実務従事体験記(その2)〜民間コンサル編〜

こんにちは。
いよいよ11回目の投稿になりました。地方公務員(♀)のたんぽぽです。

2次試験の合格発表があり、合格された方🎁、「また1年かっ😭」となった方、その気持ち両方わかります!

また1年かっ!!となった方は、あらためてご自身の学習方法の何が足りなかったのか・・・に思いを馳せる時期でもあると思います。
私自身、「まだまだ圧倒的にロジックが足りない」と感じ、ちょっとだけ有耶無耶に「AといえばB」と、まるで記号論のように覚えていた理論を学び直す1年となりました。

そして、合格された方は実務補習や実務従事が待っていますね。
私は、診断士協会の実務補習と、民間コンサルの実務従事の両方を受けてみて、その違いを味わいたいなーと当初から思っていました。

前回は、診断士協会の実務補習について書いたので、今回は民間コンサルの実務従事について書いていきます。

■日程調整は民間の方が楽

診断士協会の実務補習は地区により日程が決まっており、全5日間のうち(5日日程は、今年夏季で最後となります)2日程度は仕事を休まねばなりませんね。。。

たんぽぽ・テレジア
この時点で公務員は、議会対応、予算・決算審査がある3の倍数月は若干キツイのよさ・・・

その点、民間コンサルが提供する実務従事は、

  1. 日程やスケジュールはさまざま
  2. 土日だけ開催、平日の晩だけ開催、など仕事と調整しやすいものがある
  3. 協会実務補習のように戦略、人事、運営管理、財務、マーケ、IT等といった網羅的な分析でなく、比較的分野特化型
  4. 場合によっては、ZOOM参加OKというのもある
  5. 協会実務補習より、ちょっと安い

といったメリットがあります。

私は年末から年始にかけて、「平日晩(決まった曜日)×6週間」「全回ZOOM参加OK」というプログラムに申し込みました。

この時お世話になったコンサルさんが提供してくれる案件は、相手先企業さんの業界や、テーマ(組織とかマーケとか)も様々で、結構案件を選べる時期でもあったのですが、私はなぜかこういう時に変なチャレンジ精神を発揮し・・・💦

たんぽぽ・テレジア
せっかくやから、馴染みのある業界というより、これからどこの会社も必須っちゃー必須やから、ITとかいってみるかっ‼️

と、未知の業界(IT業界)に飛び込むことに決めました。

フランツ52世
で、1回目の顔合わせで、いきなり後悔すんねやろ💦

1回目は、コンサル会社さんが中心となるオリエンテーションが主でしたが、診断士協会の実務補習とは異なり、提案書を仕上げるための相手先企業さんの情報といえば・・・

ホームページと社長ヒアリング(第2回目時)のみ。

とのことで、ちょっと辟易💦

というのも、協会実務補習の場合、相手先企業さんへの訪問時(または訪問前)に財務諸表はもちろん、ヒアリング時に気になったことなどの資料を(もちろん、この診断業務にだけ利用するという守秘義務つきで)あれこれいただけることが多いからです。

加えて、同じチームのメンバーに、IT業界の方がいらっしゃり、いろいろ出てくる言葉に・・・

たんぽぽ・テレジア
・・・や、ちょ、待って。まず言葉がわからんしっ!!😭
(でもこのメンバーの方が、素人の質問にひとつひとつ親切に答えてくださり助かりました)

と、なる始末。

初回からいきなり、

いや普通、自分が得意な業界とか、仕事で関わりある業界とか選ぶのがフツーやろっ!!

