− 私が「合格の5カ条」に気づき合格するまでの体験記 −
■はじめに
12月10日合格発表の当日、私は勤務する会社のオフィスから中小企業診断士協会のHPにアクセスし続けた。9時30分から業務は、ほぼそっちのけでF5ボタンを数分感覚で押していた。きっとこの日の診断士協会のHPのアクセス数は、通常より格段に多かっただろう。10時にHPの右横の「中小企業診断士試験のお知らせ」のところに「平成22年度中小企業診断士第2次試験の筆記試験結果の発表について(H22.12.10)」と表示された。
9時30分から待っていたにも関わらず、怖くて震えが来て、しばらくPDFファイルを見ることができなかった。
10時20分に、「見るしかない」ようやく気持ちに踏ん切りがつき、PDFファイルを見た。番号は。。。あった。
「なぜ、番号があるのか」信じられなかった。平成21年の受験票と間違えていないか、PDFが昨年のものなのではないか、番号の見間違えではないか、と何度も確認した。
やはり、間違っていない。口述の受験票の現物を見るまで信じがたいが、ツイッターでの報告、お世話になったAASの早坂先生と受験仲間のMLへスマートフォンから取り急ぎ連絡した。すぐに、返信でお祝いのコメントと受験仲間の合格の連絡が届き、嬉しさが湧き上がってきた。
この合格体験記にて、さほど進学機関の模試やアウトプットの成績も良くはなく、本番も事例Wで壊滅している私が、なぜ合格できたのか、来年以降の受験生にお伝えできればと思う。
■プロフィール
九州の国立大学を卒業した後、上京し現在中堅どころのシステムインテグレータに勤務する。国内最大手のインターネットショッピングモール会社に常駐するシステムエンジニアである。
工学系の大学を卒業した理系のエンジニアであるが、高校生の時より起業や、中小企業経営には興味を持っていた。就職後MOTやMBAの通える方法は何かないかと思って探していたが、授業料の問題や勤務時間との都合でなかなか通えそうなものがなく、迷いながら2,3年が過ぎようとしていた。30代を迎え、キャリアプランにも疑問が出てきたある日、下記の書籍を見つけた。なんだか運命を感じた。
「ITアーキテクト x コンサルタント 未来を築くキャリアパスの歩き方」
ISBN-10: 4797334533
ISBN-13: 978-4797334531
この本の中インタビュー記事に、コンサルタントをやるには中小企業診断士の資格を取ると役に立つよと書いてあった。その時、初めて中小企業診断士というものがあることを知ったが、一週間後には大手の進学機関の説明会に参加していた。
4年間に及ぶ戦いが始まろうとは、思ってもみなかった。
■受験歴
私の過去の受験歴をまとめる。
一次試験を毎年2科目ずつしか合格できず3年かかる辛酸をなめたが、二次試験はAASのご指導により2回目で合格できた。
受験年度 |
一次試験 |
二次試験 |
所属機関 |
平成19年 |
×(情報システム、経済学科目合格) |
- |
大手進学機関T社 |
平成20年 |
×(企業経営理論、中小企業政策科目合格) |
- |
大手進学機関T社 |
平成21年 |
○(財務会計、運営管理合格) |
BBBA |
大手進学機関T社 |
平成22年 |
×(お試し受験、情報システム、企業経営科目 合格) |
○ |
AAS東京本科 |
■平成21年2次試験そしてAASとの出会い
初めて受験した平成21年の2次試験は、BBBAの結果に終わった。一次試験に長くかかってしまったため、「今年は2次を受験できる」というだけで嬉しくなってしまい、「ご機嫌なまま2次を受けたら落ちた」という感じが強かったと思う。BBBAという事例のTからVまでゾロ目でBをそろえた私は、12月に進学機関の説明会を回り、体験指導などもしていただく中で、何かが特別に分かってないから落ちたというより「表現力」に問題を感じるようになっていた。そんな中で、AASの説明会に出会い、「表現力」を磨くためには大手よりも個人指導で自宅学習中心にやっていくのがよいのではないかと感じた。
■勉強方法
1.勉強量一覧
平成22年の一年間どのくらいの学習を行ったのか棚卸しするため勉強量をまとめて記述する。学習の参考にしていただきたいと思う。
月 |
AAS |
他校模試 |
勉強会 |
コメント |
2010/01 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
AAS Web講座にて過去問 |
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隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
AAS本科コース
スタート |
2月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題1:設問分解演習B
自宅課題2:簡単ストーリーシート |
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隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
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3月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題1:設問分解演習B
自宅課題2:簡単ストーリーシート |
第1回M社模試 |
隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
|
4月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題1:設問分解演習B
自宅課題2:簡単ストーリーシート |
|
隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
|
