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合格体験記>平成19年度 第2次試験合格体験記

「実務補習期間を含めた2次試験へのアプローチ」 尾崎 博信  

■ はじめに

2 次試験の回答内容に関して協会から公表されているものは出題の趣旨に限られており、「〜するのが正しい」とは断言できない事項が多々あるかと思います。よって、ここでは自身の体験を羅列するにとどめさせていただきますが、番外編として最後に 2 次試験後の実務補習からの私なりの気づきも記載しておりますので、併せてご参考にしていただければ幸いです。

■ 受験歴 

  1次 2次 2次試験(筆記)評価 
平成16年度 ×  
平成17年度 ×  
平成18年度 × AAAC⇒総合 B  
平成19年度 合格 

■ AASとの出会い(平成18年度)

平成 16 年度及び平成 17 年度は経営法務と運営管理の足きり( 40 点)に悩まされ、 1 次試験で敗退していました。平成 18 年度より 8 科目 1,000 点満点から 7 科目 700 点満点に変更され、科目合格制が新たに導入される過程で懸案の経営法務と運営管理が易化し、両科目とも 60 点を切らなくなったことで、 1 次試験は通過できるようになりました。

しかし、 2 次試験については協会が解答例を一切公表していないこともあり、具体的に何をどう書けば得点につながるのか、自分が作成する答案の何が良くて何が悪いのか、全く判断がつかない状況でした。この時に書店でたまたま AAS の書籍を目にし、「正しい答えではなく論理の妥当性で勝負する」という方針に関心を持ちました。過去に行われた石原先生による単発のセミナーが DVD 化されているのをホームページで確認し、藁にもすがる気持ちで視聴したところ、回答に至るプロセスが明快で一気に視界が広がったことから、 AAS のフレームワークを基に回答を作成することに決めました。

2 次試験日までの期間が限られていたため、購入した 3 本の DVD を 1.5 倍速で繰り返し視聴し、本文の読み方、設問分の読み方、回答に用いる本文の該当箇所の特定の仕方、回答の際の切り口などを頭に叩き込むと共に、過去問を 80 分間で解く訓練に努めました。ただ、残念ながら自身の回答を AAS で添削してもらう機会は一度しかなく、その一度も各事例とも 60 点に満たない結果でした。この時点で今回の 2 次試験はまず通らないだろうと思い、合格発表を待たずに過去問中心のアシストゼミに通い始めました。

■ 平成18年度の敗因分析

事例Wの敗因は、計算ミスに加えて、配点の高い第 1 問の記述部分で、「問題点」と「その原因」が問われているのにも関わらず、数値自体の分析・説明をするなど全く設問に答えていなかったため、とはっきりしていました。事例T〜Vの結果については、良かった理由を明確にできないことから偶然と位置づけ、アシストゼミに通うことで過去問を題材に基礎固めに注力することに決めました。

■ 2次試験の勉強方法

6 月までは事例T〜Vのアシストゼミの受講を、 1 次試験終了後から 2 次試験日までの直前期は事例Wのアシストゼミの受講と DVD の視聴を中心としました。前年の結果を受け、 AAS 流の考え方で十分に得点できると感じたため、アシストゼミ・ DVD に絞って妥当性のある読み方、書き方を定着させることを優先し、勉強時間、事例問題に取り組む回数などは気にしないようにしました。アシストゼミも DVD も全て過去問が題材となっており、合格年度で過去問以外に取り組んだ事例問題は結果的に GW の合格判定合宿のみでした。

2 次試験は模範解答例が示されておらず、勉強をしたとしても自分の勝手解釈によって間違った方向に進んでしまう恐れが十分にあるため、私は自主的に回答を極めていく類の勉強法は取りませんでした。あくまでもアシストゼミ・ DVD での回答へのプロセスを素直に受け入れるよう心掛け、書く方は 80 分間という限られた時間の中で書ける内容で十分と割り切りました。事例問題を時間無制限で解く等により記述内容をより一層高めようとする方法や、有志の勉強会により意見交換をしながら記述内容をより高めようとする方法は、気が付かないうちに自分で誤った解釈をしてしまう恐れがあると思い、私は行いませんでした。この辺は人によって様々な考え方があると思います。