と後悔しました。

■社長ヒアリング

さて、1回目のオリエンテーションで、ヤバいっ!!と感じた私、某・熱帯雨林書店から「サルでも分かるIT業界」的な本を早速取り寄せました(笑)
これはこれで、基本的な用語の意味や、業界構造が下請け・孫請けになっていることなどなど、最低限知っておきたいことぐらいはなんとなく掴めてきました。

そしてZOOMでの社長ヒアリング。

おそらくその会社さんも、業務が終わった後に社長さんだけが残って私たちに対応してくれているご様子。
ざっくり言うと私を含め3人のメンバー(+コンサル会社の指導員の方)での質問に、ざっと90分以上ご対応くださったと思います。

たんぽぽ・テレジア
や、でもこの「社長ヒアリング」からは、文書や資料にない情報が得られるのよね。
※診断士協会の実務補習も、ここはおんなじやで。

やっぱりこの、企業ヒアリングって情報の宝庫です。

社長さんもリアルタイムで投げかけられる質問に、1日の業務終了後でお疲れもある中、いろいろ答えていくわけですから、毎回同じ回答になるかどうかわからない・・・ことだってきっとあると思います。

でも、ここでちょっと言い淀んだな、あ、あそこ前のめりに乗っかってきたな・・・

という、「ふるまい」から溢れてくる情報が、やはりこうやって会話を交わさないことには見えてこないんです。

そして、情報って「ホームページ」と「社長ヒアリング」だけか・・・と感じていた当初から、その後チームメンバーで議論を進めていくにしたがって、社長ヒアリングの時に、骨組みになるキーワード、キーテーマは結構拾えたよね・・・と感じるようにもなりました。

けれども社長ヒアリングの時に、協会実務補習も入れるともう3回目でもある中で、あらためて感じたのは、

質問攻めみたいなのもあんまり良くない。もうここらへんで、というタイミングがある。

ということです。

私たち、実務補習・実務従事メンバーは、相手先企業さんの情報を可能な限り入手して、やるからには1つでも社長に響く提案書を仕上げたい、と思っています。
その中で、社長が「それはできてないですねー。本当はしなきゃいけないんですけど。」という言葉が出てくると、「あ、ここが1つの提案どころかな」と感じるわけですが、一方の社長さんは「できてないんです」「できてないんです」と繰り返すことになります。

それって、ものすごく疲れることだと思うんですよね。

これは最後の提案時も同じで、

提案は相手から力を奪うのではなく、1つでも何かヒントになれば・・・との真摯な、手渡しする気持ちで取り組みたいものです。

■メンバー同士の議論(on ZOOM)

さて、協会実務補習の生身・対面でのメンバー議論でなく、全回ZOOMでの議論となりました。

しかも私たち、定例日と定例日の間の週末にも、細目にZOOMで打ち合わせたので、結構熱心なチームだったのではないかと思います。

つかったツールは、

  1. ちょこまかした情報のやりとりは chatworks
  2. (自主的な集まり含め)議論はzoom
  3. 資料のやりとり・共有はdropbox

このあたりは、王道かと思います。

たんぽぽ・テレジア
ZOOM参加OKという便利さの裏っ側では、基本的なオンラインツールの使い方やマナーは心得ておく必要があるな。

また、最終統合する提案書について、(これは協会実務補習でも同じですが)普段は担当や役割を決めて自分のパートをこなし、最後はすりあわせて調整、統合することになります。

となると、早い段階から「方向性」「戦略の道筋整理」など、俯瞰的なアウトラインは描いておかないと、それぞれの作業がバラバラになって、最後の調整・統合コストが大きくなってしまいます。

ここの部分が、診断士協会の実務補習の場合、指導員の目配せや実務補習ならではのある程度定型化された進行フォーマットにより、SWOT分析やAs Is/To Beモデルや、ビジネスモデルキャンパスや・・・というふうに、いくつかのフレームワークの提示により、皆で早々から議論することを勧められるので、そこそこ初期にできるのですが、コンサル実務従事の場合、チームメンバーに委ねられる部分もあるなと感じました。

またこれは、協会実務補習、民間コンサル実務従事に共通する事項ですが、とにかくメンバー員各々にリーダーシップが求められます。

じゃ、それ私がやります。じゃあ、これは私が・・・という自発性なしには、進みません。
この点は、皆モチベーションが高く、3回携わった実務補習、実務従事に共通して、困ることはありませんでしたし、私自身も自ら役を担ったという意識はあります。

