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合格体験記>平成23年度 第2次試験合格体験記

「合格体験記」 小林 靖明  

■ はじめに

 「あー、疲れた。帰ったら再現答案書かなきゃ。あれ、どんな業種が出たんだっけ?なんだろ、ぜんぜん思い出せない。・・・・・・。与件も思い出せないようでは今年もダメかな。何が足りなかったのか分析して対策してきたけど、もうこれ以上何が足りないんだろう。わからない。悔しいけど、認めたくないけど、自分には診断士は無理なのかもしれない・・・。」
 第2次筆記試験終了後、帰宅途中の頭を駆け巡っていた思いです。この思いはやがて完全なるあきらめに変わり、合格発表当日はその日が発表の日であることを忘れていました。そのような状況でしたので、ホームページで自分の番号を見たときはとても信じられず、うれしさで涙が止まりませんでした。

■ プロフィール

 私は、多年度受験生で、6回目のチャレンジでようやく合格しました。現在35歳です。
受験を決意したのは6年前です。大学卒業以来、システム運用の仕事に従事しています。今後のキャリアアップのために経営知識も持ちたいと考え、中小企業診断士資格取得を目指しました。

■ 受験歴

年度 第1次 第2次 受験校 勉強会
平成18年度 ×(BBCD:C) 他校(本科通信)
平成19年度 ×(CBBA:B) 他校(本科通学)
他校(直前対策通学)
平成20年度 ×(CBAB:B) 他校(直前対策通信)
平成21年度 ×(BCAA:B) AAS(Web本科)
平成22年度 ×(CCBA:B) AAS(短期本科)
平成23年度 他校(直前対策通信)

■ 学習方法

<1次試験>
 各科目やりこむ問題集を1つ決め、それを回転させる方法をとりました。間違えた問題、自信をもって正解を選択できなかった問題に「正」の字でマークをつけていき、直前期にはマークのついているものだけをチェックしなおしました。模試も1社に絞りました。
 問題集は、基本レベルの問題集を選びましたが、中小企業経営・中小企業施策だけは過去問にしました。また、経営情報システムは得意科目でしたので、模試の復習のみでした。

<2次試験>
第0段階(1月〜6月)
 年初、勉強継続をめぐり、妻と夫婦喧嘩がありました。「あなたが診断士をとっても、私には何のメリットもない。私ばかりが負担を負うのはおかしい。」妻の言葉が突き刺さりました。ずっと甘え、負担をかけていたことを反省しました。診断士の勉強はやめ、家事・育児を積極的に手伝いました。診断士については断念も含め、悶々と悩みました。

第1段階(7月)
 「やはり診断士を取りたい。これまでの努力を無駄にしたくない。」
あきらめきれず、何ができれば合格できるのか、自分に何が足りなかったのか、分析を行いました。内容は以下の通りです。

−合格答案の分析
 「ふぞろいな合格答案」のエピソード2〜4の3冊を読み返し、合格答案のレベル感を確認しました。それほど整った文章ではないがポイントは押さえてあること、大局的な視点すなわち全体戦略レベルの視点にたった解答であることを感じました。試験時間が足りなくなることからSWOT分析はやらない主義でしたが、なんらかのやり方で全体戦略を意識しながら解答する必要性を感じました。
 また、「ふぞろい」には本試験時の思考プロセスも紹介されていたのですが、「こう書いておけば×にはできないだろう」といった、「勝ち」ではなく「負けない」を志向した答案作りが自分にないものとして印象に残りました。

−自分の再現答案の分析
 受験仲間だった合格者に再現答案を見ていただき、提案問題は良いが分析問題に難あり、との指摘を受けました。分析問題が悪いということは、与件が読み切れていないということです。「読む・考える・書く」のうち「読む」に重点を置く必要性を認識しました。そして、設問については設問分解で訓練してきたので、与件をメインに据えた勉強が必要だと考えました。
 また、過去の答練でも失点問題に分析問題が多いことをチェックしたのですが、その過程で一次知識やキーワードの不足で加点要素が少ないことにも気が付きました。一次知識とキーワード強化の必要性を認識しました。

−合格者の勉強内容の分析
 AASのホームページなどで読める合格体験記や、自分が聞いた体験談のメモを読み、合格者がやったことで自分の取り組みが甘かったことを、以下のとおり抽出しました。
  ・一次知識のブラッシュアップ
  ・キーワードの収集と徹底的な刷り込み
  ・過去問の自分なりの分析

