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わたしの再現答案リアル解説(R06事例2 73点)【雄町】:第4回

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R06年度事例2 73点) 雄町

こんにちは、雄町です。
今回は事例Ⅱの再現答案解説をやっていきたいと思います。陶磁器の卸売業者が主人公のこの事例ですが、かつて雄町は日本酒を飲むときに盃の縁の厚さで微妙に味わいが異なることを知り、様々な酒器集めを始めましたがお金と置く場所が続かず挫折した覚えがあります。

前回と繰り返しになりますが、私は「与件文の第1段落を読む」→「段落罫線を引く」→「設問文を読む」→「与件文に戻って通読」→「設問文にとりかかる」の順番でいつも進めていました。また、5色のマーカーを使う派です。

令和6年の事例Ⅱは、衰退の進む陶磁器の卸売業を立て直すために地元に戻った3代目が、自らのセンスを生かして新規事業を始めたり動画配信やECサイトといったIT活用を行い、家業だけでなく地場産業であるX焼の地位向上にも取り組む、というものです。テーマとしては、「地域貢献」「新製品開発(サービス)」「IT活用」が挙げられるのではないかと思います。

第1問(配点20点)

[設問文]B社の現状について、SWOT分析せよ。各要素について①~④の解答欄にそれぞれ40字以内で説明すること。
[解答]
①S:3代目のセンス。カフェスペース併設の新自社店舗。ECサイト運営と動画投稿。
②W:自社の存在感が弱い。2000年代から経営状態が悪化の一途。
③O:X焼の陶磁器祭り。家庭に関心を向ける若者や海外の人々の存在。
④T:陶磁器の内需不振。安価な外国製陶磁器の輸入増加。100円ショップの台頭。

まず時制のチェックとしてB社の「現状」があります。その上でのSWOT分析ですが、私は後の設問とのつながりを保つために後回しにすることが多いです。各40字なので、少なくとも2つ、できれば3つ盛り込みたいところです。

まず「S:強み」ですが9段落の1行目「ファッション業界での経験を買われ~」3代目が企画したオリジナル食器が高い評価を得たこと、11行目「3代目が今までなかったようなセンスを持ち込んでX焼と向き合う真剣な姿~」とあるので、無形資源でもある3代目のセンスを冒頭に選びました。残りの「新店舗」と「動画・ECサイト」の強みは第4問で言及するので選択しています。

次に「W:弱み」ですが、ここはかなり迷いました。目立つ弱みですと8段落4行目「新鮮味もないし、安くもない」がチェックできたのですが、「現状」という制約条件を考えると3代目の奮闘によってこれは解消されつつあるのでは?という考えがよぎり使いませんでした。しかし後の設問ではB社の弱みに触れるようなものはなかったので、じゃあ何を書けばいいのかというところで迷いに迷ったあげく、6段落の後半部分と7段落の情報発信の辺りを無理矢理まとめたような解答になってしまいました。

続いて「O:機会」です。与件文には機会のマーカーがけっこうたくさんあったので、やはり設問から逆算して第3問で使う7段落の陶磁器祭りと、第4問で動画配信と関わる10段落5行目を選択しています。字数が余れば4段落の「クリエイター志望の移住者の窯元」もいれたかったのですが、字数が足りなかったので第4問に直接入れました。

最後に「T:脅威」です。私の解答は6段落6行目辺りから3つ拾っているのですが、後ろ2つが似たような観点なので、むしろ7段落5行目の「情報発信の滞り」の観点を入れるべきだったなぁと今にして思います。

第2問(配点25点)

[設問文]X市は、ふるさと納税の返礼品としてX焼を活用したいと考えている。現在でも市の返礼品の中にX焼はあるが、全国の返礼品の中で埋もれている状態にある。
 3代目は、X市から「返礼品の中でもっと目立ち、市とX焼のファンを増やすような返礼品の企画を考えてほしい」と依頼を受けた。ブラント価値構造のうち、消費者にもたらす感覚価値と観念価値を意識して、返礼品の企画を100字以内で提案せよ。
[解答]
企画は、X市食材と発酵調味料の郷土料理とX焼のセット。X市の旅先の様な感覚を家庭で味わえる情緒的感覚価値を消費者に提供し、ガスコンロで直接調理できるX焼が器の観念価値を超え、X市とX焼への愛顧増加。

