○ はじめに
私にとって診断士試験の初受験となった昨年(H20)は、残念ながら1次試験に合格できません
でした。そのため今年(H21)は1次からの再挑戦となりましたが、今年こそは 1次、2次をストレートで
合格する決意でした。そのためには2次試験の早期対策がキーだと考えました。
2次試験はご存じの通り筆記試験であり、正解が公表されていない上に、必ずしも1つではありません。
そこで、自分の答案を客観的に添削してもらい、適切な指導して頂ける環境が大切だと考え、AASを
選択しました。2次に一発合格できたことで、この選択が正しかったことを証明できたと思います。
ここでは、AASで1年間勉強した中で、自分なりの勉強方法や考えたことを記します。
これから2次試験の合格を目指す方々にとって、何か1つでも参考になることがあれば幸いです。
○ 受験歴
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1次 |
2次 |
備考 |
平成20年 |
× (3科目合格) |
-- |
大手通信 |
平成21年 |
○ (5科目受験) |
○ |
AAS 通学 |
○ 勉強方法
・1次試験以前
1月からAASに通学を開始したものの、2次挑戦権がなかった私にとって、まずは1次試験に合格しないとAAS に通っている意味が無くなってしまいます。そこで1次試験が終了するまでは、2次試験向けの勉強を「AASの予習・復習」「AASのWeb 教材」「過去問を少し」に集中していました。
そのため AASの特徴である FAX 添削による春秋や設問分解はあまり回数をこなすことができず、
AASのメリットを十分には活用できていなかったかもしれません。
ですが、受験1年目に2次試験の勉強が皆無だった私にとって(実際80分で事例を解いたことすら
AAS 通学後のアウトプットが初めてでした)、2次試験の考え方(フレームワークや切り口)や解き方を
イロハから教えてもらえたことは非常に効率良く勉強できた要因でした。また、理解度が不十分ながらも定期的にアウトプットを繰り返すことで、「読む・考える・書く」の下地ができてきたことが、1次試験
以降のラストスパートで役立ちました。
ちなみに、この頃の AASでの成績は「下の中」くらいで、合格には程遠いレベルでした。
・1 次試験以降
無事に1次試験に合格でき、2次試験に集中できるようになりました。ですが、2次試験まで 2ヶ月
しかなく、それまで1次試験中心で勉強してきた自分にとって、非常に短い期間でした。
その時点までに過去問も1,2年分くらいしか解いたことがない状態だったので、まずは各事例ごとに
1週間を割り当て集中的に過去問を学習しました。(先週は事例T、今週は事例U、というように。)
平日には学習時間があまり取れなかったので、1週間では3,4年分くらいしかできませんでした。
ですが、本試験の問題を年度を串刺しして解くことで、事例ごとの特徴、与件や設問の言い回しなど、
何となくクセのようなものが見えてきました。感覚的なものなので言葉で表現できないのですが、
アウトプットや模試とは異なる本試験問題ならではものがあると思います。
結局、事例T〜Vは各 1 週間、苦手だった事例Wには2週間かかってしまい、計5週間も要して
しまいましたが、事例ごとに集中したこの期間に自分の実力が大きく伸びたと思います。
と言っても、それまで全然できていなかったレベルだったのが、やっと人並みになったくらいです。
ここから更に成長しなければ合格レベルには達しないと思っていました。
この頃AASの直前合宿がありましたが、成績は「中の上」くらいで、もう一歩のところです。
直前合宿も終わり試験まであと2週間という頃、現在の自分が合格レベルに達するのに必要なことを
考えていました。そのとき、ちょうどAASの最後のアウトプット(財務)がありました。4月からずっと
言われ続けていたことですが、最後の授業でもあらためてストーリーの重要性を教えて頂きました。
もちろん頭では理解していたつもりでしたが、最後のアウトプットを通じて事例の読み込み不足や
思考の浅さを知り、自分に欠けているのはこれだと気付きました。
(授業が終わった後に希望者が残って、先生の事例の読み方をじっくりと見させて頂きましたが、
それまでの自分の読み方・考え方が如何に薄っぺらいものだったかを痛感しました。)
少し話はそれますが、実はAASで習うこと(エッセンス)はそれ程多くなく、1 年間最初から最後まで
同じことを何度も繰り返し指導されます。また、全ての講師が一様に同じことを言うので、生徒としても
学習方法がぶれることなく、安心して付いていくことができます。
話しを元に戻します。最後の授業で自分に不足していることが分かったので、本試験までの2週間は、
事例ストーリーを構築することを主眼に勉強しました。
具体的には、@与件と設問を読み、A事例企業の進むべき方向性を考え、B設問の解答骨子を
作成する、ことを何度も繰り返しました。私は試験開始40分後から解答を書き始めることにして
いたので、ちょうど試験開始から40分までを何度も練習したことになります。この練習で
与件企業についてマクロ的な視野で捉えられ、一貫性をもった思考が行えるようになりました。
ですが、ちょうどこの頃仕事が忙しくなり、80分のまとまった時間を取ることができなくなってしまい
ました。結局、本試験まで最後2週間は1回も80分で問題を解く(解答を書き上げる)ことができませんでした。しかし、合格するために自分に足りないものは「書く力」ではなく「考える力」だと理解していたので、あまり不安にはなりませんでした。
○ AASで学んだこと
最初に述べたとおり、私は1次試験の勉強をしなければならず、2次試験の勉強に割ける時間は
