心技体が揃って得られる合格

合格年度 合格者氏名 再現答案  
26年度 河野 小夜子 pdf_ico_32

1 初めに
私は地方(鳥取)在住で、自治体に勤務し、現在は産業振興関係の部署で業務に従事しています。2014年にAASの通信講座を受講し、合格することができました。
優良受講生とはとても言えませんが、せっかくの機会ですのでこれまでの道のりを振り返ってみます。

 

2 受験のきっかけ
以前に産業振興関係の業務に従事した際、簿記2級を生かした勉強・資格が取れないかと考えていたこと、仕事でお世話になった中小企業診断士(以下「診断士」)の方に、「診断士は面白い仕事。貴方には向いているんじゃないか。」と勧められたことが、名前だけは聞いたことがあった診断士試験に挑戦しようと考えたきっかけです。

 

3 受験歴

受験結果 備考

2008年
(H20年)

【1次試験】
 7科目受験→経営合格
どんな試験か知りたくて特段の勉強をせずに受験。各科目30~60点台で、本気で勉強すれば合格できるとは感じた。

2009年
(H21年)

【1次試験】
 6科目(経営以外)受験
 →経済合格

診断士試験対策に本気になれずに時が過ぎる

2012年
(H24年)

【1次試験】
 7科目受験
 →5科目合格(420点)
 法務×(36点で1問に泣く)、
 情報×(52点)

2011年夏からT予備校通学
1次試験後、ビジネス実務法務検定試験2・3級の勉強をし、12月に合格。

2013年
(H25年)

【1次試験】
 3科目(財務、法務、情報)受験
 →合格(224点)
【2次試験】BABD→総合B

独学。2次試験対策をしていればと後悔しながらも、事例1~3は予想より高評価。

2014年
(H26年)

【1次試験】7科目受験
 →合格(449点)
【2次試験】合格

2013年12月からAAS通信講座を受講。併せて中小企業白書WEB特訓講座受講、GW・直前合宿に参加。

2008・2009年に試しに1次試験を受けに行ったものの、部署が変わったことや個人的なことで忙しくなったため、診断士試験対策に本気になることはありませんでした。
2011年に期間限定で大阪での勤務が決まり、当時の業務とは関わりがないものの予備校に通って勉強できる環境に身を置けたので、2012年の診断士合格を目指して予備校に通うことにしました。学習は楽しかったのですが、2次試験(筆記)当日に出勤日が重なることが1次試験直前に判明。気持ちを切り替えて1次試験合格を目指したものの、精神面に影響したのか、苦手だった法務で1問差で足切りという残念かつ悔しい結果に終わりました(注:理系学部・学際系学科の出身で、1次試験の科目で学部・学科で専門に学んだものは1つもなし)。9月末まで予備校の2次対策に通う時間は辛い時間でした。
2013年は地元に帰り環境が変わったこともあって、独学で1次試験合格に集中し合格しました。初めて2次試験(筆記)に臨めましたが、事例1(サプリメント)で「一体何を書けばいいんだろう」、事例4(植物工場)で「解ける問題がない」と試験中に絶望感を持ってしまい、当然のことながら不合格でした。

 

4 AASにお世話になったきっかけ
自分には独学では太刀打ちできない試験だと感じ、2014年は2次試験対策を重視している予備校の通信講座を受講しようと決め、パンフレットを取り寄せて比較していました。
AASは、名古屋の鷺山先生のブログを診断士の学習を始めてから読んでいたため、名前と2次試験専門の予備校であることは知っていました。たまたま、別用と併せて大阪でのAAS説明会に出かけたところ、石原先生と受講希望生が2名と少人数で驚きました。2012年の事例・設問に対する考え方や出題の趣旨に触れるところに目から鱗でしたし、模範解答を見てこの回答なら自分でも書けると感じました。通学講座が2週間に1度と伺って、それなら通えるとも思いましたが、往復の時間(5~6時間)を勉強に充てた方がよい、途中から通学に変えることも可能との言葉を先生からいただき、翌週には通信講座に申し込み、2次試験対策を本格的に開始しました。
1月に参加した合格答案分析会では周りの人たちがすごくできそうに見えて不安でしたが、合格者の話を伺って、1年後に合格できるよう頑張ろうという気持ちになりました。

 

