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合格体験記>平成21年度 第2次試験合格体験記

「日々新た、あきらめなければ必ず願いは叶う」 杉浦直樹  

1.プロフィール・診断士受験動機

 私は電器メーカーで経営企画の仕事に携わっております。入社して30年あまり経ち、約10年の海外駐在経験も含め一貫して海外畑で企画職としての経験が長くなりました。直接の受験動機は、会社生活の最終コーナーとも言える50歳を前に、自分自身の能力の棚卸しをしたかったということでした。企画職といいましても、計画策定や資料作成には長けていても、社外で通用する資格をほとんど持っておらず、企画業務の遂行能力を客観的に評価できる資格で一番近かったのが中小企業診断士でした。元々理系出身のため財務分野が不得意であり、その分野の能力開発にも繋がるだろうと二年頑張ってみれば資格は取れるのかなという軽い気持ちで、某受験校の財務会計の科目クラスに入ったのがきっかけでした。ちょうどそのとき同じ部署の後輩女性社員が診断士の資格を取ったことも刺激となりました。当時は、これがその後の泥沼の苦闘となり、人生観そのものも根本から変えてしまうとは思いもしませんでした。

 

2.受験歴

1次
2次
受験校
H17
× 経営法務
1マーク足きり
受験A校(科目選択)
H18
○ (468点)
× BCAB:B
A校 通信上級本科、受験O校 直前集中
H19
○ (468点)
× CCBC:C
受験B校 大阪本科、受験L校 直前答練
H20
○ (486点)
× BABB:B
B校 通信、MM校 通信、L校 直前答練、B校卒勉強会、AAS GW合宿・アシストゼミ
H21
○ (489点)
AAS通信→大阪本科

 

3.取得資格

 診断士試験のため周辺資格の勉強が役立つと思っていたらこんなに増えてしまいました。

  • 1級販売士
  • 日商簿記2級、3級
  • ビジネス会計2級
  • ビジネス実務法務2級、3級
  • 初級システムアドミニストレーター
  • 実用英語検定 準1級 (診断士とは関係なし)

 

4.夢が叶うまであきらめない・・・多年度受験生の苦闘そしてAASとの出会い

 私の受験生活は苦闘の連続でした。もう駄目だ、何度やめようかと思ったかわかりません。家族にも迷惑をかけっぱなしでした。しかし、これは自分の今後の人生がかかっているという思いだけは捨てずに、「あきらめなければ願いは叶う」を常に胸に秘めてやってきました。 特に連敗したH19のショックは大きく、B校やL校、模試での成績もそこそこ良かったのに、本試験では力を出せずに前年より悪化した評価に打ちのめされました。これは自分のアウトプットの量が少ないためだ(今考えますと、基礎が全然固められていなかったというのが過去のアウトプットを見るとわかります)と思い込んでしまい、H20年には通信クラスを複数校受けたり、あらゆる模試を受けて彷徨っていたとき、たまたまAASのGW合宿に参加したのが転機となりました。

 それまでは他校の答練マラソンのようにとにかく数をこなすことが実力アップにつながると信じていたのですが、このGW合宿で石原先生からずばっと私の欠点を具体的に指摘され、ものすごく新鮮に感じたのです。それまで他校での授業や通信では解説が中心であり、なるほどそのときは納得するのですが、けっして自分の思考のずれに気づかせてくれることはなかったように思います。いわゆる受験の二次ノウハウを形式知では提供してくれるのですが、二次試験では暗黙知として体質化しなくては真の実力にはなりません。その後石原先生からお誘いを受け、当時神戸の事務所で週二回過去問に徹底して取り組むアシストゼミにできる限り参加しました。夜7時から10時まで神戸で行うため、勤務先の大阪市内からの移動も大変で、終わりも10時半ぐらいまで延長することもしばしばで、帰宅すると12時を超えることもありました。かなりきつかったのですが、石原先生の熱血指導はまさしく家庭教師そのものでした。私の悪い癖、特に大企業に勤めている人間の「上から目線」がどれだけ診断助言の本質を外しているかということを徹底して勉強させていただきました。そして知らず知らずの内に、フレームワークが暗黙知で体質化されてきたのが実感できるようになってきたのです。

 それでもまだ答練の量が足らないという思いは強く、他校の通信や模試もかけもちでやれるところまでやりきって受けたのですが、暗黙知が完全にならないまま本試験では相変わらず一人よがりの枡埋め解答のため、その年も不合格となり3年連続二次敗退となりました。家族からはまだやるの、受験そのものがライフワークになってどうするのという冷たい視線もありましたが、逆にここまでやって止められるかという気持ちになり、「あきらめなければ願いは叶う」「成功するまで止めないから失敗というのはない」ということで気持ちを切り替えました。