長い設問は制約条件に注意します。問題点として「全国の返礼品の中で埋もれている状態にある」、「返礼品の中でもっと目立ち、市とX焼のファンを増やすような企画」とあるので他の返礼品にはない特別さの工夫と市と、市とX焼双方にプラスとなる施策であることが条件です。その上で「感覚価値と観念価値を意識し」とありましたが、私はこれが明確にわからず、いったん棚上げしました。
解答としては、10段落の後半に3代目の2本目の動画に多数の問い合わせがあったというニーズの存在を示す記述があるので、X市の郷土料理とX焼きのセットであることはすぐにアタリをつけらました。困ったのは感覚価値と観念価値です。無視するわけにはいかず無理矢理「感覚」と「観念」の文字から類推した解答になっています。正しくは「観念価値」とは「ブランドストーリーやヒストリーが生み出す価値」とのことなので、ここは失点していると思います。

第3問(配点25点)

[設問文]X焼には窯元それぞれの魅力があるため、3代目は、消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会をつくりたいと思っている。しかし、陶磁器祭りで接客をしていると、「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう食器愛好家の声をよく耳にする。
 3代目は、自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業を手がけたいと考えている。どのような事業内容にすべきか、100字以内で提案せよ。
[解答]
事業内容は、収納スペースに限りがある食器愛好家に対し、各窯元のX焼を、レンタルサービスで提供する。これにより各窯元の情報発信と販促を代行でき、食器愛好家が持つ心理的障壁を下げることが可能。

第3問は「誰に、何を、どうやって、効果」という通称「だなどこ」がきれいに当てはまる問題だと思い、あまり悩まず書きました。
こちらも長い設問文なので、制約条件に注意します。「自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業」とあるので、これを「だ=食器愛好家、な=各窯元のX焼、ど=レンタルサービス、こ=窯元の情報発信と愛好会の心理的障壁の解消」にあてはめた解答にしました。

第4問(配点30点)

[設問文]ECサイトの新規顧客は増えたが、3代目は顧客の顏を直接見ながら販売できない寂しさも感じ始めた。
 3代目は、今後は、X市の地元で開く店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やしていきたいと考えるようになった。B社にはどのような施策が必要か、150字以内で具体的に提案せよ。
[解答]
施策は、X市のクリエーター志望窯元や伝統的な窯元のそれぞれの生産工程や独自商品や、それらで提供されるカフェをオンライン動画サイトで発信する。そこで紹介した商品をECサイト販売するかたわら、一部の商品は地元店舗限定販売にするなど、X市訪問への誘導を進め、地元店舗とECサイト双方の顧客を増やす。

第4問はまず制約条件として、「ECサイトの新規顧客は増えたが(←逆説の後の文章は要注意です)、3代目は顧客の顏を直接見ながら販売できない寂しさ~」とあり、「地元で開く店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やす」施策を「具体的に」提案とあります。
11段落2行目に3代目は「~X焼の地位向上のために尽力すると決めた」とあるので、 地域貢献として衰退しつつある各窯元に寄与する要素を盛り込みたいと思いました。また、動画での成功事例があるので、これも強みを機会にぶつける施策として使えると判断しました。その上でECサイトとX市及び実店舗両方にお客がくる具体的工夫を考えてこのような解答になりました。

終わりに

事例Ⅱは設問ごとのターゲットの切り分けを外してしまうと大量失点につながる怖い科目です(何度やらかしたことか…)。ですので、設問文の制約条件はしっかり押さえておく必要があると思います。ぜひマーカー等の引き方に工夫して、制約条件を外さないようにする自分なりの方法を固めていってください。

来月は1次試験直前とのことで、再現答案解説ではなく当日の持ち物について書けたら面白いかなぁと考えています。次回も読んでいただけたら嬉しいです、それでは!

お勧め2次対策講座

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