5 AAS通信講座での学習
毎週配信される講座のカリキュラムをこなすだけで手一杯でした。過去問を2回添削してもらえるコースを受講していましたが、2回提出できた事例はわずかでした。国語で読む、1次試験知識を生かす、という当たり前のことをこれまできっちり教わったことはなかったですが、それらができなければ2次試験には受かるはずがないと感じました。
蛍光ペン3色+ペン1色を使い40分で考えて40分で書くというスタイルが夏頃にようやく固まりましたが、前年と違って解答の下書きをしないため、メモを多少残していても再現答案が作成できなくなりました。「再現答案を作れないと合格しない」とよく言われるので不安でしたが、方法を変える時間はありませんでしたし、前年より集中して設問を考え解答できていることの表れだと前向きに捉え、今年はこのスタイルで進みダメだったら考え直そうと決めました。
過去問や新作問題の点数はなかなか伸びず、GW合宿でも中位。夏頃に少しコツを掴めてきたかなと感じたものの、他の受講生も点数が伸びており上位には入れませんでした。
9~10月は業務が多忙で勉強時間が取れず苦しかったですが、9月の中小企業白書WEB特訓講座の最後のミニ事例(事例2)で初めてA評価をいただけ、少し自信が持てました。直前の勉強不足で10月の直前合宿も不安を抱えて参加したところ、事例2・3で1位を取ることができました。これで事例2・3にさらに自信を持てましたが、一方で事例1はブービー、事例4は中位より下と波が激しく、事例1・4で失敗しないことが最優先事項となりましたし、今年受からなければいつ受かるんだという気持ちを強くしました
GW・直前合宿は、日頃一人で勉強していた私にはとても刺激になりました。たまたま2年前の1次試験会場で話をした方が参加されていたことから、他の同期生・先輩方ともお話できるようになって、とても楽しかったし有意義なものでした。

2次試験の学習方法としては、通信講座で解いた問題の解説を聴いて復習すること、事例4は「意思決定会計講義ノート」の重要問題をピックアップした通信講座の問題集を何度も解くこと、TACの財務・会計の問題集を解くこと、白書特訓講座のテキストを読んでミニ事例を解くことくらいでした。できたかどうかはさておき、与件から外れないこと、自分で感じた与件・設問のテーマから外れない(一貫性を持たせる)ことを心掛けていました。受験生の中では内容・勉強時間は少ない方ではなかったかと思いますが、それなりに「継続は力なり」となったようです。
過去問を覚えるまで何度も解いたり写経したかったりしたのですが、そこまで手が回りませんでした。事例4だけは過去問をもっと繰り返しておけば良かったです。

 

6 試験本番と結果
2014年当初は2次試験のみの受験を考えていたのですが、GW合宿で先輩方から1次試験は受験しておいた方がいいとのアドバイスを受け、1次試験を受験することにしました。直前1か月間を1次対策に充て、財務・会計を除く6科目の過去問を復習して臨んだところ、合格しました。2012年より合計点が上で複雑ではありましたが安心感を得ましたし、1次知識を復習できたことで夏以降の2次対策にもつながりました。試験会場が大阪市内だったので行きやすかったのですが、台風が上陸し2日目の帰りには直行のバス・JR特急が全て運休。遠回りの帰宅に疲れてしまい、もうこんな目に遭いたくないと思いました。
1次試験には合格したものの、得意だと思っていた財務・会計が凡ミス連発で44点と散々な結果となり、その後悪影響を及ぼしたのか、事例4は最後までうまく行きませんでした。簿記2級を持っていたものの、上述した2次過去問の復習不足とファイナンスへの苦手意識が最後まで払しょくできなかったことによるものと分析しており、それまで苦手意識はあまりなかった財務・会計への自信を今後取り戻したいです。

2次試験(筆記・口述とも)の受験会場は例年通り大阪商業大学だと予想し、かなり早い時期から大学近くのホテルを押さえていたのですが、筆記試験会場が大阪アカデミアと知って慌てて大阪市内で宿泊先を探し始めました。しかし、試験日が大阪マラソン当日に重なり、空きのあるホテルが見つかりません。困っていると、家族が大阪アカデミアの宿泊施設が空いているのを見つけてくれ、すぐに予約。試験会場(正確には棟が違いますが)に泊まるというとても貴重な経験をしました。
前日に移動し、大浴場でくつろいだ後、部屋でテキストや過去問を読み直しました。当日、会場には一緒に勉強した仲間の姿もあり安心しましたが、試験が終わるまで話はしないと決めていたので、挨拶のみを交わしました。会場入りしてからは、窓の外の青空を見ながら、「今日は受かるのにもってこいの日だ。絶対合格して帰る。」と各事例の前に自分に言い聞かせました。
事例1は直前合宿で失敗したことと、最初の事例ということもあって特に注意しました。前年よりは答えやすい気がしたのと、下書きしてから解答できたので大きな失敗はしなかったと感じました。ただ、与件を読む際に、いつもしていた接続詞の丸囲みができておらず、平常通りのことができない本番は恐いと感じました。事例2は得意と思っていたのですが、第1問のPPMの問題で用語が思い出せず、動揺しました。結果的にはギリギリに直した用語が正解だったようで、他の問題も割とできていたかもしれませんが、当日は自信が打ち砕かれ、昼休みに精神面を立て直すのに苦労しました。事例3は設問間で切り口が被ってしまい、文字数が多い設問もあったので解答するのが手一杯でした。事例4は普段できる問題さえ過程を間違う、できていた問題でさえ空欄にしてしまうと致命的なミスが続き、終了の合図と同時に、今年も事例4で落ちた、大阪アカデミアの思い出は大浴場だけになるんだと思いました。試験後にAASの先輩方・同期生で打ち上げがありましたが、試験の話は一切避けていました。

