■受験歴
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1次試験 |
2 次試験 |
受験機関 |
平成 17 年度 |
○ |
× |
大手受験校 |
平成 18 年度 |
○ |
○ |
AAS |
■平成17年度の反省
「合格する力はあるのに。後1歩だよ。来年はきっと大丈夫だよ。」
1年間お世話になった大手受験校の先生からのお言葉であった。しかし、後1歩とは何なのかが私には分からず、悔しさとともに大きな不安感に襲われた。
一次知識は合格者に負けているとは思わなかった。模試や本試験でも常に良い成績を取っていた。二次対策も人一倍の事例数を解いたという自負があった。
なぜ自分は不合格になったのか、これを明らかにすることから 2 年目がスタートした。
不合格の理由を探る中でワークブック1・2(同友館)に出会った。戦略フレームワークや文章構成の考え方がとても興味深く、 AAS に関心を持つきっかけとなった。平成17年度の解答解説会、合格者を招いての合格答案分析会、に参加して衝撃を受けた。自分の再現答案には、①設問を構造化して考える、②問われた通りの主語・述語で解答する、③ MECE な視点で解答するといった対応力が欠けていたことに気づいたのである。
■平成18年度の合格に向けた決意 ~設問分解練習に賭ける~
AAS 本科に申し込む際に、自分に次の通り約束した。「自分は診断士になるための手段として AAS を選んだ。選んだ以上は AAS と心中する。」
平成17年度の AAS は名古屋校が驚異的な合格率(66 . 7%)を誇っていた。石原先生はこの合格率を生み出した理由として設問分解練習をあげ、「①設問分解練習の FAX が多い順番に合格する。②設問分解は質より量が大切である。量が質を生むので、質が高まるまで量をこなさなくてはならない。」と仰った。「二次は質が大切と言うが、受験生が質を語ることなどできるだろうか!」と考えていた私は、その言葉に深く共感した。設問分解練習を誰よりも多く FAX し、必ずや合格を手にすると自分に誓った。
■平成18年度の勉強方法
私は次のような勉強をした。具体的には、①設問分解練習( B パタン)、②知識カードの作成と暗記(過去問題、白書、経営をしっかり理解する、などをもとに解答の切り口とキーワードを二次で使えるよう整理したもの)、③一次知識の整理(一次知識をフレームワークの体系に整理する)、④毎日のチャレンジ春秋への挑戦、である。その中でも特に①の過去問題の設問分解を重視し、 AAS の解答や自分のベスト答案を繰り返して設問分解した。
設問分解練習を通じて、①出題者のメッセージに耳を傾け、②設問間の関連性を見出し、③出題者の思いを解答に表現する(代弁する)ことの重要性を学んだ。
■試験当日の苦悩
本試験まで十分な努力をしてきたという自負はあったが、それが逆に試験当日のプレッシャーを生んだ。不合格になればこの 1 年間の努力が無駄になることが恐怖であった。「練習は本番の様に、本番は練習の様に。」と常に自分に言い聞かせて訓練してきたが本番のプレッシャーは想像以上であった。事例1は全体のストーリーが描けず冷や汗が流れ、頭の中が沸騰しそうだった。しかし、周りの様子を見たら誰もが苦しそうであった。「昨年の悔しさは繰り返さない!自分には設問分解がある。これまで通りに解けば良いんだ。」と言いきかせ、最後まで諦めなかった。幸い事例2以降は落ち着きを取り戻し、順調に解答することができた。それでも試験終了後は、事例1での足きりを覚悟し、失意のどん底であった。
■合格に必要な力とは何か
合格に必要な力は何か、口述試験に挑むなかで私の思いは確信に変わった。具体的には、第一に素直さである。コーチングでいう傾聴能力である。与件文や設問分から出題者のメッセージを全力で汲み取り、制約条件を明確にして、問われたことに問われた通り解答することである。第二に論理性である。読みやすく(結論+理由/方法)、 MECE な視点で解答しなければ、相手は納得しないのである。第三に執念である。最後まであきらめない人が合格を手にするのである。
■最後に
「合格おめでとうございます!一番 FAX 量が多かったですものね。」石原先生からメールを頂いた。 FAX 量が一番多かったと仰って頂いたことが本当に嬉しかった。頭で理解することと、知識が身に染み付くことは別である。そして身に染み付いた力が本試験で発揮できる力である。繰り返し過去問題を設問分解したことが合格に結びついたのではないだろうか。
合格・不合格は紙一重である。しかし、資格試験は勝てば官軍、負ければ賊軍である。
皆様が来年無事合格されることを心よりお祈り致します。