5月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題1:設問分解演習B
自宅課題2:簡単ストーリーシート |
第2回M社模試、T社中間模試 |
隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
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6月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題1:簡単ストーリーシート訂正 |
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隔週で平成15年から過去問を解きディスカッション |
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7月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
第4回本試験リハーサル(過去問) |
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※一次試験メンバーが多いため休会 |
一次試験の勉強をするため二次は疎かになる。 |
8月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題:戦略ストーリーシート
自宅課題:設問分解演習A
自宅課題:ベスト答案作成
第5回本試験リハーサル(AASアウトプット) |
T社模試、第3回M社模試 |
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一次試験受験 |
9月 |
チャレンジ春秋、白書ミニ事例
自宅課題:設問分解演習A
自宅課題:ベスト答案作成
第6回本試験リハーサル(平成21年過去問) |
※他校模試はこれ以上受けることには疑問を感じたため打ち止めにした。 |
・平成20年、平成19年のディスカッション
・AASの問題集を模試形式で解く |
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10月 |
AAS直前合格合宿
合格者の答案の写経
Web直前講座
過去問アシストを聞く |
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本番2週間前、勉強仲間と他校の問題集を使った模試 |
10月21日 二次試験当日 |
毎日 |
春秋要約トレーニング、写経 |
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1月後半からほぼ毎日 |
まとめてみると、なんだか勉強量が多いように見えるが、受験生の中では少ないほうではないかと思う。勉強量ではなく、勉強仲間や進学機関、ITツールを使い倒す。また、春秋要約トレーニングにて、「たとえ30分であっても勉強しない日はない」という発想で勉強したことに着目していただきたい。
2.春秋要約、白書ミニ事例、戦略ストーリーシート
私が今年一年、特に力をいれ、他の受験生に比べて特徴のある勉強方法、1.春秋要約、2.白書ミニ事例、3.戦略ストーリーシートの3つについて記述する。
(1)春秋要約
AAS HPクラスでは一月一回ほどのペースで「チャレンジ春秋」サービスが提供されている。私は、表現力を増すためには、それでは足らないと考え、毎日一回、日経新聞のHPに掲載される「春秋」を要約し、履歴として自分のブログに掲載した。手順は下記のようなものでちゃんとやると一時間程度かかる。
@春秋の写経
心を静めたまま白紙にまる写しすることにより、文字を奇麗にし、文章を集中して読む力がつく。
A40字の要約
どんな事実と意見の間にどんな因果を作成し、少ないマス目の中にどんなキーワードをいれたら
分かり安いのかを考え、毎日改善を繰り返す。
B60字、80字に字数を増やし要約
場合によっては字数を60字や80字に増やし、どんなキーワードが追加されるか研究する。
C10字程度のタイトルをつける
春秋の著者の意見を10字程度で要約したタイトルを付ける。一番大切な著者の思いの部分を的確
にまとめる訓練する。
Dブログにアップ
要約文と本文を自分のブログにアップする。
E携帯の小さい画面で確認
ブログにアップした要約を自分で眺め、携帯電話の小さな画面でも自分で読めるか確認し反省
する。
(2)白書ミニ事例
AAS HPクラスには、チャレンジ春秋と並んで白書ミニ事例がサービス提供されている。平成21年に落ちた原因は、切り口に沿った整理整頓ができていないことでもあった。与件分を切り口に沿って丁寧に整理整頓していく能力をつけるために、白書ミニ事例もすべて行った。
(3)戦略ストーリーシート
中小企業診断士とは企業の成長戦略を描く職業であり、2次試験採点も成長戦略を十分に描けているかに重点があるように感じる。そして、成長戦略の策定の受験生に与えられた方法は、SWOTまたは3C分析からドメインを決定することしかないと思う。
戦略を描く力が足りず明後日な方向に解答を導いていると感じた私は、8月以降、AASの戦略ストーリーシートを用いて、自宅演習課題の過去問のシートを作成し毎回早坂先生に提出した。
結局、事例T、事例Vの最初の環境分析と戦略の問題が相対的によく出来ており、合格できたのではないかと感じている。
■直前合宿から前日まで
試験2週間前に、AASの合格直前合宿に参加した。アウトプットの3回目に入っても結果が安定せず、他校での模試も今まで4年間の中で最低のD判定が出るほどであった。明らかに焦っており、一次試験が終わった時点で精神状況も普通ではなかった。
祈るような気持ちで、直前合宿を受けたが結果は芳しくなかった。設問と与件文のマッピングがうまくいっていないこと、与件文のキーワード単位での抜き出しの精度が低いこと。事例Uの設問間の一貫性が取れていないことが原因であった。
