第1問 中小企業診断士 池之内健二朗
要約した結果を見直しましょう!
第1問の答案作成にあたり、与件文にはヒントとなりうる箇所が2カ所ありました。そのため、この2カ所を上手くまとめようと苦労した痕跡が、多くの答案から見受けられました。ただし、( C 社の セールスポイント である技術力の高さ)と(高張力鋼板のノウハウ)の2カ所をまとめ、「プレス加工に関する高い技術力と高張力鋼板へのノウハウ」のように書いたつもりが、結果として「高張力鋼板プレス加工のノウハウ」だけの内容になっていた答案が多かったです。要約するときは、要約した結果が自分の意図したとおりになっているかを注意しましょう。
第2問 中小企業診断士 河端学
「戦略」選択の理由ですから競合との関係は大切です!
設問1の製品戦略について、高張力鋼板の部品生産に重点を置くことについては、多くの方がその結論になっていましたが、その理由に関しては、海外メーカーとの競合回避に言及されておられない方が結構おられました。
与件文からは、@増加しつつある軽量化ニーズに対応できる、A早くから高張力鋼板の加工技術に取り組んでおり、かつ海外では対応が困難である、B高付加価値化が図れる、といった事項を理由としてあげることができます。これは「市場・競合・自社」の観点であるともいえます。
この設問の場合は、「戦略」としてまず獲得すべき拡大市場が存在していること(@)と、「戦略」ですから競合との戦いに勝つ(あるいは回避できる)こと(A)を優先して表現すべきでしょう。また「高付加価値化(B)」については、結論文の中で、「 高付加価値の 高張力鋼板の部品生産に重点をおくべき・・」といった使い方もできますので工夫してください。
「結論+理由@A」の文章構成を基本に!
結論文を含めて100字の制約があります。100字をダラダラと脈略なく書くのではなく、論理的に漏れやダブりのないように構成することで、説得力のある文章を作成することができます。説得力=得点力。それにはまず「結論」、結局どういう考えなのかを短く表現すること、次にその理由を2つに分割して@Aの箇条書きで書くこと、自分が採点者と考えれば、わかりやすさが大切なことはご理解いただけるでしょう。内容が同じでも接戦している中では、文章力が明暗をわけることになります。このあたり肝に銘じてください!
設問2については、設問文での誤解(題意:新規開拓だけでなく既存得意先も含めた戦略)もありましたので、文章作成が難しいものになってしまいました。新規開拓に絞った場合では、「共同展示会」や「試作品」、「製造コストの低減」「共同研究」といったキーワードをうまく文章でつなげればベストです。なお設問2では「理由」を聞いていないにもかかわらず、具体的内容を書かずに「理由」を書かれている場合があり(例年居られます)、これも十分に注意してください!
第3問 中小企業診断士 池之内健二朗
設問に対応することが大前提です!
第3問は、与件文にわかりやすい形でヒントが記載されている設問でした。
この与件文を素直に活用された方が多く、ここの配点( 20 点)の 7 割以上を確保できた答案は多かったです。 しかし、これ以外に技術面の理由を書いた答案が少なからず見受けられました。設問は「 原価改善対策 として試作品において外注を活用した場合に〜中略〜外注を活用する理由」を問うものでした。原価改善対策以外の答案は、題意にあわないため 0 点とさせていただきました。
コンサルタントとして、多面的に幅広く考えるスキルは大切なことです。しかし、問われたことに対して的外れな答えをしては本末転倒となってしまいます。常に設問に対応した答案を書くように注意しましょう。
在庫と「納期」「コスト」との関係について、整理しておきましょう
第3問は、高得点を取られた方が多かったので、すこし細かいお話をさせていただきます。
繰り返しになりますが、第3問のこの箇所は「 原価改善方法 として試作品において外注を活用した場合に〜中略〜外注を活用する理由」を問うものでした。
試作品用の鋼板が「長期滞留在庫となり、不良在庫化している」点を問題点として書かれた答案は多かったですが、一方で、試作品の鋼板が滞留している現状を問題点として指摘した答案はわずかでした。
C社の原価を悪化させている要因は
A: 試作品の鋼板が滞留(倉庫代や作業スペースの圧迫等により原価にマイナス要因) B: 一部では長期滞留在庫(倉庫代や資材管理費等によりの原価にマイナス要因) C: 錆が発生して使用できない鋼板(材料の減耗により製造原価にマイナス要因) の 3 つあることを指摘してください。
第4問 中小企業診断士 河端学
時間配分を大切に!
解答用紙空白の方が結構おられました。どこかの問題で時間をとられたり、与件文の特定ができてなかったり、時間に追われてまとまりがつかずに終了、というこもあると思われます。個人によって方法は違いますが、例えば、@まず設問に目を通し、A与件文章を読みながら、 SWOT 、問題点、ヒントになりそうな事項をピックアップ、B設問をもう一度見ながら、与件のどこに各設問が関連しているかを特定していき、C全問題の解答内容のポイントやキーワードの大枠を考え、個々の解答文についてD文章構成の概略検討、E文章作成といった手順を、自分なりに持てるようにしてください。これには過去問や事例問題を何度も繰り返すことが大切です。
与件文の文章や文言を利用しましょう!
解答内容については「解答解説」をご覧いただくとして、解答文に使う言葉ですが、せっかく与件の文章や文言がありますので、これをできるだけ利用することを心がけてください。字数制限から要約しなければならない場合がありますので、絶対的なことではありません。また与件の文章や文言にこだわりすぎて、文章作成時間を浪費したり、逆におかしな文章になってしまわないようにしてほしいのですが、意識だけでもしてください。与件の文章や文言は、すなわち与えられた事実をあらわしているものですから、別の言葉を使って意味が微妙に変わってしまわないようにするためです。
まだ5月、まだまだ点数アップできます! もう5月、安心してはいけません!
第5問 中小企業診断士 池之内健二朗
生産系の情報システムに関する1次知識は確実に把握しましょう!
CAE のことを知っていれば、簡単に答案が作成できる問題でした。生産関係の情報システムは、生産または財務の事例でたびたび登場しているテーマです。
少なくとも、 CAD ( CAE 、 CAM も含む)や、 POP 、 SFA の特徴については、書けるようにしておきましょう。
設問への対応を徹底しましょう
先ほど、この設問は簡単に答案が作成できる問題であると言いました。
しかし、設問の見落とし等により、設問とフィットせず失点をしていた答案が多かったので、ここでも細かいお話をさせていただきます。
設問は、「 コスト削減 と 短納期 を目的とした情報化活策として CAE システムを導入 した場合の C 社のメリット 」を述べよというものでした。
この設問を見ただけで、答案は「( CAE システムを導入する C 社の)メリットは○○により××ができること」のように直接コスト削減・短納期化につながるように書けばよいとわかります。あとは、 CAE の知識と与件情報から、上記の○○には CAE の特徴を、××にはコスト削減と短納期化の両方ができる直接的な理由を埋めれば、答案ができあがります。
しかしながら、 CAE の特徴である「製造以前に設計上の問題を検出できるので」を触れずに、単に「製造回数が減るため」と言葉足らずになっていたり、また短納期には触れているもののコスト削減に触れていないため失点をしている答案が多かったです。
設問をよく読み、その対応を徹底することで、答えがわかっていながら失点してしまうことを防ぐことができます。この数点の失点により合否が分かれてしまう場合も十分考えられますので、設問対応には十分気をつけてください。 |