H19_水野浩里さん

■ はじめに ~努力は必ず報われる~

合格発表当日の午前中、私は出張先でミーティングをしていました。その最中に携帯電話が着信。発信者は仕事をご一緒している独立診断士 S さんでした。電話には出られませんでしたが、「もしかして …? 」と思いました。

ミーティング後改めて S さんに電話をし、自分の受験番号があることを確認しました。喜びよりも、「一生懸命 努力 したことが報われて良かった 。ホッとした。 」という気持ちの方が大きかったです。

私は、平成 18 年度の二次試験に “ 惜しくも ” 不合格だったわけではありません。評価は「 BBCB  総合 B 」で、合格にはまだ距離があったと思います。しかし、 自身の① 「絶対に平成 19 年度に合格する」という強い気持ち、 ② 弱点と向き合う素直な気持ち、 ③ 成長を信じて繰り返した日々の努力、 と AAS 講師陣の④ワントゥワンの指導、⑤すぐ実行できる等身大のアドバイス、 により距離を縮め、何とか合格することができました。

診断士試験は、確かに得体の知れない試験ですが、きちんと努力を続けてさえいれば、素質や才能に関係なく、必ず合格できると思います。この体験記からそれを感じ、少しでも「合格するぞ!」という気持ちを強めていただければ幸いです。

■ 受験歴 

私の受験歴は、以下のとおりです。

  1次 2次  
18 年度 × BBCB  総合 B  
19 年度  

平成 17 年 4 月より、大手受験校で毎週 3 時間の講義を受けながら、一次試験合格に向けて学習していました。講師の先生や受験仲間に恵まれ、平成 18 年度の一次試験に合格できました。二次試験については、一次試験と並行して講義を受けながら学習していましたが、力及ばず不合格でした。

私が AAS に通学することを決めた理由は、鷺山先生の「国語力の強化が診断士試験の合格につながる」という言葉が胸に響いたからです。ちょうどそのころ受験仲間と「国語ができないと二次試験はキツイね」と話していたところでしたので、鷺山先生の言葉を聞いてすぐ決心しました。

■ 「企業をゴールに導く」こと

私が合格できた要因の一つは、どの事例においても「企業をゴールに導くことを意識した」ことだと思います。 ① ゴールを意識しながら与件文を読み、 ② ゴールに導く手段となる答案を書く、ことが一貫性や妥当性につながったのではないでしょうか。

 この「ゴール」はいわゆる「事例のテーマ」と同じだと思います。ただ私は 、「 テーマ(=事例全体を包括するイメージ)」よりも「ゴール(=事例の方向性を示すイメージ)」とした方が考えやすかったため、あえて「ゴール」という言葉を使っていました。

 現状とゴールを設定すれば、 ① 現状 →② 設問に答える →③ ゴール、という「事例のストーリー」が 作れます 。 9 ~ 10 月には、事例に取り組む際には必ずこの事例のストーリーを作成していました。

私は、先生方から「抽象的」 、 「内容が薄い」 、 「ペーパー上で考えている」といった指摘を受け続け、どうしたら克服できるだろうと 、 とても悩んでいました。しかし、その悩みは、事例ストーリー作成の繰り返しで解消し 、 「具体的」 、 「内容が濃い」 、 「生の企業として考えている」に近づくことができました。試験当日も、普段どおり事例のストーリーを作成し、頭の中に置きながら答案を作成しました。

 

■ 受験終期の学習方法

 ここでは、受験終期( 9 ~ 10 月)に取り組んだ学習方法について記載します。

( 1 )設問分解パターン 1 改(自称)のトレーニング

本番を想定し、 時間を計って 過去問を解きまくりました。このトレーニングを勝手に「設問分解パターン 1 改」と呼び、繰り返し取り組みました。

平成 18 年度の受験で は、与件文や設問文の読み方、読む回数、マークの仕方など全てにおいて行き当たりばったりでした。 何としてもこれを 改善 したいと思い 、講義で教わった「鷺山流」をベースに自分なりのアレンジを加えて、 以下 の手順を構築しました。

【設問分解パターン 1 改の手順】

手順

概要

合計 時間

与件文のはじめと終わりを読む

業種とニーズをつかむ

 

設問文をざっと読む

事例のゴールをつかむ(春秋の要領で)

 

設問分解パターン 1

制約条件から切り口が出せないか意識

 

ストーリー作成

現状と ゴール は必ず記述する( 4 ~ 5 行程度)

10 ~ 15 分

与件文読み 1 回目

SWOT 、メモ書き等、気になったことはなんでもやる

 

与件文読み 2 回目

蛍光ペンで、 SWOT 、社長の思い、方向性をマーク する

 

設問読み

蛍光ペンで、制約条件と題意 を マーク 、 再度意識付け

 

与件文読み 3 回目

蛍光ペンで、解答に使いそうな部分をマークする

25 ~ 30 分

解答骨子作成

因果関係を意識して作成する

40 ~ 45 分

( 2 )苦手な設問のリスト化

何回やってもうまく解答できない設問を抽出し、模範解答をパターン 2 で設問分解しました。「なぜその解答になるのか」をじっくりと考え、腹に落とすよう努めました。また、そういった設問の模範解答をテーマごとに集めてリスト化し、通勤時間などのスキマ時間に何度も目を通しました。