直前期に気を付けたことは、数本の DVD (過去問解説)を繰り返し視聴して知識や回答のプロセスを定着させることに絞り、それ以外のものには手を出さないことでした。直前期に勉強を重ね、難しく考え過ぎてプレッシャーを感じるよりも、駄目でもともとの楽な精神状態で試験会場に行き、数少なくともきちんと定着している知識や回答のプロセスを基に書けることを書くということの方を私は重視しました。これらは、前年に実行して結果が出た(あくまでも事例T〜Vですが)方法でしたので、敢えて変えないようにしました。

■ アシストゼミについて

AAS のアシストゼミは少人数制がゆえの良さがありました。主に過去問を題材に、一事例を 1 日かけて学習するのですが、講義中に何度も当てられ、それを繰り返しているうちに重要事項が見えてくる気がしました。事例T〜Vの講義の進め方は以下の通りでした。

 ( 1 )最初の 2 〜 3 時間で本文と設問文の解釈をじっくり行う
 ( 2 )実際に 60 〜 80 分間で答案を書く
 ( 3 )受講者全員の答案のコピーを配布し、受講者 1 人 1 人に対して、設問ごとにその回答に至った
     根拠となる与件・問題文の該当箇所等について説明を求め、解説を行う。

当初は( 1 )で先生に当てられてもほとんど正しく答えることができず、自分の国語力のなさを思い知らされました。また、事細かに文章の解釈、書き方を解説してもらっているにも関わらず、( 2 )でそれを答案に表現することができない、という悲惨な状況が毎回のように繰り返されました。事例T〜Vについては、ほぼ全ての過去問のゼミに参加したのですが、その過程で( 1 )・( 3 )で毎回のように先生に問われること、指摘されることが重要事項として自分の中にインプットされ、力になったのだと思います。

事例Wについては、ある特定の年度の過去問というよりも、過去問の出題のパターンをいくつかに分類して徹底的に演習する形式のゼミに参加しました。私の場合は特に事例Wの第 1 問の答案の書き方に問題があったため、それを修正していくうえで非常に有用でした。

■ 平成19年度の試験場での取り組み

自分の中で最も気をつけた点は、リラックスした良い精神状態で当日を迎え、普段通りに取り組むことでした。答案を作成する際に心掛けていた点は以下のようなシンプルなことばかりですが、全てアシストゼミで先生から言われ続けてきたことです。

 ( 1 )タイムマネジメントをきちんと行う。
 ( 2 )問題文を読んだ段階で主語・述語をあらかじめ決めてしまう。
 ( 3 )できるだけ本文の用語を活用して回答するように努める。

全事例の全問でこれらを実行出来た訳ではありません。ただ、私の場合には、前年に不合格となった理由が、事例Wで計算の方ばかりに気を取られ( 2 )がおろそかになり、問われていた「問題点」と「その原因」以外のことばかりを記述してしまったためと分析していましたので、( 2 )だけは必ず守るよう強く意識しました。くどいようでも問われたとおりに、「理由は」「方策は」と書く癖をつけることにより、仮に当日冷静さを失ってもその後ろに見当違いなことを書く可能性が低くなると思いますし、答案を読む側もそこに「理由」や「方策」が書かれていると最初から思って読んでくれるのではないかと思います。

( 1 )タイムマネジメントは、私の場合は 30 分間考えて残りの 50 分間で書くということをベースにしていました。 100 点満点を 50 分間で書くということで、配点÷ 2 に当たる分数を大まかな回答の目処と設定し、回答の方向性がどうしても見えて来ない設問については無理に深入りせず、半ば捨て問題としてしまうようにしました(事例T:第 4 問の設問 3 、事例U:第 3 問の設問 2 、事例V:第 5 問、事例W:第 1 問のA C ・B C )。

( 3 )本文の用語の活用は、回答が題意から外れていくことを防ぐための方法として気をつけていました。協会から発表されている平成 19 年度の出題の趣旨によると、事例Tの「客観的に分析する能力」、事例Uの「分析する能力」「整理する能力」、事例Vの「把握する能力」など、本文の内容からそのまま回答することが求められる部分の配点が半分前後はあると見られます。また、主に「助言能力」が問われる残りの配点部分についても、本文の用語を活用することで題意から外れていくリスクを減らせると思いますし、字数と時間を稼ぐこともできます。 80 分間という限られた時間で、「助言能力」を問う問題について、自分の言葉のみで題意を外さず回答してことは難しいと私自身は感じました。

