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合格体験記>平成23年度 第2次試験合格体験記

「読めれば合格」      菊池 光倫  

1) はじめに
 平成23年度、中小企業診断士2次試験に合格しました。1次試験の7科目全てにほとんど知識がない状態から診断士を目指して勉強を開始したのは、平成20年10月でした。それから約3年の受験勉強を経て、2次試験の合格に辿り着くことができました。合格に重要なノウハウや必要な気づきを与えてくれたAAS名古屋の皆様と、勉強する時間を与えてくれた家族に、深く感謝しています。

 

2) 中小企業診断士を目指したきっかけ
 私は食品製造業で食品の研究や商品開発に従事しています。30歳を過ぎて自分の知識が専門知識に偏っていることを自覚し、マーケティングや経営に関する書籍をいくつか読んでいました。しかし本から断片的な知識を得るだけでは飽きたらず、別の手段で経営全般を体系的に学びたい、と思うようになりました。そんなころに知ったのが「中小企業診断士」です。あまり深く考えずに診断士取得を目指すことを早速決め、平成20年10月から予備校通学を開始しました。その時点では、合格までに3年という時間と結構なお金(笑)を費やすとはまったく予想していませんでした。

 

3) 受験歴

1次試験
2次試験
H21
×(ACAA, 総合B)
H22
×(BBCA, 総合B)
H23

 平成21年は予備校講義と復習を中心に、1次対策にほぼ専念しました。その甲斐あって1次試験には無事合格できましたが、1次試験終了後から対策を始めた2次試験には力及ばず不合格でした。
 平成22年からは、2次試験に合格するにはノウハウが必要だと考え、AAS名古屋に通学を始めました。大手予備校ではなくAAS名古屋に決めた主な理由は、@模範解答がシンプルで分かりやすかったから、A再現答案に対する鷺山先生のご指摘が非常に的確なものに思えたから、でした。
 平成22年は、1次試験対策は直前2週間だけにとどめ、2次試験対策にほぼ完全に専念しました。具体的な学習方法は、@AAS講座での事例アウトプット、A自習としてフレームワークや知識のインプット、設問分解、春秋要約などでした。設問分解や春秋要約はAASオリジナルのトレーニングで、設問分解は設問文を読んで制約条件と題意を的確に把握し、与件を活用して問われたことに問われたように、多面的に、かつロジカルに解答する力を鍛える学習方法です。設問分解をやるほどに、解答骨子や解答の切り口がパッと浮かんでくるようにはなります。また春秋要約は、日経新聞の「春秋」を読んで筆者の主張をロジカルに要約する練習です。この年、私はひたすら設問分解や春秋要約に取り組みました。しかし、解答をMECEな切り口で多面的に書くことやロジカルな文章を書くことが上達したように思えても、事例アウトプットの成績はなかなか上がりませんでした。不安を抱えたまま本試験に臨みましたが、再び不合格に終わりました。
 平成23年も引き続きAAS名古屋に通学しました。しかし、3年目ともなるとなかなか試験に対するモチベーションも上がってこず、また第2子の誕生や引越しを伴う転職など家庭の事情で、最初の2年間よりも勉強に割ける時間がかなり少なくなってしまいました。1次試験の受験を断念して2次試験に専念しましたが、今年も不合格だったら試験から撤退しようと覚悟を決めて臨んだ2次試験で、ついに合格を手にしました。

 

4) 合格に必要な力
 なぜ合格できたのか。その理由は、合格者と自分の違いに気づき、それを埋めることができたからだと思います。それは「読む力」でした。1月の合格答案分析会で、形式面ではMECEな切り口や因果で解答することはそこそこ出来ている一方で、内容面で与件の活用や事例ストーリーの理解が不十分であることに気づきました。つまり、与件文を「読めていない」ことが不合格の最大の原因であったと考えました。
 そこで平成23年は、「読む力」を合格者レベルにするため、事例アウトプットの際には環境分析を重視し、そして自宅学習としては主に春秋要約に取り組みました。

@環境分析の重要性
 環境分析に関する設問はほぼ必ず出題されますが得てして配点は高くなく、軽視する方は意外に多いのではないでしょうか。私自身がそうでした。しかし、環境分析が正確に行えなければ的確な経営戦略を導くことはできず、経営戦略に沿った機能別戦略を立案することはできません。中小企業診断士という資格名にある「診断」とは、つまり環境分析から経営戦略を導くことだと私は考えています。
 そこで事例アウトプットの際は、環境分析と経営戦略に関する設問で得点できれば残りはどうでもいい、というくらいの意識で臨んでいました。すると不思議なことに、限られた時間の中で内部・外部環境が正しく把握できるようになると、経営戦略や機能別戦略も大きく方向性を外すことはなくなりました。事例企業の内部・外部環境は与件文と設問文の中にしかありません。事例企業の環境が読めるようになったことで、作問者とのコミュニケーションが的確にできるようになったのではないか、と思います。
A春秋要約
 春秋要約には昨年も取り組んでいましたが、読む力よりも書く力を高めるためという意識で取り組んでいました。そこで、春秋要約で「読めている」状態とは筆者の主張を外さないことだと考え、主張を確実に読めるようになることを目指しました。また、春秋を読む→要約の骨子を因果関係で作る→40字で要約するという手順を徹底しました。この手順は事例問題における各設問への対応と全く同じです。読む力がつくとともに、普段からこの手順を徹底することで解答骨子を因果関係で表現するスピードが上がったと思います。

 そして平成23年は多くの本を読みました。読書は非常に好きだったのですが受験中は時間が取れず、あまり本を読めていませんでした。本を読んでいなかったことも「読む力」が落ちた原因かと思い、これも勉強の一環と自分を納得させて読書をしていました。合格に対する読書の貢献度を定量的に表すのは難しいですが、読む力をつけるには有効な手段であったと私は思っています。ちなみに、読む力をつけるために本を読むのであれば、ビジネス本でない方がよいと思います。たまには恋愛小説でもいかがでしょうか(笑)。

 

5) 最後に
 合格に必要な力として「読む・考える・書く」力がよく挙げられます。診断士2次筆記試験は解答用紙に書いてあることだけを評価される試験ですので、不合格だった方は書けていない状態にあるということです。しかし、だからといって書く力の不足が不合格の原因とは限りません。書けていない状態となってしまっている真因は考える力の不足かもしれません。そして、読む力の不足かもしれません。合格者と不合格者/受験生の違いは人それぞれですので、ぜひ合格者の制限答案をよく読み込み、ご自分の弱点を明確にした上で戦略的に弱点克服に努めて下さい。
 私の合格体験記と再現答案が皆さんの合格の一助となれば幸いです。そして、皆さんと中小企業診断士として一緒に仕事をする時が来ることを楽しみにしています。

 

平成23年度 第2次試験

 
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