■ はじめに
合格発表の12月11日(金)は、顧客の大手企業で「品質に関する講演会」があり、それが終わって会社へ戻った時間は17時30分を過ぎていました。どうせ駄目だろうなあと思いつつ、PCを立ち上げて診断協会のホームページを見ました。大阪地区を開いて自身の受験番号を発見した時は、正直言って合格した喜びよりも、信じられないという当惑の方が先に立ちました。
2次筆記試験終了後、AASを始めとして各受験校の模範解答をチェックしましたが、どれも自分自身の再現解答とは異なっており、事例Wの計算問題も複数問間違っていたことから、今年も駄目だと思い込み、22年度の1次試験対策(再度1次試験からの挑戦になります)として、単科の講義を受講できる学校を模索していたところでした。
とりあえず石原先生の携帯に電話をしたところ、開口一番おめでとう!と先に言われてしまいました。受験番号をお知らせしていたので、私の合格を先にご存知だったようです。それからようやく、じわじわと合格の喜びが湧き上がってきました。それでもなぜ自分が合格したのか、半信半疑の部分があり、再度ホームページに掲載された受験番号と、自分が持っている受験票の番号を確認したくらいです。
これは私の勝手な想像ですが、今回の2次筆記試験が結果的に不合格だった方と、合格した私の答案との差は、極めて僅かの違いであったと思います。
今年2次筆記試験に再チャレンジされる方々のために、ぜひ申し上げておきたいことは、合否の境目は決して力量の差などではなく、一寸した視点の違い、考え方の違い、表現の違いであるように感じられます(事例Wの計算問題は別ですが)。そして、そのことが中小企業診断士2次筆記試験を、より難解に、より複雑に見せているのだと思います。
■ プロフィール
私は満58歳になってから、中小企業診断士の資格取得を目的として学習を開始しました。
他の方々と比べて非常に遅いスタートですが、京都の中小企業(製造業・従業員150名)に36年間勤務して、資材(購買)⇒営業⇒技術管理⇒品質保証と所属部門を渡り歩いて参りました。弊社は中小企業ではありますが、それでも弊社の下請けを主業とされる組立配線の協力工場や、外注加工業者は20〜30社におよび、従業員2〜3名の小規模企業から80名以上の中規模企業まで、様々な会社と取引をしております。
資材・営業・技術・品質保証とそれぞれ立場は異なりますが、長年に亘って各外注協力企業と関わり、その経営実態をつぶさに見てきた感想としては、「社長が自らの会社を俯瞰的に見て、中長期的に、計画的に、かつ積極的に、上手くビジネス展開を図れば、経営はもっともっと安定して拡充するのに・・・・・・・・・・・」という強い思いでした。
規模が小さい企業ほど、社長自身が日々の仕事の段取りや、納期対応や、資金繰り対策に追われて、折角訪れている筈のビジネスチャンスを次々と逃していました。
私は、日々苦労されている外注協力企業の社長さんの姿を見て、残された人生をこのような企業や社長さんのために、少しでも役立つことができれば・・!という気持ちで中小企業診断士の資格取得を目指しました。
■ 受験歴
受験年度 |
一次試験 |
二次試験 |
|
平成18年 |
× |
― |
|
平成19年 |
× |
― |
|
平成20年 |
○ |
× |
CABDB |
平成21年 |
― |
○ |
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1次試験を目指した平成18年度はTAC、19年度からLECに通学しました。平成20年度にやっと1次試験に合格して、2次試験に挑戦しましたが、記載している成績であえなく敗退しました。(この時点で、課題は事例Wだという認識を強く持ちました)
このまま漫然と学習を続けていても、21年度の2次試験も危ういと考え、どのようにして学習に取組むべきか迷っている時に、偶然AASと出会うことができました。
■ AASとの出会い
1次試験、及び2次試験学習の目的で、平成19年から「企業診断」という月刊誌を購読しておりましたが、その中に毎月トレーニング用の事例問題が掲載されており、AASの石原先生が作成された問題も数多くありました。
掲載された事例問題には、解答用紙と構造化シートをダウンロードするために、AASのホームページアドレスが記載されていましたので、事例問題にトライする都度、何度かホームページにアクセスする機会が発生しました。
AASが中小企業診断士2次試験の専門校であり、他の受験校とは一味違う独特の学習方法を採っていることもホームページで知りました。平成20年の12月頃、翌年の2次試験に向けて、今後どのようにして学習に取組むべきか悩んでいた時に、AASのホームページで大阪本科生の説明会が開催されることを知りました。
いま振り返ってみてつらつら考えますと、この説明会に参加して石原先生にお目にかかれたことが、私の2次試験合格への入口であったと思います。説明会と合格答案分析会に参加して、石原先生や合格者のお話を聴き、その場で直ぐに入学を決定しました。その後は、カルチャーショックの連続(他の受験校とは全く異なる指導方法)でしたが、結果的にはそれが私に合格をもたらしてくれたと感謝いたしております。
■ 学習方法
1次試験の段階で、経済学と経営情報システム、財務会計が自身のウィークポイントであると認識できていましたので、診断士の学習を続けるかたわら、日商簿記の3級、2級の検定試験に挑戦しました。日商簿記の2級に合格したのは平成21年の2月です。合格答案分析会で、前年合格者の五十田さんから事例Wでは簿記の知識(それも1級レベル)が必要だと伺っていましたので、財務会計の学習にはかなりの時間をかけて注力しました。
これも1次試験レベルですが、経営情報システムに対応するため、初級シスアドの受験を目指してテキストを購入し学習をしました(結局受験はしていません)。経営法務への対応としては、東京商工会議所が主催する「ビジネス実務法務検定試験」を受験して2級に合格しました。(2次試験にはほとんど関係しません)
AASで学習するようになってからは、アウトプットの事例学習と、2次試験の過去問分析と、財務会計の学習が主流になりました。石原先生から与えられた、「戦略フローワークシート」の12事例トレーニングが、結果的には自分自身のスキルアップにつながったと考えています。
■ 試験当日
試験会場の大阪商業大学へ行くために、近鉄電車の駅を降りたところでAAS本科のクラスメートとばったり逢いました。前回はかなり緊張していましたが、今回は精神的にリラックスできているので自分自身でも意外でした。
テキストや資料を沢山持って行っても、ほとんど無意味だということを、前回の受験で痛いほど経験していましたので、AASの2次試験対策資料のファイル1冊と中小企業白書の要約だけをカバンに入れておりました。
スタートの事例Tは、例によってSOWT分析から始まりましたが、平成20年度の事例Tと同様、設問にひとひねり加えてありました。設問の第1問〜第5問までと、与件文全体を通読して、事例企業の全体像と問題点がかすかに見えてくるような気がしました。
前回の場合は、ここで設問に拘り過ぎて深入りしてしまい、全体的に整合が取れない解答を作成してしまうところですが、今回は全体像のイメージ把握から入って、A社が置かれた経営環境と課題、今後は一体どうしたいのかを、組織・人事の問題として考えるようにしました。
■ 最後に
冒頭の「はじめに」の欄にも記載しましたが、中小企業診断士2次筆記試験の合格と不合格の違いは、極めて僅かのものだと考えられます。
前回は不合格、今回合格を体験した私にとって、その違いを何と表現したら良いのか現在のところは解りませんが、知識や力量の差では無いような気がしています。
あえて言うならば「ものの見方」というか、事例問題を解く際のこちら側の視点位置と「考え方」が、最も重要なのではないでしょうか。
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