2013年12月、苦節8回目の2次試験で合格することができました。実は、6回目の不合格から心が折れ診断士受験から一時離れていましたが、妻等の叱咤激励により再起して7回目を受けました。
しかし、結果はABAAのB判定で不合格でした。次の8回目の受験で必ず受かるため、これまでの独学スタイルでの2次対策では限界があると考え、AASにお世話になることに決めました。
昨年の不合格から私が取り組んだ内容をお伝えしますので、多年度受験生の方にとって、少しでも参考にして頂ければ幸いです。
1.2012年12月の2次試験発表後の取り組み
・2次試験の結果発表(不合格)を受けて、直ぐに翌日(土曜日)の第一回目のAAS講座説明会に申し込みました。そして、AAS講座説明会で早坂先生の説明を傾聴し、読む・考える・書くというシンプルなAAS流儀に納得し、AAS本科性としてお世話になることに決めました。
・今回の2次試験の判定結果(ABAA)を受けて、もう一歩何が足りなかったのか、どうすればよかったのか、7回目受験の総括を行いました。結果は、コーズリレーテッド・マーケティングが出来なかったからではなく、その他の要因で点数の積み上げができていないことでした。
2.2013年1月からAASでの取り組み(守)
・AASでは、“合格は繰り返す行動の総計である”という理念で、2次試験までの目標学習時間:800時間以上、目標事例解き:108事例以上、そしてその学習進捗を毎週先生に報告すること等を、実践するよう指導を受けました。結果としては、学習時間は830時間、事例数は215事例にのぼり、毎週欠かさず学習進捗報告を行うことが出来ました。そして、毎週集計結果をランキングにして発表されていたことは、モチベーション維持に大変寄与したことは言うまでもありません。
・AASの講義、Web学習ツールの提供により、勉強ツールは山ほどあり、とても1年で全てを使いこなすことは出来ませんでしたが、①事例ごとのAASフレームワークの知識習得、②戦略ワークフローシート・与件構造化・設問分解A・設問分解Bについては重点的に実施しました。そして、最終的に事例進捗ツールを自分で作成して過去問のH16~H24とAAS新作事例の①~③を利用して全て検証しました。
・AASの講義は、隔週で他受験機関に比べて少ないのですが、自宅学習支援が充実しており、①早起きメール報告を行う“三徳会”、図書館での有志勉強会、サイボウズを利用した“知恵の輪”は、モチベーションアップに大変役立ちました。
・読む工程の基礎力をアップするため、国語の読解は「答え探しの技」で勝つ:早瀬律子署を読み、中学入試用の国語の「読みテク」トレーニングを、愚直に取組みました。ここで、重要なことが文章のどこに書いてあるのかを理解すると共に、文章の要約トレーニングにも役立ちました。
・また、他の基礎力アップでは、機能別戦略の定番問題について解答のパターンを身につける“きのこプロジェクト”に参加して、昨年B評価であった事例2に取り組みました。この過去問への取り組みにより、最近の事例で顕著に出題されている“マーケティング3.0”の概念を理解することができました。特に“企業が社会的責任を本業に結び付けながら、顧客や社会から支持を得て自社の成長を図る”ことの重要性が理解でき、顧客だけでなく社会にも目を向けることが事例企業にも求められていることが、腹落ちしました。
3.自分の弱みを把握し、本番対応に備えたこと(破)
・設問の題意、制約条件から離れる傾向(弱み)を克服するため、過去問のH13~H24の事例1~3の設問のみを抽出し、各事例1ページにまとめたものを作成し、本番同様に制約条件、題意、戦略レイヤー、事例の方向性、解答文字総数、切り口等を記入し、繰り返し熟読したこと。
・事例4の計算問題で間違えてしまう傾向(弱み)を克服するため、事例4の過去問の計算問題、イケカコ計算トレーニング(H24、H25)、新作アウトプットの計算問題を、毎日繰り返し計算することで、計算手順を確立したこと。
・設問への切り口の多面性・妥当性・実現性が乏しい傾向(弱み)を克服するため、設問分解Bでは、AASフレームワークにて記述するが、他の論点で解答は組み立てられないか?他の受験校の模範解答等を参考に検証(特に助言問題)することや、設問のつながり意識した解答を考慮したこと。
・各事例の解答手順・思考プロセス・解答記述等がブレる傾向(弱み)を克服するため、事例ごとに自分流の解答攻略法(準備、設問チェック、与件分チェック、与件読解、解答設計、解答記述等で留意事項をまとめる)を作成し、適時見直して完成度を高めたこと。
4.本番の試験傾向変化等への対応を決めていたこと(離)
・事例1~3の本番での現場対応として、①解答できない時の発想法をまとめておくこと、②解答は与件・設問から必ず導けるので安易に逃げないこと等を、心掛けました。
・事例4の本番でどんな変化球がきても守るべきこととして、①簡単な計算は検算を数回行うこと、②題意・制約条件・四捨五入・単位はマーキングして絶対はずさないこと、③配点が高い記述問題で勝負すること、④解答できる問題から取り組むことを、心掛けました。
・どうしても解答の方向性が出ない時の対応として、①中小企業白書の事例企業をH25、H24の2年分熟読し、事例企業の“成功の戦略や解決の方向性”を参考にすること、②一般的な中小企業が目指すべき方向性・目的として、“企業の継続的な成長・発展を図ること”に繋がる解答にすることを、心掛けました。
結論としては、今までの積み上げてきたテクニック等を捨てて、AASの教えを守り、自分の弱点補強を行い、そして本番への対応を行ったこと、つまり、自分なりの“守・破・離”を計画・実践し、本番で“ミスの少ない解答”が出来たからではないかと思います。
私は、2次の診断士試験で遠回りして結局7回も転びましたが、8回目で無事に起きあがることができました。何度転んでも“夢はあきらめなければ、いつか叶います”。ぜひ、多年度受験生の方は、数度転んだ程度であきらめることなく、失敗を糧にしてミスを繰り返さないための努力をして診断士試験を突破してください。
最後になりますが、AAS東京本科生に対してご指導くださった先生方、共に学び議論を交わした本科生の方々、そして診断士の受験を多年にわたり支援してくれた家族(特に妻)に対して、心から感謝致します。
本当にありがとうございました。