■受験歴 1次6回 2次4回
■はじめに
12 月 8 日の筆記試験合格発表の日、診断協会の HP で自分の番号を見つけた時、最初は信じられず何度も見直しました。この体験記を書いている今でも、正直、合格できた要因は何かと問われると自分自身で明確なものを示すことができません。ですので、この体験記は、合格発表から現在までにいろいろと考えたことを中心に、来年度合格を目指す方々に 1 つでも参考にしていただければと思い書きたいと思います。
■平成 17 年度まで
平成 17 年度までは、大手受験機関に通学していました。成績は特段良くもなく悪くもなくといった感じで過ぎてしまいました。そのころも 2 次試験に合格できない原因をいろいろ自分なりに分析もしてみましたが、今改めて振り返ると、「読む・考える・書く」という診断士試験に不可欠かつ基本的な合格答案を書くためのスキルが、自分自身に身についていなかったことが原因だったと考えます。
平成 17 年度の 2 次試験が終わった後、再現答案を書こうと思っても何を自分で書いてきたのか全く思い出せませんでした。何を書いてよいのか分からず、「とにかく埋めなくては」との思いから自分の頭のなかで(勝手に)考えて 1 次知識をあてはめてとにかく書いたといった感じでした。
■AASとの出会い
平成 17 年度本試験の合格発表の後、それまでの受験仲間といろいろ情報交換をしていた中で、平成 16 年度まで同じ大手受験機関に通学していた佐原さんがAASに行って合格したと聞き説明会に参加したのが最初です。正直、AASに決めるまでにはいろいろと迷いはありましたが、気持ちを切り替えるという意味でも環境を変えてみたいとの思いもあり、AASにお世話になることを決心しました。
また、佐原さんにメールでいろいろ質問したところ、本当に懇切丁寧に教えていただきました。今でも本当に感謝しています。AASに決めた重要な要因のひとつとなりました。
■AASでの 10 ヶ月間
AASの良かったところは、@春秋トレーニング、A設問分解、Bアットホームな雰囲気、が挙げられます。
@春秋トレーニング
これは、日経新聞の春秋を40字で要約するというものです。2月〜本試験前日まで継続してやりました。最初の頃は、自分で難しく考えて複雑な表現で書いていたため、全くダメでした。鷺山先生からのコメントや質問に対する返答などを参考にしながら、自分自身のクセを認識し修正していくことができました。また、途中からは鷺山先生からのアドバイスにより春秋の写経もやりました。改めて考えると、この春秋トレーニングは「読む・考える・書く」スキルを身につけるのに非常に有効な手段だったと思います。
A設問分解
これは、事例問題の設問文について行う「設問分解@」と、解答(模範解答・自己解答)のロジックの検証を行う「設問分解A」に分けられます。
設問分解@は、事例問題の大前提のテーマである「問われたことに問われたように」解答できるようにするためのトレーニングです。これは、本試験の際に本当に役に立ちました。昨年度まで自分の頭で考えてしまい、あとで思い出せないくらい訳のわからない解答を書いてしまっていた自分にとっては本当に有効なものでした。
設問分解Aは、解答ロジックを自分の目で確認するとともに、与件文の活用方法や分かりやすい文章表現を習得するのにも有効でした。例えば、学習中に「どうしてこの模範解答が導かれるのか」といったことを考えることが多いと思います。それを題意や制約条件を確認しながら書いて目で確認することができます。また、模範解答を書き写す作業も文章表現の確認になるため、「考える・書く」スキルを身につける手段として役立ちました。
これらについても春秋トレーニングと同様、鷺山先生をはじめとする講師の方々の添削コメントなどが自分自身を見つめ直すきっかけとなり、修正していくことができました。
Bアットホームな雰囲気
AASの講義は、事例を解いたあとに解説をしながらディスカッションを行います。4〜5人のグループでいくつかの設問についてディスカッションしてグループごとに発表していきます。良かった点は、余談も交えながら自分の気がつかなかった点や他の人がどうしてその解答を導き出したのかといったことが直接聞けたことです。また、昨年合格された講師の方々の考え方も聞くことができた点も良かったと思います。少人数制ならではのアットホームな雰囲気で楽しく講義を受けることができました。
