地方自治体の中小企業振興と私のこれから

こんにちは。
いよいよ13回目、ラストの投稿になりました。地方公務員(♀)のたんぽぽです。

先週末に異動内示が発表され、まだ商工振興課1年目のため、異動する心構えなど余裕で全然ありませんでしたが、希望どおり商工振興課に残留となりました。
せっかく取得した「中小企業診断士」資格!(3月1日に無事、経産大臣登録を終えました)

たんぽぽテレジア
しばらく、この課で泳がせてや〜〜っ!!

と、祈る気持ちです。

さて、ラストの回は、中小企業診断士試験(1次)に関連しそうなポイントにピンクマーカーを引きながら、地方自治体の中小企業振興のこれからのことなどについて書いてみたいと思います。

■商工振興部署でやってみたいこと

おかげさまで、残留となった商工振興部署。
令和6年度にやってみたいなーと思っているのは、

事業承継の普及啓発

です。

帝国データバンクしらべ によれば、全国で後継者不在率、ワースト(=後継者がいない)は鳥取県!
逆に、後継者不在率が最も低いのが(=後継者がいる)のが三重県とされました。

私の暮らす県も、ワーストから数えた方が早いところに位置しています。
そこで、よろず支援拠点(経済産業省が都道府県に1つずつ設置)の方が、令和6年度から力を入れて行くぞー!!と、先月に県下市町村職員向け、事業所向け、支援機関向けにキックオフセミナーを開いてくださったのです。

また、県の施策として、人口減少等が特に著しい地域に対し、「事業承継支援員を配置」して相談支援体制を強化していくという動きもあります。

聞くところによると、市内にも「事業承継・引継ぎ補助金」を活用され、事業承継と同時に経営革新を実現された事業所がいくつかあるのです。

まだまだ市内の事例は親族内承継が多いですが、それでも新しい感性を取り入れて客層がガラッと変わったお店も存在します。

こうした事例を事業者さん自らから共有してもらいながら、事業承継・引継ぎ補助金の活用についてよろず支援拠点から、またその申請をサポートした支援機関の目線・・・などなどを市内事業者の皆さんにご紹介することが第一歩、と考えています。

今、各種支援機関も普及啓発を兼ねて職務の中で動いてくれるので、これはできそう!と思っています。

■気になる国の動きなど

あと、最近の国の動きで追っておきたいな、と思っているのが例えば以下。

  • 中小企業の中堅企業化支援

私たちが暮らす地方は、小規模事業者や中小企業が圧倒的です。
中小企業の定義と言えば、以下でしたね。

【中小企業の定義】

  1. 製造業:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
  2. 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
  3. 小売業:資本金5千万円以下 または 従業員50人以下
  4. サービス業:資本金5千万円以下 または 従業員100人以下

でも例えば小売業などで、資本金も従業員もこの基準をちょっと上回る・・・的な企業さんが、地方でも出てきます。

例えば地方自治体が独自で支援制度をつくる際、この「中小企業基本法」上の「中小企業の定義」を参照して「補助対象者」を規定してしまうと、こうした、どちらかというと成長過程にもある企業さんが漏れてしまうことがあります。