■最終プレゼン資料

さて、最終のプレゼン資料は、相手先企業の社長さんに、もちろん提供します。
ここが、協会実務補習の場合、全体で90ページ程度のワード文書で、相手先企業さんがpdfでいいとおっしゃればpdfですが、2回目の実務補習の時はラスト原稿を出力し、kinko’sで製本まで仕上げて、冊子として提出しました。

この製本バージョンの場合、原稿を仕上げるタイムリミットがそれだけ前倒しもされますが、一方で実務補習(実習)生にも、相手先企業さんにも、1つの目に見える成果物として残ることは、それはそれで意味のあることかという気がします。

一方、私が3回目に携わった民間コンサルバージョンではパワポデータでした。

私はこの、パワポで提出するというのは、時流的に今風なのですがちょっと懸念も感じています。

たんぽぽ・テレジア
パワポ資料って、例えば3ヶ月後に見た時に、「あれ、これ何が言いたんやったけ?」ということが出てくるしな。

パワポ資料は、プレゼンの補完資料的な性格もあり、AからBに至るロジックの整理や根拠づけが文章できっちり書かれておらず、プレゼン時にはしゃべっているかもしれませんが、資料上は「→」ひとつだったりすることがあります。

実際、協会実務補習(ワード文書)で提案書を仕上げている時に、メンバーの何人かから「仕事でこんなに文章を書くことがない」という意見が出ていました。

が、私自身は中小企業診断士という仕事は、文章が書けないと務まらないようにも感じています。

たんぽぽ・テレジア
だから、2次試験!

論理の整理の道筋を、客観的に明文化・記述できること。
それは、決してキーワードを並べ立てることではないと思うのです。
※この点は、協会が2次試験を作成する際に念頭においている、近年の大きな課題感なんじゃないか?とも感じています。

これは補助金申請業務においても然りではないでしょうか。

■民間コンサル実務従事とは

とにもかくにも、民間コンサル実務従事は、日程調整とオンライン参加に融通が聞けば、「地方の診断士候補生」にとってありがたいことは言うまでもありません。
幸い、私自身は協会の実務補習開催地区に通えないこともない距離なので恵まれていますが、そうでない候補生にとっては日程調整・宿泊旅費等の負担も大きいのが事実です。
また協会実務補習は、前半と後半の間の平日晩に、ガッと詰めた自習をしなければまとまらないので、全部で10日間ぐらいとタイトにおさまってはいるものの、その間は「瀕死」という辛さであったのも事実です。
それに比べて、民間実務従事のスケジュール間は、毎週決まった曜日であったため、次の実務従事まで週末が1回入ることで、無理なく資料をまとめることができました。
一方で、こういう事実もあります・・・
たんぽぽ・テレジア
協会「実務補習」は、診断士登録前の、このタイミングでしか受講でけへん。

私が受けた民間コンサル実務従事は、テーマが主に「組織」と決まっていました。
一方で協会実務補習は、基本的なSWOTや、その他のフレームワークで要素を整理しながら、組織・人事、マーケ、運営管理、財務会計、IT等々といった分野網羅的にその企業を分析し、全体で調整・統合を図っていくというプロセスを経験する点で、2次試験で培った知識を総合的に発揮する良い機会であることは間違いありません。

私自身、民間コンサルの実務従事は1回しか受けていないため、経験にバリエーションはありませんが

●協会実務補習も1回は受けてみることをお勧め
●民間コンサル実務従事もいろいろなパターンがあると想像する中で
→自分1人で仕上げるものでなく「チームメンバー」で仕上げるもの
→社長ヒアリング+社長への提案プレゼンがあるもの
を選び、他者の話を「聞く」プロセスが入っているプログラムを経験することをお勧め

いたします!

フランツ52世
ワンっ‼️

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