■診断士試験はPDCAサイクルで
改めていろいろ考えた中で1つ言えるのは、診断士試験は受験勉強も実際に事例を解くのも「PDCA」サイクルが不可欠だということです。
@受験勉強
これは当たり前のことだと思われるでしょう。でも当たり前のことをできないと合格への道のりは遠いと考えます。具体的にPDCAサイクルにあてはめると、P(目的と手段の明確化)、D(手段の実行)、C(実行した手段から目的に対する答えもしくは仮説を考える)、A(アウトプットでの確認・修正など)、となります。
ここでひとつ申し上げておきたいことは、目的と手段をきっちり分けておくことが大切であるということです。というのは、自分もそうだったのですが、「なぜこれをやるのか」ということをはっきりさせておかないと手段が目的化してしまうからです。つまり、トレーニングをやることが目的となってしまい、ただ量をこなすだけで「気付き」が得られなくなってしまうということです。
A事例を解く
これも具体的にあてはめると、P(設問分解@=問われていることの確認)、D(与件分を読む)、C(解答骨子の作成)、A(解答)、となります。また、このサイクルを言い換えると、「読む」(P・D)、「考える」(C)、「書く」(A)ともいえます。結局は初めの方で書きましたが、「読む・考える・書く」基本スキルさえ習得できれば合格できるということが言えるのではないかと考えます。
■「読む・考える・書く」=国語力
診断士試験は特殊な技術や能力を求められる試験ではありません。むしろ、基本的な能力(読む・考える・書く)が問われている試験です。言い換えると国語力が問われている試験です。この基本的な能力は適切なトレーニングで身につけることができるものです。
ただし、個々人によりクセやこれまでの経験があるため、すべての人が同じことをやればよいというものではありません。適切なアドバイスのもと、個々人に合わせたトレーニングが必要です。そういった意味でAASの存在は自分にとって大きなものでした。
これは私事ですが、自分は途中で何をどうやってよいかわからない時期がありました。その時には市販されている国語力や読解力の本、大学受験の現代文の参考書を合計6冊ほど読みました。事例の与件文を読むにあったて参考にできる点がたくさんありました。違った角度からみてみるのも無駄ではなかったと思います。
■診断士試験≒ゴルフ?
これは全くの余談となってしまいますが、診断士試験はゴルフに通ずるものがあると思います。具体的には、コース=事例、クラブ=1次知識、キャディ=講師、プレーヤー=受験生、です。
ゴルフは高いクラブを持っている人が必ずスコアが良いというわけでもないですし、個々人でスウィングフォームが異なっても同じようにラウンドできます。また、同じようにスイングしているつもりでも微妙な違いで方向も飛距離も変わってきます。
これを診断士試験にあてはめてみると、いくらたくさんかつ難しい1次知識を身に付けていても事例が解けるという訳ではなく、再現答案を見ても全員が全く同じことを書いているわけでもない。また、自分ではいつも通り事例を解いているつもりでも得点にはばらつきが生じる、といった感じです。何か似ている感じがしませんか?
一方、講師(=キャディ)は、事例の解き方(=コースの攻略法)を知っており、必要な1次知識や取組み方などの適切なアドバイス(=クラブ、狙う方向など)をしてくれます。ここで忘れていけないのは、実際解答(=プレー)するのはあくまでも受験生(=プレーヤー)だということです。最終的には自己責任だということです。だから、自分自身でいろいろ考え、練習場(たとえるならAASの春秋トレーニング、設問分解など)でトレーニングするのだと思います。
■最後に
最後になりましたが、鷺山先生をはじめとするAASの講師の方々、大手受験機関の講師の方々、受験仲間に対しては感謝の気持ちでいっぱいです。また、長年僕のわがままに付き合って支えてくれた妻をはじめとする家族にも心から感謝しています。本当にありがとうございました。また、最後まで拙い文章を読んでくださいました来年度合格をめざす方々のご健闘を心からお祈り申し上げます。 |