筆記試験終了後は、再現答案を作ったもののやはり全てを再現することはできませんでした。不合格だと思っていたので、AASも含めて模範解答を一切見ず、11月末に受験した別の資格の勉強に集中していました。
筆記試験直後は、不合格となっても結果を受け止めてまた頑張れると思っていたのですが、合格発表日の前日になると緊張して落ち着かず、結果を受け止められる自信がなくなり、なかなか眠れませんでした。試験への思い入れが強かったんだとやっと気づきました。
合格発表当日、気持ちを切り替えるためにホームページを確認したところ、自分の番号があって本当に驚きました。ホームページ確認直後に慌てて石原先生に連絡し、バタバタと口述試験対策を始めました。発表から2日後に口述試験の受験票が届いて、やっと夢じゃなかったんだと思いました。

口述試験前日のAAS模擬面接は3回ともうまく行かず、ホテルに帰ってから日が変わるまで復習しました。受験番号が小さかったため、午前10時半には面接が終了しました。穏やかな面接官でした。事例2と事例3から2問ずつ聞かれたので、筆記試験の出来は関係ないと感じました。事例3の2問目(C社が社長と専務だけで営業活動を行い、うまくいった理由)だけは何度も尋ねられ、その都度思いつくことを述べたものの良い答えが返せないまま、10分弱の面接はあっけなく終わっていました。
合格発表日前夜に高熱を発し、当日は欠勤しため、意図せず自宅での合格発表確認となりましたが、番号を確認して安心して寝てしまいました。
試験会場に泊まったり、合格発表日にダウンしたりと、思い出深い試験となりました。

 

7 終わりに
それまで家族や親しい友人以外には診断士受験のことを話していなかったのですが、2014年は職場で上司に知られたこと、現在の部署の業務内容と診断士試験内容に親和性が高いこともあり、受かるなら今年しかないと感じ、いい意味でプレッシャーになりました。
筆記試験当日、「心技体」とはよく言ったものだとしみじみ思いました。1次試験合格者が受ける2次試験なので、「技」には大きな差はないはず。万全の体調で学習し本番に臨むこと(体)、基本的な知識や型を習得すること(技)の2つがあっても、差がつくポイント、そして最も重要なポイントは合格するという気持ち・信念(心)だと痛感しました。
技が100%完全とは言えなかった私が合格できたのは、少なくとも事例4の終了まで、絶対に合格すると自分に言い聞かせ続けたのが大きかったと思っています。

試験には合格しましたが、15日間の実習・登録を経て初めて中小企業診断士を名乗れますし、業務独占資格ではありませんし、何より5年ごとに更新が必要ですし、診断士合格・登録はゴールではなくスタートラインに立ったに過ぎないことを改めて感じています。登録までに、職場や個人的な活動でこの資格をどう生かしていくかをじっくり考え、これからも研鑽を積んでいきたいと考えていますし、これから受験される方をお手伝いできればと考えています。

その気になればもっと早く合格できたかもしれませんが、AASでとても熱意とパワーあふれる先生方・先輩方・同期生との出会いがありましたし、診断士試験に挑戦・合格する決意が固まる機が熟したという意味では、合格までに掛かった時間は私にとっては必要な時間だったのかなと今は思っています。直前合宿後を一緒に受けた皆さんは本当に温かくいい人たちばかりで、このメンバー全員で一緒に合格したいと心から感じました。
合宿や通信講座でお世話になったAASの先生方・先輩方・同期生、なかなか結果の出ない私を見守ってくれた家族に感謝するとともに、これから受験される皆さん、特に女性・地方在住の皆さんが合格を手にされることを切に願っています。
本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

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