 石原先生にも何度も相談し、今までの受験歴や私の長所、短所を踏まえたプログラムをカスタマイズしてもらい、本年から大阪本科(当初は転勤の可能性があったため通信でスタート)に参加させていただきました。 AASのプログラムは他校に比べて必ずしもコマ数は多くありませんので、一見コストパフォーマンスが低いと感じられるかも知れません。しかし、中身は比類なきくらい濃いものです。AASと他の受験機関の違いは、一人ひとりの欠点を鋭く指摘し、きめ細かく厳しく指導してもらえることです。

 大手校では2次対策といえどもアウトプットのあとは解答解説だけで、振り返りは添削のみというところが多いのに対し、AASではグループディスカッションを通じて自分の考え方の捻じれに気づかせてくれます。また、先生の熱心な指導は徹底しており、アウトプット後の振り返りで一人ひとりの問題点をするどく指摘されます。毎回クラス終了後に近くのコーヒーショップで反省会があります。そこで石原先生から受験生それぞれに厳しい指摘や激励、課題提起が行われます。時には「そんなことを繰り返して本当に合格する気があるんですか?」という厳しい指導も受けることがありました。まさに受験のトラの穴という感じです。仲間内の勉強会ではそのような指摘はなかなかできません。

 しかし、いくら頭で理解しても実際のアウトプットでは同じ間違いを繰り返すのが普通ですが、AASでは何度でもやり直し再提出を求められ、何度でも添削指導してもらえます。そのうち段々と体が覚える感覚が出てきます。この無意識に体質化することが、本番で素直に事例ストーリーを把握し、タイムマネジメントでき、最後の一押しの答案差別化につながったものだと思います。このような中身の濃い指導を受けられるのは他にはありませんでした。

 私は、典型的な多年度受験生であるため、一応試験に必要な知識は頭に入っておりますし、一次試験もほとんど事前準備なしに毎年合格することができています。石原先生がクラスで話される論点も基本的なことで、繰り返し聞かされることばかりです。しかし、二次は暗黙知としてノウハウが身につかないと、80分のタイムマネジメントの中で合格圏には入りません。AASに出会ったことで、根本的に自分自身の欠点に気づきました。フレームワークに沿って設問文を徹底して理解し、制約条件を踏まえたうえで、問われていることを問われたように答えることの重要性を身につけることができたと思います。

 本試験での点数差は紙一重です。だいたい30点から70点の点数範囲に5000人のほとんどが集中する試験です。おそらく中央値付近には5点ぐらいに1000人規模の答案がひしめいていると思います。こういった試験なのであるという認識に立った場合、各科目で中央値から5点引き離す差別化答案をどう作るかという戦略が極めて重要となります。80分という時間制限の中で5点引き離す最も有効な方法は、AASが提唱しているフレームワーク重視で問われたことを問われたように答えるだけで十分であるように思います。

 今年の本試験終了後に再現答案を作成したとき、あまりにもキーワードを外したベタな内容だったので、今年もだめだと強く感じました。しかし、解答解説会で全体のストーリーとして設問間の整合性が取れている、MECEの切り口をより強調した書き方で解答できたということを解答解説会で確認でき、もしかすると合格するかもという予感はありました。実際、再現答案を見ていただくとわかりますが、何でこんなのが合格答案か不思議な部分も多いと思います。 逆にどこで5点の差をつけられているかという比較をしていただければ、皆さんの自己答案の問題点が見えてくるのではないかと思います。

 最後に、今年の事例Wについて触れさせていただきます。確かに今年の事例Wは作問者が変わったのではないかと思うくらい「何これ?」というものでした。第二問などはまともに解ける問題ではありません。計算問題も記述量も多く、過去問の積み重ねだけでは太刀打ちできなかったと思います。私も計算問題も2つしか合っていませんし、レバレッジの記述も的外れでした。しかし、今年の事例Wで点数をまとめていくうえで、最も重要なのは第一問の経営分析であったのはいつもの年と違いはなかったように思います。長所・短所を生じた原因というような今まで聞かれたパターンではありませんでしたが、原因を与件から抜き出し、収益性・効率性・安全性の切り口からまとめるという点については全く変わっていません。この第一問で点数を確保し、計算問題は1つか2つ、そしてオプションの記述さえできればほぼ半分は取れる事例だったと思います。しかし、第二問や第三問のレバレッジにひきずられるとタイムマネジメントで地獄を見るというように、捨て問題と確実押さえ問題の見極めが勝敗を分けたと思います。捨て問題では点数差はつきません。

 結局、事例Wが失敗したから合格しなかったというのは正しくはないような気がしました。むしろ、事例TからVでプラス5点の差別化ができたかというのがポイントです。それは、実に簡単なことではなかったでしょうか。問われたことに問われたように答える、つまり主述を的確に表現した短文を心がけ、文章は常に因果構文として、結論を先だしした論理パターンを、多面的視点からMECEの切り口を使ってピラミッド構成する。因果構文の「因」は必ず与件を引用し、述語は極力設問の制約条件を解決か、与件の方向性を実現することに「繋げる」というまとめ方で答える。