( 3 )財務事例の経営指標対策

財務事例の経営指標と問題点の指摘は、毎年必ず出題されますので、絶対に得点源にしたいと考えていました。そのため、過去問の第 1 問 ばかり を数年分まとめて取り組み、 ① 指標選定とその根拠、 ② 問題点の指摘、について、考え方と文章の書き方の添削指導を受けました。

■ AAS 流トレーニングにおける効果と気づき

1 月から試験前日まで、 AAS 流のトレーニングに繰り返し取り組みました。それを通じて得られた効果と気づきについて記載します。

( 1 )春秋トレーニング

春秋トレーニングを通じて、 ① 文章全体の中で最も重要な一文を抜き出す力、 ② 正しく日本語を読む力、 ③ 一文を 40 字でまとめる力 、 を養成できました。 ① は与件文や設問文から「事例のゴール」を抜き出すこと、 ② は題意や与件情報を正しくつかむこと、 ③ は字数制限に柔軟に対応できること( 100 字なら 2 ~ 3 文、 150 字なら 3 ~ 4 文など)、に役立ちました。

また、 ② については、一次試験で誤った選択肢を見つけることにも役立ちました。誤った選択肢は、意図的に誤った内容にしなければなりません。そのため、誤った選択肢は、丁寧に読むと国語的に「?」と感じることがあります。このトレーニングのおかげで、企業経営理論や経営法務が得点アップできました。

( 2 )設問分解パターン 1 改

この設問分解パターン 1 改が、私を試験直前に合格レベルまで引き上げてくれたと思います。これは、時間を計りながらスポーツ感覚で取り組むので、だんだん楽しくなり、何度も何度も繰り返すことができました。

このトレーニングには、以下のような効果と気づきがありました。

① 本番と同じ手順を機械のように繰り返すことで体質化でき、試験当日は(それなりにですが)落ち着いて事例に取り組めました。
② 改善を続けることで、より効率的、効果的な手順を構築することができました。
③ 鷺山先生は、模範解答と異なる内容でも、妥当性があるなら「 OK 」を下さいました。これが「妥当性があれば自分が思うことを書いて良い」という自信につながり、試験当日は柔軟に自分なりの解答を作成できました。

■ 日々の学習における心がけ「弱点を克服する」

 私は、日々の学習では「弱点を克服すること」を心がけていました。自分の弱点と向き合うことは辛いですが、根気良く続けました。これにより、効率的に レベルアップ が図れたのだと思います。

 弱点克服のために行なったことで代表的なものは以下の通りです。

① FAX 提出時に、必ず気づきや疑問 ・ 質問を書くようにしました。
   → 自分の弱点の洗い出しができました。 また、成長の確認もできました。
② 弱点の克服方法を、通勤電車の中や歩いている時など、考えつづけました。
   → 考え続けることで気づきが得られました。
③ 自分の弱点について、講座のディスカッションなどで 積極的に発言しました。
  → 話すことで、弱点を客観的に捉え ることができました 。
④ 弱点をリスト化しました。
  → 弱点の整理と消し込みができました。
⑤ 弱点克服のための練習を徹底的にやりました。

はじめ は弱点だらけで、試験当日に間に合うか不安で一杯でした。しかし、弱点を克服するための努力を惜しまず 、 練習に練習を重ねたおかげで、成果 を あげられたと思います。

■ おわりに ~皆様に感謝~

鷺山先生はじめ AAS 講師、大手受験校講師の皆様、 AAS スタッフ、大手受験校スタッフの皆様、受験仲間の皆様、仕事をご一緒している独立診断士の S さんと Y さん、いつも学習の相談相手になってくれた診断士 M さん、 その他応援してくれた皆様、 そして私のわがままに付き合ってくれた家族、本当に感謝しています。

ありがとうございました!!

■ ~おまけ 悪夢のススメ~

診断士試験に関連していくつかの悪夢を見ました。鷺山先生には「合格するまでは夢見は悪い方が良い」と 言われて いましたので、これも合格につながったかもしれません。以下に、私が見た悪夢を紹介します。悪夢にうなされている方、合格は目の前です!

( 1 )人ゴミに揉まれながらのマラソン

春秋トレーニングを始めて間もない頃に見た夢です。春秋トレーニングの要領がつかめず、苦しんでいる心理をあらわしていたのでしょう。

( 2 )地に足のつかないマラソン

「どのように考え、どのように書くか」に迷い、模索をしていた頃に見た夢です。地に足がつかずふわふわしてしまい、いくら踏ん張っても地面を蹴って前に進むことができませんでした。

( 3 )品揃えは狭く深く!

合格発表 3 日前に見た夢です。 マーケ 事例を思い出していたのでしょう。「ホームセンターの品揃えは狭く深く!」と夢の中で叫んでいました。

( 4 )文章の要約

合格発表 2 日前に見た夢です。「この文章は、要はここに書いてあることを言いたいんだ」と夢の中で汗をかきながら文章 を 要約していました。

ちなみに、合格発表前日は夢を見ませんでした … 。

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