H13_前本敏文さん

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1年目の1次試験

 「マネージメントの勉強」くらいの軽い気持ちで、TBCで中小企業診断士(商業)の勉強を始めたのですが、それが合格までの苦しみの始まりでした。もともと製造業の開発部門のエンジニアである私には、テキストに書いてある用語はわからず、テキストがまともに読めない有り様でした。自分なりに頑張って学習は続けたものの、どこまで理解しているものやら最後までわからず、もやもやとしたまま受験することになった1回目の1次試験(平成12年)は、案の定、不合格となってしまいました。おまけに、今から考えると、学習のペースも確立しておらず、学習時間も十分確保することが出来ていなかったように思います。

 

2年目の1次試験

 というわけで、1次試験に不合格となったわけですが、不思議と悔しい気持ちはありませんでした。すぐに気持ちを切り替え、来年の試験には「絶対合格を」と誓い、考えた結果、以下の弱点を克服しなければ合格は出来ないと判断したのでした。

  1. 「不得意科目、分野がある」
    科目間、あるいは同じ科目でも範囲が異なった場合、点数の落差が大きく安定感がない。
    →理解できていない科目、分野について時間をかけて学習していない。
  2. 「問題の切り口の変更への対応に弱い」
    何とかしたいとの思いで一生懸命学習するのは良いが、暗記に終始し、体系的な理解に欠けていた。
    →断片的な知識の収集になっていた。

これらの、弱点克服のために、

(1)アウトプットで結果が出ない科目は、時間をかけて丁寧に復習、理解する。全科目で6割を確保し、安定感のある内容とする。

(2) 断片的な知識の暗記とならないよう、テキストの読み込み→ベーシック問題集を解くことの反復。を、学習の取り組み方針/目標にしました。

 実際に学習を進めるにあたっては、試験制度(科目の変更、解答方式も記述式から択一式に)が変更されたため、勉強時間の確保、出題傾向が不明であることによる不安など大変な面もありました。 しかし、2年目ということで、学習のペースも確立でき、上述した方針を守りながら、学習を続けることが出来ました。前年度のTBCのアウトプット講座は、ただこなすだけで精一杯でしたが、今回は、結果が出なかったところについては、学習のやり方も変更してみるなどの手も打ち、次のアウトプットには自分の課題を明確にして臨むことを心がけました。
 これが成功してか、TBCのアウトプットでは、比較的安定した結果を得ることができ、このことが自信となり、違い精神的に余裕をもって一次試験を受けることが出来たと思います。

 

1次試験結果

 1次試験受験後、すぐにTBCの解答速報で、自己採点しました。目標としていた全科目6割以上の正答率はほぼ達成できました。 試験結果も合格となりました。合否はもちろんですが、当初の目標が達成されたことで、自分としては、ほぼ満足の行く試験となったと思います。

 

2次筆記試験

 自己採点の結果がまずまずだったので、早速、TBCの2次短期コースに申し込み、2次試験の学習を開始しました。ところが、これが大変でした。2次試験に向けた学習を始めたものの、1次の知識、施策、白書の内容が頭の中で整理されず、もやもやとした不安感と混乱した気持ちが晴れることはありませんでした。 しかし、2次筆記試験まで、時間がないこともあり、とりあえずそのまま学習を進めることにしたものの、やはり、不安は的中し、TBCのアウトプット、模試では結果が出ず、成績は超低空飛行。 これでは合格できないとあせりましたが、返却されたアウトプット、模試の解答を自分なりに分析(点数が悪かったのでずいぶん気が重かったのですが)してみました。 気づいたことは、断片的な知識の寄せ集めの答案となっており、解答に一貫性がないことでした。
 ところが、一貫性のある解答にしなければいけないことには気づいたものの、解決策はわからず思い悩む日は続きましたが、TBCの白書事例のワークや藤岡先生の白書分析の講義を受けるうちに、白書の内容をマスターすれば、どのような切り口で問題を出されても、なんとかなるのではと確信するに至ったのです。 手を広げて学習することはやめ、白書の学習に絞り込むことを決意しました。この時点で試験まで、残り3週間となっていました。この時点から取り組んだことは、

  1. 「中小企業白書」
    白書精読→暗記を繰り返し、中小企業像の理解と中小企業が取るべき戦略、戦術が白書の内容をもとに導き出せるように白書の内容を徹底的に頭の中に叩き込む。論理的な解答となるよう、白書の論理構成を把握。白書のキーワード等は1次のテキスト、TBC補講資料の該当部分を確認。
  2. 「財務」
    財務分析の基本問題は必ず解けるようにするため、手を広げず、直前対策の問題を繰り返し解く。
  3. 「施策」
    財務と同じく、直前対策の資料を繰り返し解く。

であり、範囲を絞りこみ、集中して取り組むことを心がけました。

 

2次筆記試験合格と口述試験

 そうして、2次筆記試験を迎えたわけですが、解答用紙に記入する際には、白書の内容にもとづいているかという視点を必ず持つこと、代替案を3つくらい考え、自問自答を繰り返して、より納得できる案を選択して記入することを心がけるようにしました。心配していた施策については出題されず、ラッキーでした。しかし、試験後、TBC等の各予備校からでる模範解答やTBCの仲間の話を聞くと、自分の解答は半分以上異なっており、かつ、財務についても、CFの問題がNGであり、合格はあきらめていました。次回合格を目指して、財務の問題集の復習をしている状況でした。ところが、結果は意外にも合格。そのため、口述試験案内(2次筆記試験合格)の通知を受け取った時には、うれしかった反面、かなり慌てました。口述試験は、AASの口述試験対策講座に救いをもとめ、何とか乗り切ることができました。(もっとも口述試験については、ほぼ全員合格のようでしたが)2次筆記試験後は、合格した時に慌てないよう、自分の解答の復元と、問題事例の分析を出来るだけ早く行うことをお勧めします。

 

合格要因について

 なぜ2次試験に合格できたのかは、はっきりとはわかりませんが、自分の立てた学習戦略の成功が合格への要因であったとすると、合格要因は、

  1. 2次試験と1次試験の学習は異なるスタンスで臨んだこと(2次試験は1次試験のような知識の量を問う問題ではなく、意思決定の問題であるため)
  2. TBCの講座も含め、短期間ではあったが白書に集中し、徹底的に分析、特に中小企業の戦略について自分なりに納得した論理展開ができるようになったこと
  3. 白書の言い回し、語彙、キーワードを使えるようになることにより、わかり易い文章がかけるようになったこと

です。この考え方が、今後、試験を受けられる方の参考になれば幸いです。

 最後に、AAS(旧TBC)広島 川上所長はじめ講師陣の方々、TBCの講座で一緒に学習した方々には学習途上の色々な局面において、気付きや、有益な助言を与えて下さり、とても感謝しています。
 ありがとうございました。

 

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