半分あきらめそうになったが、ここで後述の「合格の5カ条」に立ち返り、テクニックよりも成長戦略と与件のキーワードを最重要視した答案を本番で作成するしか道はないと思った。
残り2週間は、勉強会仲間で後一度本番と同じ時間帯で他校の問題集を解くチャンスがあったので「合格の5カ条」をのみ意識し定着させることに注力した。
■合格の5カ条
4年間の受験生生活の間、大手T社だけでも3人の二次の講師の先生のお話を聞かせていただき、さらにAASの先生がたや、M社の模試後のアドバイス付答案返却、2次の受験参考書など様々な情報からいわゆるメソッドと呼ばれるものを教えていただいた。
正直、情報過多に陥ってしまい何が正しいやり方なのか分からなくなり、この一年間は自分を苦しめた。テクニックや知識にこだわりすぎてしまい、点が伸び悩んだ感もある。
そんな中、試験2週間前の直前合宿に臨む際に一番シンプルな5つの二次試験の原則を整理して試験会場に持ち込み、勝負するのが一番よいのではないかと思った。
本番は、微細な進学機関のテクニックはほとんど意識せずにこの「合格の5カ条」だけを意識し、採点基準に載る答案を目指した。是非、参考にしていただきたい。
1.設問の素直で多面的な解釈
設問分解演習等による題意の素直な解釈、かつ思い込みを防ぐため多面的な解釈を行う。
2.環境分析から成長戦略描き改善提案を導く
下記の式により、環境分析から事例企業の方向性から大きく外れない答案を作成する。
成長戦略を聞いている問題は、点数取る意識で臨む。
成長戦略 = 強み × 機会
改善提案 = 弱み × 成功例(ベストプラクティス)
3.与件と設問のマッピング
設問の言葉と同じ表現を与件から探すことにより、出題者が根拠としているところをズバッと
指摘した答案を作成する。小見出しも有効活用する。
4.コアワード編集
コアワード = 与件のキーワード × 設問と知識のキラーワード
点数が具体的に入るコアワードを意識し伝わる答案を作成する。盛り込みすぎによる、
伝わらない答案や「何でも当てずっぽで入っていれば」という答案にならないようにする。
5.オーラのある答案より他人の書く答案
進学機関のテクニックや白書の知識が盛り込まれすぎたすごい答案ではなく、他の受験生が
普通に書くような答案を作成する。出題者や採点者だけではなく、受験生とも会話しながら答案
を作成していくイメージで解答を作成する。
■試験当日
試験当日の様子を実況中系するような感じでできるだけリアルに描きたいと思う。模試や直前合宿の結果が芳しくなくても、本番で事例の神様を降臨させるノウハウだと思っていただきたい。
前日の晩に机のまわりを整理し、1.今までやってきた大量の設問分解演習、2.Web直前講座の資料、3.ファイトペーパー(事例解き方の気づきを書いたもの)、4.合格の五箇条、5.平成21年合格者の方の再現答案(本番 写経用)の5点をカバンの中にいれる。設問分解演習の分量が多いため、パンパンになった。試験会場では設問分解演習は全くみなかったが、「お守り」のようなものである。
試験会場までの道のりは地下鉄千代田線で30分ほどである。試験会場まで、勉強仲間とのユニフォームのオレンジのTシャツを着、その上に皮ジャン、風邪予防のマスクという怪しげな格好で臨んだ。石原先生の過去問アシストゼミの倍速音声を収録したiPodを前日夜から試験会場に行くまでの間、試験会場に入り開始するまでの間ずっと聞きつづけ(寝ている間も)、頭の中を事例の世界に変えていった。試験開始までに3年分ほど聞き終わり、事例の国に住んでいるような気分になった。この試験当日だけ事例の神さまが降りてきたような気になり、効果があったのではないかと思う。
試験会場には9時前につきリバティタワーの一階で開場するまで少し待っていた。その間、入口で早坂先生をはじめ、これまでお世話になった他校の講師にもお会いすることができ、なんだか運が良いような気になった。9時に開場したが、私の部屋に入った受験生は私がはじめだった。なんだか勝った気分になる。会場入りしてしばらく、昨年度合格者の再現答案を写経し、気持ちを静めるとともに、「目線」を合格者の目線に変えた。
朝ごはんとして、持参したバナナを半分ほど食べる。
いよいよ事例Tの戦いが始まったが、直前合宿で悪い点をとり、開き直っていたせいか、全く緊張はしなかった。事例Uの最後の問題が終わったところで、最後の問題「2つの視点」が、自分なりには納得のいく切り口でまとまり、白書ミニ事例で一年間やってきたことの効果があったと思うと、感慨深く心がジーンとなった。昼ごはんには、朝の残りのバナナ半分ほどと、コンビニおにぎりで事例Vに備える。試験が終わった後の手ごたえは、「事例Wでやってしまった。」という感じが強く全く受かった気がしなかった。完全に落ちたと思った。
事例Wが終わり帰る時、お茶の水の街の色は、来るときとは全く違った色に見えた。
■おわりに
長文を最後まで読んでいただきありがとうございます。今、平成22年の大みそかに今年を振り返りながら、この合格体験記を書いています。12月10日、合格発表を終えたその瞬間から、クリスマスの街の匂い、青空の色、合う人の表情まで全く違って見えます。応援してくれた人に「おめでとう」の一言を言われるたびに「喜び」があふれ出てきます。合格発表から数週間しかたっていませんが、すでに合格者には実務補習や合格者祝賀会、研究会の情報が飛び交っています。
合格して迎える、クリスマスや年末の休暇の喜びはとてつもなく大きなものです。
是非、紹介させていただいた「合格の5カ条」を参考にしていただき、この感動を味わっていただきたいと思います。
今後は受験生のサポートも出来る限り行っていきたいと思います。下記のブログとツイッターも是非参考にしていただければと思います。
http://ameblo.jp/shindanshi-mugen/
http://twitter.com/mu_shindanshi
以上
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