そこで参考にしていたのが、例えば 事業再構築補助金 の対象事業者規定です。

その公募要領によれば、先の「中小企業」のほかにも、「中堅企業」という枠が設けられ、その要件として

  • 資本金が10億円未満
  • 従業員が2,000人以下

と定められています。

たんぽぽテレジア
ちょっ、待っ・・・十分、大企業やんかっ

・・・と言いたくなる気持ちを抑えて、実は今、国がこの「中堅企業」を法規定で明文化しようとしているのです。

今回の法規定は「従業員2,000人以下で中小企業を除く」となりますが、こうした中堅企業とは

  • 全国9,000者
  • 経営の高度化、商圏の拡大、事業の多角化といったビジネスの発展が見られる段階
  • 国内で事業・投資を拡大し、地域の賃上げにも貢献

と、その意義が語られており、今後、省庁横断的「支援パッケージ」でその成長が促進される予定です。

フランツ52世
該当する法は「産業競争力強化法」な。これも覚えといてや。

そしてもう1点気になるのが

  • 技能実習制度の発展的改革

です。

人手不足に悩む地方の中小企業では、技能実習生が期限付きとは言え労働力確保になってきた事実がある一方、技能実習制度の本来の目的は「技能移転による国際貢献」です。

これを「安価な労働力確保」にすり替えて活用してきた問題について、私自身が先月お聞きした外国人労働者の人権擁護に関わるNPOの講演によれば、本当にあまりにもひどい、人権搾取のような事例が一部であったことは事実で、現に日本の技能実習制度は国際的にも批判され、アメリカ国務省が公表する世界各国の人身売買に関する報告書でも、例年、強制労働や虐待の報告があると指摘されてきました。

今回の改革では、技能実習制度は廃止され、これに代わって「人材育成と人材確保」を目的に据えた「育成就労制度」が新設されます。

現在の技能実習制度との混乱を防ぐため、しばらくは経過措置が設けられますが、そこで働く人の人権への配慮というのは、採用難でもある現在、求職者から選ばれる大きな要素にもなりそうです。

■わたし自身のこれから

さてさて、私自身はというと「骨太の方針2023」や、中小企業庁が公表した「地域課題解決事業推進に向けた基本方針」に記載されている、

地域の社会課題解決の担い手となり、事業を通じて地域課題解決を図り、域内企業等と協業しながら、新たな価値創造や技術の活用等により、社会的インパクト(事業活動や投資によって生み出される社会的・環境的変化)を生み出しながら、収益を確保する企業を「ローカル・ゼブラ企業」と位置付けて・・・
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki_kigyou_kyousei/2024/20240301.htmlより引用)

に、とても興味があります。

そもそも私自身は、地域の非営利組織・市民活動を支援するための「認定ファンドレイザー」という資格を取得していたのですが、地域の非営利組織と地域の営利組織(中小企業)を結びつけて地域振興を考えたいと思う中で、言語が違う2つのセクターの間に立つ時に、両方の言葉・ツボが分かってこそ翻訳家になれる、という思いがありました。

そこで取得を目指した中小企業診断士・・・しかし50前の手習としては、なかなかの苦労でした。

たんぽぽテレジア
認定ファンドレイザー資格取得も時間もお金もかかるけど、中小企業診断士の方がそれ以上やったわ💦

それでも、中小企業診断士のネットワークや、また商工振興部署でお出会いする方はこれまでとは違ったセクターの方でもあり、地域の中小企業を振興していく目線、地域の事業者の成長過程や試行錯誤にも触れることができ、恵まれているなと感じます。

また、企業の方から見れば、市民活動・NPOというものが「(私が)たまたま目にした地域の課題や社会課題について、どうしても自分ができることをしたいと思った!しなきゃと思った!」という内側からムラムラくる(笑)市民的動機がなかなか理解できないこともあるかな・・・とも思うのですが、例えばそこを丁寧に伝えることで企業の方ができる後押しを一緒に考えるような、そんな橋渡し役となれるようにもなりたいと考えています。

この時にも、私自身が広告代理店で企画営業をしていた経験や、行政経験、また中小企業診断士の知見が必ず役に立つと信じています。

■最後に

みなさまには、1年間おつき合い いただきありがとうございました。
当初、13個も記事書けるかな??とビビる気持ちもありましたが、書き始めてみればなんとかなるもの。

たんぽぽテレジア

1回の記事書くのに、半日ぐらい費やした時もあんで。

書けることを精一杯書かせていただきました。
「中小企業診断士」という資格に魅力を感じられた皆さまが、それぞれの持ち場でご活躍されるのを願っています。

これから受験される方は、まだまだしんどい日々が続くかとは思いますが、「取りたいと思った動機が全て」。

頑張ってください!!

フランツ52世
止まない雨は、ないで by フランツ

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