正直に申し上げますと、私は単なる予備校周遊者と化していたのかも知れません(後述の受験歴ご参照)。でも根幹になったのは19年度に本科生であったAASの二次試験に対する考え方、捉え方でした。
いろいろ悩んだり考えたりしたかも知れませんが、AAS流を知らずして二次突破は難しい、というのが今の感想です。
また再現答案を見ていただくと分かりますが、実際私のはあまり行けてない答案です。80分という制約の中でしょうがない面もありますが、でもこの時間は全受験生に皆平等です。恐らく合格と不合格の差はほとんどない、と思います。これを読んでいらっしゃる方も同様のことを感じていると思います。然し大事なことは、次回22年度に合格に入るにはどうしたらよいか、をとことん考え尽くし、そしてそのための作戦を練って実践していくことだと思います。
私には偉そうなことを言う資格はありませんが、ストレート合格者もいる中でこの試験に苦労したものだけが言える事実のみを書きました。そしてAAS流を身につけるにはどうしたら良いか、を自分の実際に行ったことを交えて説明しました。本当はAAS流は身に付いていないかも知れませんが、本稿が、特に複数受験者の一助になれば、AAS劣等生だった私も嬉しい限りです。
1.合格したわけ(勝因分析)5つ挙げました。( )内は野球の例えです。
(1)合格指南書の活用(セオリー)
平成20年12月に二次敗退が決まってどうするか悩んでいたときに、まず通学は止めよう、と考えました。理由は、通学しているだけで勉強した気になるため、そして本試験では誰も助けてくれず、自分一人で対峙しなければならないため、です。だから独学に決めました。しかしこれだけでは怖いので、何か柱を、と思い19年度AAS本科生時代にやった設問分解練習を思い出しました。そしてそれが一冊の本になっていると知り、特に最初が試読できたのでコンテンツや概要を確認の上で購入しました。
結局これが今年一番の勝因だったと思います。書いてある内容は見ていただくのが一番だと思いますし、AASに通った方は皆知っていることですが、これを自分のものにして使えることはまた違います。
二次対策は、感覚でできる人は良いですが、やはりある程度の理論(セオリー)は必要だと思います。指南書の冒頭に書いてある「アプローチ」を知り、練習して実践する、この単調な繰り返しを行い、
本書をずっと読み続け、そして書き込みや追加をすることで体にしみ込ませました。
蛇足ですが、「野村ノート」が野球好きの私でも目を見張るセオリー(考え方)を示してくれたのと同様です。素質や感覚ではなく、きちんと決まったセオリーでアプローチすれば、どんな問題でもそこそこ対応できるはずです。そして能力や偶然ではなく、プロセスを決めて自分のできる範囲を広げるための正当な努力がきっと良い結果を生む、と信じました。「努力すれば必ず勝てるわけではないが、勝ったものは必ず努力している。」この言葉を信じております。
(2) 合格者の再現答案(良いフォーム)
何といっても一緒に勉強させていただいた20年度の合格者Sさんの再現答案です。(AASの合格体験記で見られます)彼は当時からAAS流の達人でしたが、その明解で分かり易い解答作成は秀逸です。文章の構成や言葉の使い方など非常に勉強になりました。惜しくも19年度に彼は不合格になりましたが、20年度に合格されています。見た目とは違う真面目な好青年です。
(たすくさん、いろいろ書いてごめんなさ〜い。でもすごく感謝していますよ。)
一方、写経は一切しませんでした(指南書には推奨されてますけどね)が、その代わり再現答案を通じて自分流の解答フレーム作りをしました。この題意をこの字数で聞かれたときはこの方式で、と型を作りました。後述する切り口と解答要素も、この再現答案から学びました。ストレートでも変化球でも必ずピッチャーが投げたボールを打つところから野球は始まるわけですから、まずはこのボールを打つ打撃フォームを決めなければなりません。無料で手に入る宝をむざむざ見過ごす手はありませんね。
(3)推薦図書の活用(知識)
AASで推薦している本は全て読みました。読むだけでなく、体系図にまとめてみたり、あるいはキーワードをまとめてみたり。とにかく他の参考書は一切使いませんでした。(今だから告白しちゃうと、白書は熟読しませんでしたが)二次に知識はいらない、と言う方もいますが、私は知識の要否を議論するよりも解答を書くのに必要なら知っておいたほうが得ですよね、という考えです。
特に次項の切り口のためにも、また必要最低限の知識ぐらい持っていなければ解答の構成要素も思い浮かばず、解答の決め手も打てない、と思います。診断士になっても知識は必須と思えば、その必要性は自明でしょう。後は経営戦略、機能戦略のパターン、環境分析に必須の経営資源の切り口、その他必要な知識などなど。
(4)切り口、解答の金型(素振り)
これが今年の変わったところです。まず切り口の設定。過去問の各設問に照らして、題意に則した切り口をまとめました。AASの模範解答や合格者の再現答案からも拾いました。これで考える時間が大幅に短縮すると同時に、大外しが少なくなりました。