あまり多くありませんでした。そのため、あれこれ手を広げずに、AASの講座に集中していました。
講座の中では具体的なノウハウや試験に対する臨み方など様々なことを教えて頂きましたが、その中でも私が特に大切だと感じた点が3つあります。
(1) 自己改善の繰り返し
2次試験に合格する勉強方法はひとつではありません。むしろ、受験生ひとりひとり、その能力や
置かれている状況が異なるのだから、勉強方法も異なります。
しかし、誰にでも共通して言えることは、自己改善の繰り返しが大事だということです。
すなわち、今自分に不足していること(=現状)を把握し、あるべき姿(=先生、過去の合格者)との
ギャップを認識し、そのギャップを埋める対応策を考え、実行することです。
この際、自分の現状を知るのにAASのアウトプットの添削や先生からのコメントが役立ちました。
また、あるべき姿である合格者の答案を豊富に見ることもできました。更に本科では、昨年の合格者
から実際の解き方を直接教えて頂ける機会もありました。
私の自己改善の一例として本番での時間配分があります。私が本番で行った解き方のベースにしたのはAAS のテキストに書かれている方法です。しかし、その方法を試してみると自分に合わない部分があったので、先生のアドバイスや昨年の合格者の解き方をヒントに、自分にとってより快適な方法を研究し最適なものを見つけました。
このように、解き方や考え方などを常に改善し、合格レベルに近づけていくことが重要です。
(2) ストーリーの一貫性
既に述べたように、私は試験直前期にはストーリーの一貫性を取ることに重点を置きました。
それは、自分に不足していたからという理由もありますが、本試験においても非常に重要なポイント
だからでもあります。
2次試験は企業診断そのものです。受験生は診断士(の見習い)として事例企業が幸せになるような
全体的な絵(ストーリー)を描く必要があります。そして、その会社の進むべき道を示すことで、
A社〜D社の社長さんに安心感を与え、かつ、やる気にさせなければなりません。
この方向性を間違えてしまえば、事例企業がよくなることも自分が試験に合格することもありえません。
極端なことを言ってしまえば、各設問について細部で間違ったことを解答したとしても、全体的の方向性が正しければ十分合格ラインに達すると思います。そのためにも、細部にとらわれず、全体ストーリーを
しっかりと構築することが大事になります。
(3) 問われたことに問われたように <与件重視>
事例企業が幸せになるストーリーを構築すると言っても、何でも自由に想像してよいわけでは
ありません。そこには「与件」という大きな制約条件があります。ストーリー構築に使える情報は、
この与件だけなのです。すなわち、ストーリー構築に必要な情報は全て与件にあると言えます。
与件に書かれていることを素直に読み、設問で問われていることに対し国語的に素直に答えれば
十分なのです。無理して自分のオリジナリティを発揮する必要はありません。
私は、勉強段階では自分の言葉で多少の色付けをして答案を書いてしまうクセがあり、着眼点は
外していなくても、正解とは少し異なった解答を作ることが頻繁でした。そこで本番では、自分の
勝手な言葉は封印し、些細な言葉であっても極力与件の言葉や情報をそのまま用いるようにしました。
また、私は 1 次試験があったため、2 次試験の勉強量は少ない方だと思います。そのことが逆に
良かったかもしれません。と言うのも、様々な事例の経験や知識があると、それに流されやすくなって
しまうからです。経験や知識が少ない方が素直に与件を読め、国語的に考えられると思います。
○ 試験当日のこと
最近は減っていますが、私は昔から小説を読むのが好きな方でした。試験直前期には与件と設問を
読んでストーリーを考えることばかりをやっていたせいか、事例を解くのが小説を読むように楽しくなってきました。本試験においても、今まで読んだことがない新しい小説を手渡された感じで、わくわく感で
いっぱいでした。そのお陰であまり緊張せずにすみ、試験中も楽しんで解くことができました。
「難しい問題だったらどうしよう」とか「落ちたら嫌だな」とかマイナス思考では自分の持っている
パフォーマンスを十分に発揮できません。そういったことは考えず、試験問題を単なる小説として
楽しむくらいの気持ちで臨んでみるのも良いかもしれません。
○ 最後に
これをお読みの方は既に他の合格者の体験記もご覧になっているかと思います。そこでお分かりのように、勉強方法は人それぞれ全く異なります。理由は、その人がベースとして持っている知識や考え方が異なるからです。
私は上記のような勉強方法で合格することができましたが、他の人が同じ事をして合格できるとは思いません。
あくまでも自分に必要なものを補うように勉強することが大切です。
これから2次試験の合格を目指される皆さんが、自分に不足していることを知り、それを解決することで無事に合格されることを祈っております。
○ 謝辞
本科でお世話になった鷺山先生、宮沢先生、荒井先生、渡辺先生、そして合宿等でお世話になった
先生方、昨年の合格者の皆様、本科授業で一緒に事例を考え合った仲間たち、本当にありがとう
ございました。
AAS のお陰で効率的に勉強でき、少ない勉強時間で合格に辿り着くことができました。
しかし、AASでの勉強を通じて「合格」以上のものを得たと思っています。それは、ものごとに取り組む姿勢です。単に与えられたものを行うのではなく、自分の頭で考え、自分で判断し、自分で行動するということです。これは診断士としてだけでなく、ビジネスマンとして大きな財産になると思います。
1年間、楽しく学ばせて頂き、ありがとうございました。
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