■ はじめに
第2次筆記試験終了後、事例Wで大失敗(「計算結果は小数点第3位を四捨五入せよ」という問題指示を見落とす。)をしてしまったので、足切りで今年も駄目だったかと思い悩んでいました。今回が最後のチャレンジだと周りに言っていた手前、合格できなかったら23年度の受験をするとは言い出せずに、悔しさと空しさで一杯でした。
合格発表の12月10日(金)、かすかな奇跡を願って恐る恐るパソコンを立ち上げ、診断協会のHPを見ました。広島地区を開いて自身の受験番号を発見した時には、信じられないというのが先で、何度も受験番号を確認すると、階下の妻に向かって、思わず「受かった!」と叫んでいました。「よかったね!よかったね!」を涙声で自分のことのように喜ぶ妻の姿を見て、ようやく、じわじわと合格の喜びが湧き上がってきました。
今年第2次筆記試験にチャレンジされる方々のために、私のこれまでの受験経験から申し上げられる合格のコツとは、「自分の思い込みを捨てて、素直な気持ちになって作問者の声を聴くこと」です。これだけです。ここにたどり着くまでの私の長い道のりを、恥をしのんでお話しましょう。
■ プロフィール
私は、大企業に、設計・開発→営業技術→営業と36年間勤務した後、中堅企業で3年間、事業部の責任者として勤務しました。携わった製品分野は、化学プラント関連の重厚長大な産業用製品から微細加工の半導体製造装置と多岐に渡っています。
中小企業診断士の学習を始めたのは、大企業を退職する満60歳になってからで、今年1月に66歳になってようやく合格することができました。
中小企業診断士の資格をとろうとした動機が、最初は退職後の生活を有意義なものにしたいという軽い気持ちでしたが、学習するにつれて、これまでの経験を活かして地域社会に少しでも貢献するのだという使命感のような気持ちで資格取得を目指しました。
■ 受験歴
| 年度 |
第1次 |
第2次 |
受験校 |
勉強会 |
| 平成17年度 |
× |
― |
TAC(通信) |
― |
| 平成18年度 |
×(2科目合格) |
― |
TAC(通信) |
― |
| 平成19年度 |
○(5科目合格) |
×(BCBA) |
TAC(通信) |
― |
| 平成20年度 |
― |
×(ACBD) |
TAC(通信) |
― |
| 平成21年度 |
○ |
×(BBBA) |
TAC(通信)
日本マンパワー |
― |
| 平成22年度 |
― |
○ |
TAC(通信)
AAS(通信) |
TACの仲間 |
第1次試験は、TACの通信講座で3年目に合格し、第2次試験も惰性でTACの通信講座中心で対策してきましたが、あえなく3回とも不合格でした。さすがに、このまま漠然と学習を続けていっては22年度の第2次試験は危ういと考え、TACの勉強仲間とどのようにして学習に取り組むべきか話しあっている中で、AASと出会うことができました。
AASには、他の受験校にはない独特の学習方法があることが、AASのホームページで知りました。それは、@試験は、当たり前でしょうがコンサルタントとしての素養(『診断助言プロセス』を修得できているか)が試されているわけです。そのために、ぶれない論理の軸、つまり答えの正誤よりは論理の妥当性・一貫性を大事にしている、A合格には必須である基本的でかつ具体的は解法技法(囲碁や将棋でいう定石にあたるもの)を教えている、Bさらに、「チャレンジ春秋」や「MECE」などの文章の表現力・構成力を高めるトレーニングブックが揃っている、ということです。
いま、振り返って考えると、AASと出会えたことが、私に合格をもたらしてくれたと感謝しております。
■ 学習方法
第1次試験
TACの通信講座と各教科の関連書籍を使って学習を続けました。特に、私の専門分野が技術系であったため、苦手の財務・会計については、中小企業診断士の勉強を始める前年の平成16年に日商簿記2級の資格をとっておきました。また、各教科のポイントとして押さえておくところは、抜き出してマイノートに整理し、いつでも取り出して見れるようにして、記憶を確かなものにするようにしました。
第2次試験