第2段階(7月下旬〜8月下旬)
 まず、妻に再チャレンジの相談をしました。勉強は早起きしてやるし、休日も模試と本試験の2日だけ家を空けるのみで負担は最小限にすると伝え、了承してもらいました。
 ちょうどこの頃、節電のために8月まで輪番勤務が導入されることになり、平日が休みとなりました。平日は家に自分ひとりでしたので、まとまった時間を確保できました。
 この時間を活用し、苦手科目の事例TとUの過去問分析に取り組みました。各段落で筆者が言いたかったこと、解答を導くうえでのヒント、などを考えながら、与件の内容をノートに書き出しました(写経に近いレベル)。そして、解答に盛り込むポイントをメモし、AASや他社の解答例と突き合わせて、与件の見落としや一次知識の漏れがないかをチェックしました。この勉強を通じて、事例ごとに着目しなければならない情報や与件を整理するための枠組みを自分の中に蓄積できました。平成16年度以降の過去問をやりました。
 また、一次知識のブラッシュアップも行いました。具体的には、一次知識教材(他校)をノートに書き写しながら再インプットするだけです。ただし、通勤時に読み返すようにして、頭に刷り込みました。ノートは余白を多めにとり、過去問分析で得た気づきやキーワードを追記して、過去問分析の復習ツールとしても活用しました。

第3段階(8月下旬〜9月)
 8月下旬から、他校の直前対策講座(通信)を受講し、1週間ごとに事例T〜Vを3事例ずつ解きました。このときは第2段階の過去問分析でやったように与件の分析作業を行いながら解きました。あくまで読む訓練との位置づけで、制限時間は無視してました。復習は与件に埋め込まれたヒントを漏れなく読み取れているかという視点で行いました。
 並行して、事例Vの過去問分析と一次知識のブラッシュアップも行いました。9月以降は通勤時間と早朝の2〜3時間しか勉強時間を取れなかったので、過去問分析は方法を変えました。具体的には、全体戦略、Q、C、D、ITの5つのテーマごとに、例えば、QCDであれば問題、原因、対応策といったマトリックスを用意しておき、与件や解答例を読みながらマトリックスに整理していきました。平成16年年度以降をやりました。
 模試は1度だけ受けました。タイムマネジメントの確認と1日4事例の感覚を取り戻すことが目的でした。

第4段階(10月)
 これまでの勉強を通じて、解答手順がメモを取りながら与件を読むスタイルになりました。これにより読む時間が増えました。書く時間は減らせないので、考える時間、特に文言を考える時間を減らすため、キーワードの更なる蓄積を図りました。具体的には、通勤時間に読んでいたノートに過去の答練や模試の解答例からキーワードや述語をピックアップ・追記し、繰り返し読みました。
 また、ここまで事例Wは全く勉強しなかったので、経営分析の書き方の復習、過去の出題実績から予想した分野の復習を行いました。

■ 私が合格できた理由

 私が合格できた理由は、以下のとおりと考えています。

@ 合格レベルを認識したこと

 どこまで書ければ合格するのか、合格者の再現答案を分析したことで、合格レベルすなわち勉強の到達目標や答案の作成レベルが明確になりました。

A 自分の弱点を認識し、それを集中的に勉強したこと

 同じ与件と設問が与えられているにもかかわらず、なぜ合格答案が書けないのか?
自分に何があれば合格答案を導き出せるかを考え、弱点を抽出しました。そして、その弱点を克服するための勉強を行いました。

B 過去問と格闘し、自分なりに本試験の本質をつかんだこと

 まるで分解するように過去問と格闘しました。問われている観点や事例毎の作り方のクセ、与件へのヒントの埋め込み方など、いくつかの気付きを得ながら、自分なりに本試験の本質をつかみました。

C 「勝つ」ではなく「負けない」を志向したこと

 勉強の時間配分では、得意だった事例Wをさらに強化して逃げ勝つことよりも、苦手だった事例T、Uを底上げして負けないことを志向しました。結果、事例Wはほとんど勉強しませんでした。
答案作成では、切り口できれいにまとめた答案で勝つことよりも、与件と設問に沿った答案で負けないことを志向しました。例えば、事例Tであれば、組織の問題なら組織構造と組織文化の切り口で解答するのがセオリーですが、人事の視点からも解答できるのであれば、取りこぼしを防ぐため、組織・人事両面から解答を作成しました。

D モチベーションを持続できたこと

 追い込まれていたせいか、合格するという気持ちが絶えませんでした。仕事で寝るのが遅くなっても5時には布団から這い出して勉強しました。これまでなら自分に言い訳して寝ることもしばしばでしたので、気持ちの面でも違っていたのだと思います。

■ 最後に
 AASに出会わなければ、ひたすら事例を解く勉強から抜け出せず、合格にたどり着けなかったと思います。AAS講師の方々、特に山のように答案添削していただいた早坂先生に、心から感謝申し上げます。

 

 

平成23年度 第2次試験

 
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