 また、80分のタイムマネジメントの中で、SWOT分析からドメインを明確化し、設問構造をつかんで事例解決ストーリーを把握することで解答の一貫性を取る。そのノウハウを暗黙知化するための訓練ができていたかどうかが勝敗を分けるというのが4年もかけてたどり着いた結論です。そして、それを徹底的に教えてくれたのがAASでした。

 

5.試験当日

 さすが4年も連続して二次を受けておりますと、場慣れをしているためか緊張とかは全くありません。昨年までは普段やらないような表現で墓穴を掘ってしまっていたように思いますが、今年は普段どおり落ち着いて設問を読むことができました。そのため、主述と制約条件が実にクリアに押さえることができ、少なくとも事例TからVまでは与件を一通り読んだだけで事例のストーリーが見え、設問との関係がはっきりと掴めました。文章表現のまずいところは多々ありますが、まずはこれが勝因の一つではなかったかと思います。

 今年の本試験では、昨年までとは異なり事例TからVまでは何を書いてよいかわからないということはなく、設問、与件ともに鳥瞰的に見えたことで余裕を持って解答することができました。与件の底辺に流れるテーマに沿って、段落ごとの要旨のつながりさえ見えれば、設問にリンクしない与件文に惑わされることが避けられます。とりわけ80分のマネジメントの中で、思い込みが発生してしまい出題者の題意を外すことになるのは、設問の制約条件の意識が弱いか、事例テーマと段落要旨の関連把握ができたかどうかにかかっていると思います。しかも、試験開始直後に設問を5分で読み込み、続く10分で与件を読んだときに、SWOT分析から経営戦略を組み立て、課題解決の方向性テーマと段落要旨、設問関係が見えたかどうかで勝負ありと言えなくもありません。 

 そして続く20分で設問ごとに与件とリンクを張り、解答構成を問われたように組み立てる、ここで35分。あと40分で短文とMECE、因果を意識しながら解答記入してラスト5分で見直し、これで合格答案のタイムマネジメントというのが経験上ベストです。つまり、勝負は最初の15分で決まるということです。いくら事例を掘り下げても、流れるテーマ以外のところでの掘り下げは時間の無駄ですし、題意外れの原因になります。

 テーマを外れた部分でのこだわりは全体を見えなくしてしまい合格からは遠くなります。各受験校の模範解答を見て、細部が見えていないという反省をしがちです。しかし、それらの模範解答は何時間もかけて練りに練って作ったものです。 一方、受験者は80分という制限時間、しかも設問、与件把握を15分で到達した結論での勝負ですので、逆に細部へのこだわりは「木を見て森を見ず」ということにつながります。設問の制約条件と事例テーマと該当企業の方向性の理解を確実に15分以内に行うということが勝負の分かれ目になっていると思います。

 今年は本番をベストの状態で落ち着いて臨むために行ったことがあります。皆さんには役に立たないかも知れませんが、参考にできるところがあればと思います。

1)金曜日に休みを取り、金曜、土曜と大阪市内のビジネスホテルに宿泊し、本試験に  向けてモチベーションを高めた。
2) 宿泊時の勉強は直近3年間の過去問を再度解答し、書くことの予行演習で時間配分  を確認することに集中した。
3)前日の土曜日にはサウナとマッサージで体調を整えリラックスし10時には就寝した。
4)当日は、AAS先生方の応援メッセージを縮小コピーし肌身離さずにお腹に挟んで試  験に臨んだ。
5)当日の頭を活性化するため、朝はドリンク一本とおにぎりで朝食。事例Tが終わった  段階で、MEIJIのぶどう糖チョコレートとオニギリ一つを食べる。
6) 事例U後の昼食も同じくオニギリ一個、事例V後も同じ。平均して糖分を補給し続  けることで疲れきって事例Wで頭が回らないということはなかった (二次2年目の  H19では、事例4が終わったあと精魂尽き果て、地下鉄のベンチで15分ほど放心状  態で吐きそうになった)

 私はようやく苦闘にピリオドを打つことができました。このような私でも今年合格できたのは、石原先生はじめサポートしていただいた先輩、先生方の親身になったご指導だけでなく、一緒に机を並べて頑張った同志の皆さんのアドバイスや励ましがあったおかげと心より感謝しております。

 今後は私自身の診断士としての研鑽も必要ですが、皆さんの悲願達成に向けAASのプログラムにお役に少しでも立てればと考えております。是非来年度には皆さん揃って合格され、社会に貢献できる診断士ネットワークを一緒に築きていきましょう。

 毎日は日々変化しています。未来を予測することは決してできません、しかし未来に起こることの全ては今既に起きているのです。それが見えているかどうかです。皆さんが来年合格することはもう約束されているのです。 既に今の皆さんの努力、思いが形となって見えていないだけです。

「日に新た、あきらめなければ必ず願いは叶う」

この言葉を皆さんへのエールとして送ります。

平成21年度 第2次試験

 
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