでニーズ収集、②顧客紹介制度で口コミ獲得、③地域のホテルと連携した広報活動による観光客需要獲得、④オンラインクーポンや会員システム導入でECサイトと店舗の両方の利用者を増加。狙いは新規顧客開拓と固定客化で売上拡大。
方針としては、店舗とECサイトの両方を利用するユーザーを増やすことですが、具体策があまり思いつかなかったので、とにかく集客のための情報発信施策をたくさん打ち出しました。
全く的外れの回答で、得点につながっていない可能性が高いのですが、とにかく枠を埋めることを考えて記述しました。
おわりに
試験本番で解いた感触は非常に悪く、50点くらいなのではないかと感じていました。
しかし、実際の得点が開示されると61点でした。
第3問で前年度の「サブスクリプション」がまた出ると思っていませんでしたので、非常に驚きましたし、間違っているのではないかと心配になりました(が、ほかに書ける回答もなかったです)。
毎年新しい切り口の問題は出題されますが、前年度と似たような問題が出題されることもあります。今年受験される皆さんも、過去問を最大限活用し、二次試験に臨んでいただければと思います。
今回は以上です。