私の合格体験記がどなたかのお役にたつかもしれませんので、人に教えるような立場の人間ではないと存じておりますが、僭越ながら体験記を書かせていただきたいと思います。
1.プロフィール・受験のきっかけ
地方(佐賀県)の運送会社で働く27歳です。私はこの会社の跡取りで、私が継ぐと4代目になります。約4年前私は関東にある別の物流企業で働いておりました。修行として物流やロジスティクスについて学んでいたのですが、肝心の経営に関しては教えてもらえるわけではありませんでした。そこで何か経営を学ぶ手段はないかと考えていたところで出会ったのが中小企業診断士の資格でした。新宿紀伊国屋で診断士の参考書をみて「これだ!」と思ってそのまま予備校に向かったのを覚えています。
2.勉強
①1年目(某大手予備校):一次合格、二次不合格
平成25年の2月3日に某大手予備校に入りました。一次試験までちょうど半年しかないので月最低100時間以上(多いときは月140時間)は勉強していました。また当然働きながらの受験で、休みも少なかったため、かなり多忙を極めておりました。
しかしながら奇跡的に1次試験は一発合格。2次試験の勉強は一切手をつけていなかったのでかなりあせったことを覚えています。当時の2次試験の勉強ですが、勉強会でグループ学習を行っていたので、とても楽しく勉強できていました。しかし、模試等の点数は中々伸びず、2次試験を受験するまで、全く自信は付かぬままでした。結果CBADの総合Bで不合格となりました。
実は私は試験を受ける前から、うすうす2次試験は通らないのではないか、と感じていました。いつもの自分であれば通る試験のときは受ける前からなんともいえない自信がどこからか湧いてくるのですが、この時はそれがなかったのです。
それもそのはず、私は2次試験の勉強をしていて、自分自身の納得のいく解き方が確立できていなかったのです。また、問題の解き方に関しても納得できませんでした。
当時の解き方ですが、どのキーワードを与件の中から抽出するか、どの段落とどの設問を対応付けするか、といったことに重きをおいていました。
その時から、「こんな考え方で問題を解いて、診断士になったときにコンサルティングの役に立つのだろうか?」という疑問があったのです。そしてこの資格が本当に経営コンサルタントのための資格なら、こういう勉強方法や解法を作問者は望んでいないはずだ、とも考えました。これは2次試験を受ける前から拝読していた鷺山先生のブログ「Si! Eccolo!」の影響でしょう。先生のブログでは共感することが本当に多く、診断士試験に対する考え方、勉強のやり方に関しても筋が通っており、私が感じていた矛盾は解消できるだろうと感じました。また、当時私はふぞろいシリーズのプロジェクトに受験生として参加したのですが、ここにその年合格されたAASご出身のOさんがいらっしゃり、色々詳しい話を聞く中で、「合格の一番の要因とはなんですか。」との問いに「間違いなく春秋(要約トレーニング)」です!」とおっしゃったのがAASに入会する決定打になりました。
②2年目(AAS名古屋見守り本科生)
平成26年の試験を合格目標に2月から春秋要約をはじめましたが、3月から仕事が忙しく、勉強をストップしました。結局再開したのは6月に入ってからでした。約3ヶ月のブランクのあと要約を始めたので、正直全く勘が戻る気がしなかったのですが、ある時を境にgoodとOKを連発するようになりました。このトレーニングのおかげで、読み手に伝わりやすい文章が書けるようになり、筆者の意図をつかめる様になったと思います。
授業にはかなり遅れていましたが、見守り本科生ということもあり、鷺山先生には見守るような形で定期的にスカイプを使って直接ツッコミをもらっていました。本当にギリギリの戦いだったと思いますが、最後の最後に提出したH24の過去問をみてもらったときに、「これは間違いなく合格者の答案です。」と書いてもらったことで、大きな自信を得て、本番でも堂々と戦うことができたと思っています。
試験終了後、「これは合格したな」と正直思いました。前年、不合格だったときの試験終了後の感覚と比べると雲泥の差で、それはそれは気持ちのいいものでした。
AASでは、「診断士の勉強を通じて鍛えたいと思っていた能力」をしっかり鍛えてもらえたと思います。本当に本当にありがとうございました。
3.合格の要因として考えられること
①春秋要約を通じて読解力、文章構成力が鍛えられたこと
これによりロジカルで分かりやすい、社長の目線に立った診断書(答案)が書けるようになりました。
②AASのお作法を学んだこと
AASの事例解法を学んだことで、本番での対応力が飛躍的に向上しました。以前はわけもわからずあわてて解いていたのですが、このおかげで落ち着いて事例を解くことができました。また、自分の解答に対しても自信をもてるようになりました。(以前はとても人様にお見せできるものではないと思っていました。)
③勉強を「時間」という指標でなく「理解度」という指標で評価するようにしたこと
特にこれは事例Ⅳに当てはまりますが、今までは○時間勉強する!という目標をたててやっていたのですが、睡眠時間が削られ、かえって能率のあがらない勉強になっていました。しかし、1日に事例Ⅳの問題集を3問だけ、絶対にきちんと理解できるまでやる!という制約と春秋要約をノルマとして設け、それが終わるまでは自宅に帰らないようにしました。これにより、問題を素早く理解し、解くスキルが身に付いたと思います。
4.これから受験される方々へ
診断士の2次試験のことを調べていると、「まさか受かると思っていなかったけど受かった。」とか「たまたま運よく合格した。」などという声がよく聞こえてきます。この声の中には謙遜も含まれているでしょうが、実際にそう感じている人は多くいるようです。私は前々から、自分の解答に自信をもち、納得できる形で合格したい、と思っていました。今回の受験ではAASで学ばせていただいたおかげで「自分自身が納得できる形で合格すること」を実現できたと思っています。
「たまたま合格」ではなく、「納得合格」を手にしたいと思っている方には、AASの学習は最適だと思います。
5.最後に
私は他の人と比べると進捗が著しく遅れていたかと思いますので、鷺山先生をはじめ、皆様にご心配やご迷惑をおかけし、本当に申し訳なかったです。見捨てず、見守っていただいて本当にありがとうございました。これからこの資格を存分にいかし、診断士として頑張っていきたいと思っています。