私の場合、いい回答をしようと考え過ぎると、時間を浪費するだけでなく逆に変な内容・文章構成となる傾向があったため、割り切ってとにかく書いてしまうことを心掛けていました。また、設問文を読んだ時点で頭に浮かんだ MECE などの回答の切り口と、本文から自分が書きたいと思った点がうまくリンクしない時には、切り口に固執せずあくまでも本文からのアプローチに則るようにしていました。

■ 実務補習(番外編)

最後に、番外編として 2 次試験合格後の実務補習を取り上げさせていただきます。 2 次試験ではわずか数ページの本文を基に 80 分間で回答することが求められますが、実務補習についても、初日のわずか 2 時間程度のヒアリング情報をベースとして、平日夜の自習期間を含めた 11 〜 12 日間で診断レポートを完成させるスケジュールとなっています。与えられた情報・時間が限定される中で最善を尽くすという意味で、その取り組み方については類似点があると思います。また、私達の班では 5 人のメンバーのうち私以外の 4 人が 2 次試験を 1 度目で合格していたことから、当班の作業の進め方やメンバーの特長の中に、 2 次試験合格へのヒントとなる点があるのではないかと感じました。私達の班のタイムマネジメントは、概ね以下の通りオーソドックスなものでした。

1 日目:ヒアリング、環境分析
2 日目:課題抽出、全体戦略策定、各パートの戦略策定・大目次設定
  (平日 5 日間+α:個人作業による各パートの執筆)
3 日目:各パートの内容確認、パート間の整合性確認、修正
4 日目:誤字・脱字等の最終確認、目次・協会指定の共通フォーム等の作成、印刷
5 日目:プレゼンテーション、反省会?

以下、当班の特長です。

( 1 )全員がほぼ均等に発言し偏りがない。メンバーの意見は否定せず受け入れ、「〜すべき」などの押し付けもない。
( 2 )大枠・全体の流れを重視する傾向にある。全体作業において細かい論点にこだわる人がいないため議論が脇道に逸れない。
( 3 )それほど意識しなくてもメンバーの考え方の方向性が一致してくる。
( 4 )各パートの整合性が概ね取れているため作業がスケジュール通りに進む。

班によっては 2 日目の議論が本筋から外れるなど迷走したまま時間切れとなり、 3 〜 4 日目で整合性が取れず、戦略策定・ドメイン設定等の見直しを強いられたところもあると聞きました。私達の班は、 1 日目の夜の自主学習を含め、特に 2 日目までに重点を置いて徹底的に根幹部分の議論をしていたため、 3 日目に一部パートで修正点が出たとしても、中心部分からやり直しになるようなことはありませんでした。

2 次試験では、時間に追われることで各設問に対してのミクロ的なアプローチに偏ってしまい、診断のメインテーマや答案全体の整合性への意識が希薄になってしまうことがあるかと思います。また、特に受験者の得意分野において起きることなのかもしれませんが、無意識のうちに自身の主張や先入観が強く働いて本文や設問文を素直に受け入れていなかったり、細かい論点にこだわって答案が脇道に逸れてしまうこともあるかと思います。私自身はこの両項目について不安がなかったと言えば嘘になりますし、両項目への対応が正解につながると言い切れるものでもありません。ただ、 1 度で合格した他のメンバーは、時間が限られる中、重視する点と一種の割り切りの線引きが、(あくまでもこの試験が求める)正しい方向できちんと行えていた人達なのだと思います。タイムマネジメントについては、スケジュール通りに答案作成が進まない理由をきちんと特定できるかどうかにかかっているような気がしました。

AAS のフレームワークは、実務補習でも随所に役立ちました。実務補習は日程的にハードですが、素晴らしいメンバーとの出会いがあります。残念ながら、登録後のことは現段階では記載することができませんが、実務補習までの私の体験の中で、 1 つでも 2 次試験へのアプローチとして皆様のヒントになることがあれば幸いです。

平成19年度 第2次試験

 
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