平成17年12月2日に診断協会のHPで自分の受験番号を発見したとき、半泣き状態でした。なぜなら、中小企業診断士という資格をとるまでに3年の歳月とそれなりのお金を費やしていたからです。その後、口述試験を無事にクリアして現在中小企業診断士 ( 補 ) という立場です。3年間の自分を振り返る想いもこめてこの合格体験記を書きたいと思います。
1.受験のきっかけ
平成14年1月に新卒から勤めていた小売業を退職しました。結婚も同時期でしたので周囲には結婚退職ということにしていましたが、実際は会社の業務が忙しくてイヤになったのが原因です。そのとき、会社を離れると何も強みがない自分に気づきました。そこで、誰にでも強みとして認識できる資格取得を思い立ちました。中小企業診断士を選んだ理由は、小売業での経験が多少なりとも活かせる国家資格であると考えたためです。
2.受験1年目 ( 平成15年度 )
某受験期間で1,2次ストレートコースを受講していました。しかし勉強の主体は2次試験を中心にしていました。平成13、14年度は1次試験の合格率が高く、2次試験のハードルが非常に高いという傾向だったからです。学生の時から国語は得意科目でしたので、2次試験模試は上位クラスにはいっていました。
しかし、1次対策をおろそかにしていたため、この年1次不合格という結果でした。同じ受験校の仲間はほとんど1次試験に合格していたため、非常に悔しい思いをしました。
3.受験2年目 ( 平成16年度 )
1次試験不合格とわかった直後、私は知っている限りの受験校を訪れ、1次試験対策が充実しているところを探しました。とにかく1次試験をパスしないと、2次試験どころでありません。しかし、平成15年から大きく傾向が変わった1次試験、9月下旬ごろでは明確な受験指導の方向性を打ち出す受験校は少なかったです。
一方で、AASの存在は受験校の勉強仲間から高い評判を聞いていました。しかし2次試験中心の指導でしたので受講をあきらざるを得ませんでした。
結局、9月下旬で1次試験対策を明快に説明した某大手受験校に通うことになりました。私の1次対策ですが、とにかくサブノートの充実を図りました。受験校のテキストやレジュメをカッターでばらし、自分の作成したノートをどんどん挿入していく。一通りすんだら、さらにまとめのノートを作る。全8科目で同様に行いましたので、消費した紙の量は膨大なものになりました。そして直前期はポイントをまとめたサブノートを作り、本試験会場へ持っていける量にしました。
結果、平成16年の1次試験は620点足きりなし という結果を残すことができました。
一方2次試験対策ですが、GW直前までと8月以降に学習を続けました。このときAASのGW合宿に参加しました。昨年1次試験に合格していないため、AASに本科生として通えない自分が情けなかったです。1次試験対策に通っていた受験校でも2次試験対策講義を行っておりましたので、2次試験対策もこの学校中心にして行いました。
この学校の特色は論理的思考能力を磨くやり方で、SWOT分析から戦略策定のプロセスは非常によいものでした。しかし、出題者の意図をはずした解答はたとえ与件に忠実であっても得点に結びつきませんでした。また大手ですので個人指導はほとんど行われていませんでした。この年の2次試験の結果ですが、出題者の意図を読みきろうとしてひとりよがりの解答を記述してしまい、不合格となりました。
4.最後の挑戦 受験3年目 ( 平成17年度 )
不合格とわかった直後、再現解答を見直しました。合格した人と不合格者の違い・・・それは与件に基づいた視点で書かれているかどうか、でした。そして採点者にわかりやすい文章表現力。これができなかったから不合格だったんだ、と感じました。同じころ、2年前に私が受験した模試の解答用紙が出てきました。生産事例でたしか上位2位か3位だったと記憶しています。当時1次試験に落ちていましたから、1次試験の知識がないことは明白です。しかし、与件にすがりつくように解答を作成していたのです。
「初心にもどる」これが私の2次試験合格への道だと思ったのです。そんな自分に最も適した受験校が AAS だと思ったのです。与件にもとづいたフレームワークと論理の構造化、そして講師と受験生の距離が近いことが決め手になりました。
AASでは、与件に忠実、MECEな解答、論理の構造化を心がけました。出題者の意思よりも与件と自分の解答があっているか、読みやすい文章であるかを中心に勉強しました。最後の2ヶ月間は過去問を繰り返し解いて、推敲を続けていました。そして自分が納得できる文章をかけるまで、講師陣に食いつくように質問していきました。
その結果、私の成績はトップではないものの2~3位をキープするようになりました。理由は「解答と内容は異なっているものの、バツにはできない解答」のためです。出題者の狙いからはやや外れているが、与件に立脚した解答ですから、採点者は部分点を与えざるを得ません。これは他の受験校の模試でも同じでした。直前模試では常に上位15%以内に入っていました。
そして2次本試験を迎えました。与件にかじりつく。これを念頭において望んだものの、本試験は本当に難しかったです。受験校の模試とちがい、明らかにヒントとなる与件が少ないためです。事例1では少ない与件情報を前に泣きそうになりました。それでも与件の引用で解答を作成しようと必死でした。
全4事例終了後、「今年もダメかな」と思いました。
そして、2次試験に合格して、今度実務補習を受ける自分がいます。AASの石原先生をはじめとする講師の方みなさまにお礼を申し上げたいと思います。論理の構造化で合格できたのですから。
本当にありがとうございました。