22年度は、第2次試験に集中して、次のような4つの段階で学習をしました。
第0段階(1月〜5月)
TACの通信講座(2次本科生)をとるのに加えて、今回初めて参画した勉強会では雑誌『企業診断』に載った各受験校の出題問題などを使って演習をしたり、また、著名なコンサルタントが書いた思考術関連の本50冊ほどを読み漁ったりしていました。しかし、自分なりの解答手順が定まらず、また通信講座の添削結果も思わしくなく、悶々とした日々が続きました。
第1段階(6月〜8月)
勉強仲間が推すAASのホームページを見て、これまで求めていたものがあったと直感し、早速、下記のAASの教材を取り寄せ、自学自習を始めました。
- 1次知識の整理と活用:1次知識を『診断助言プロセス』に活用できるよう高める
- 合格指南書:指南書をベースに自分なりの解答手順を定める
- 過去問の解答例集:スーパーフレームワークなどを活用して解答力を高める
- トレーニングブック(『チャレンジ春秋』『MECE』):文章力を高める
これら以外にも教材が豊富で、いずれも期待に違わないもので、まさに目から鱗が落ちるという心境でした。
第2段階(8月〜10月)
AASの教材で、自分なりに手応えを掴んだように思いましたが、なにせ自学自習でしたので、いまひとつ自信がありませんでした。そんな折、勉強仲間から教えられ、AASの伊藤勝彦先生の『過去問マンツーマン通信講座』をとるようになったのが、自身を大きくアップできたと考えています。
この通信講座は、通常の通信講座とはまったく違って、厳しくも熱い講義を直接受けている感じです。即返却される添削には赤字でビッシリと私の思考プロセス上の問題点(特に、思い込みが強いということ)が指摘されていました。私は、先生に食らいついて、解答を再々提出することで、これまでなぜ3回も第2次試験に合格できなかったのかをはっきりと認識することができました。
第3段階(10月)
伊藤先生の通信講座の途中でしたが、10月に開かれたAASの合格判定合宿(直前)に参加しました。アウトプット講座4事例分を2日間に詰め込んだ大変ハードな合宿です。伊藤先生も講師として来られており、それこそ直々にご指導いただきました。
しかし、ここでまたしても大失敗をしてしまったのです。それは、自分はメーカーに長く勤めていたので勝手に得意だと思っていた事例Vで、D判定をもらってしまったことです。D判定をもらったときには、これは問題が悪いとまで思っていましたが、帰りの夜行バスの中で考えるのに、ついつい思い込みが先行してしまい作問者の声を聴こうとしなかったことに気がつきました。この合宿では、石原先生をはじめ先生方の厳しくも心温まるご指導のお陰で、自分の弱点に気づくなど大変多くの点で得るものがありました。
■ 試験当日
これまでの受験では、カバン一杯に沢山の資料を詰め込んでいましたが、今回は、ファイナルノート一冊とAASの事例ごとの第2次試験対策資料4冊だけを入れておりました。
そして、ファイナルノートの第1頁には、こう大きく書き込んでありました。「あなたの意見や思い込みは問われていません。設問や与件に織り込まれている作問者の声に素直に耳を傾けなさい。そうすれば、必ず答えが聴こえてきます。」これは、AASで教えて戴いたことを話しているときに、妻が私に発した言葉をそのまま書き取ったものでした。
試験中は、あたかも作問者と心の中で会話をしているかのように、独り言をいいながら、一心不乱になって答えていました。
■ 最後に
昨年末の日経新聞に、『「きな子」鼻高々―警察犬ついに合格!―6年連続で警察犬審査に落ち続けていた見習い警察犬「きな子」が合格して嘱託警察犬として採用されることが正式に決まった。』と、ペアを組んで苦労をともにした訓練士の傍らで誇らしげな「きな子」の写真がのっている記事をご覧になった方もおられるのではないでしょうか。
受験生の皆さんが、講師の方々や受験仲間そして家族からの励ましに支えられていることに感謝し、合格を勝ち取られることを心から祈っております。
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