一方でAAS流に背いていますが、SFW(スーパーフレームワーク)は今年は作りませんでした。理由は、フレームワークの位置をとらえても、解答を作成するのにピンと来なかったからです。それよりも聞かれた設問の題意から、どんな内容が主旨で、どんな切り口で書くのか、を考えました。そしてこれを繰り返すことにより、受け口が定まってくると与件本文を読んだときの使いどころが浮かびました。
以前は、与件の使いどころが設問と合わないと全滅=かなりの失点があり、いろいろ迷いましたが、
このやり方を身につけてからは迷わず、逆に設問に自分が答えたい内容が決まっているから、大外しが少なくなりました。
(再現答案を見ていただければわかりますが、どの設問も満点ではないけれど0点はないはずです、財務を除けば。。。)
次に解答要素を想定するのと同時に、解答文章の金型を作り、この金型に沿って与件本文のキーワードを使い、そして更に解答の結論を中小企業診断士らしいキーワードで結びました。(これが指南書にある一次知識です)
こうすることでどんな事例でも失点を少なくし、それなりの答案が書けるようになりました。
(この辺りは指南書に詳しく出ています。今思えばこのアプローチが一番大事だと思います。)
またこれも指南書に背いていますが、春秋の要約も時間の無駄のためやりませんでした。理由は、書いてある内容が診断士試験に関係なく、要約力をつけるよりも、何を解答としてどのように書きたいのか、を優先させたためです。時間は限られており、要約1つするよりも、過去問の設問への解答パターンを考えたほうが効率的だと考えたわけです。
誤解なくば、いずれもAAS流の否定ではなく、当然AAS生として知っている前提で私は解法に使わなかった、という意味です。
(私も実際に写経や春秋もやりましたよ!)
良いフォームで知識を整理し、そして生きた玉のトスバッティングや素振りを毎日繰り返す。単純ですが、これが必要な準備だと思います。
(5)演習量(試合慣れ)
後は上記の(1)から(4)を、過去問や過去の演習事例、今年の新作事例を使って演習(練習)を行いました。これで素振りだけではない、実践感覚と時間感覚を磨きました。
2.具体的な学習方法
(1)学習量
毎朝5時に起きて財務30分、朝出勤前のカフェでの1時間の演習の復習、夜は設問分解練習を30分ぐらい、
そして週末の演習事例への取り組み、というサイクルで勉強しました。
特に土曜日か日曜日(あるいは両日)に図書館に行き、午前中に本試験の時間通りに80分で2事例解いてプロセスと時間感覚を身につけました。実際、この体感により本試験ではタイムマネジメントは考えずに自然に出来ました。
またこれは余談ですが、勉強時間の記録を今年は止めました。やる意味がない、というのが判断根拠です。
やった時間の記録よりも、何をどうやるか、そしてやった結果から次にどんな対策を立てるか、に重点を置きました。
過去の記録よりも未来への記憶を優先しました。
また量もこなすと同時に質も追いました。これもどちらかではなく、当然両方が出来て初めて力がつくことですよね。
(2)学習内容
やったのは、過去問(8年分32事例)の繰り返しと事例演習(通信44事例)だけです。これに公開模試を受けたことぐらいです。
方法論は前述の5点ですが、スケジュールでは以下の通りです。
1月から2月は合格指南書を熟読しながらアプローチを身につけ(キャンプですね)
3月から6月まで過去問の解き直し(4事例X8年=32事例を毎月2年分8事例X4ヶ月)
7月から9月までは新作事例への取り組み、でした。(これがシーズン)
もちろん設問分解練習は1月から継続して続けました。(毎日の素振りは大事)
その中で、設問からの事例テーマの抽出、設問から想定される切り口、そして予想される解答要素、こうしたものを8月からノートに毎日まとめて、これを毎日通勤電車の中で読みながら身につけました。結局他の人が書いたり作ったりしたものは身に付かないので、全て自分の尺度と反省から反復させました。(日本シリーズに向けた相手の研究や自分の弱点の補強)
3.受験暦
|
一次試験 |
二次試験 |
|
平成18年度 |
○ |
X(BADA総合B) |
大手予備校に通学 |
平成19年度 |
受験せず |
X(CBBB総合B) |
AASに通学 |
平成20年度 |
○ |
X(BBBB総合B) |
大手予備校に通学 |
平成21年度 |
受験せず |
○ |
独学+通信 |
長かった受験生活もやっと終わり、もう勉強しなくてよいという安堵感がある反面、今後は診断士として如何に付加価値をつけられるか、を考えていきたい、と思います。石原先生にはいろいろお世話になりながらお応えすることがなかなか出来ませんでしたが、本稿がその小さな恩返しになれば、と思い、書いた次第です。特に私のように複数受験して何回も苦い思いをされている方は、オバマ大統領ではないですが何らかの「Change」が必要だと思います。
「夢は実現するためにある。」そのために頑張ってみませんか?
そして「朝がこない夜はない。」の通り、いつか暗いトンネルから抜け出せれば、そこには違う自分が確実にいるはずです。 |