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合格体験記>平成18年度 第2次試験合格体験記

「診断士試験は正解がわからない、だから難しい」 佐藤 千弥

 

■ 1 診断士試験はなぜ難しいか

私は、これまで診断士以外にも、仕事や趣味でいろいろな資格をとってきました。その中にはたぶん診断士より世間で難しいと言われている資格も含まれています。ところが、受験期間・受験回数とも診断士が最長となってしまいました(1次4回、2次3回です)。

診断士の2次試験は、偏差値的な発想からすればおそらく難しい試験ではありません。しかし、合格しにくい試験です。私は今年合格しましたが、正直来年同じ勉強をして合格する自信はありません。

診断士の2次試験が難しい大きな理由は「正解かわからない」ということがあります。同じ問題について、診断士の2次試験では、同じ問題について全く方向性の異なる複数の解答が考えられることが珍しくありません。この場合、正解は一つかもしれませんし、複数の正解があるのかもしれません。ある解答は満点である解答は部分点しか入らないのかもしれません。ただし、結論を知っているのは、採点官のみです。

診断士の2次試験の大きなポイントは正解が分からないという事態にどう立ち向かうかです。

■ 2 私の勉強法

私は、正解に分からない試験に立ち向かうという観点から、以下のような方針のもとに今年の勉強を進めました。

@日常の勉強は過去問に絞る

専門学校の問題はいずれもその学校や講師特有の問題の癖、採点の癖があります。専門学校の問題ばかりやりすぎていると、この癖が身についてしまい、本場でマイナスとなるおそれがあります。どの試験でも、模試の成績は良いのになかなか受からないという方がいます。このような方の多くは専門学校の問題の癖や添削の癖に慣れて本番ではなく専門学校向けの答案を書いているのではないかと思っています(模試ってある程度やっていると模試特有の採点基準が分かってきます。そして模試の採点基準に合わせた解答をつくるようになりがちです。でも模試の採点基準と本番の採点基準が同じとは限りません。)

勉強の中心に据えるべきは過去問です。特に直前は過去問に集中して思考パターンを過去問対応に矯正する必要があります。

よく過去問の解答は何度もやったので覚えてしまったという人がいます。しかし、2次試験は正解の分からない試験です。自分が覚えている解答が正解かなんてわかりません。自分が覚えている解答が果たして正しいのか、常に再検討し、よりベターな解答づくりを目指すべきです。このよりベターな解答づくりを目指すプロセスで文章力も磨かれます。

A過去問で繰り返し問われている点について自分なりの解答パターンを練り上げる

特に情報の問題で顕著ですが、過去問で同じテーマが繰り返し聞かれることがあります。例えば平成18年の場合、事例V第5問の管理すべきデータは何かという問題や事例W第5問の POS の活用法の問題は、過去問で何回か聞かれていますし、解答すべき内容の骨格は(少なくとも私の理解では)共通です。こうした繰り返し問われている点を抽出して、自分なりの解答の方向性を予め決めておくと解答が楽になります。

B設問で聞かれている要素を分析してこれに対応した解答をする

AASでは当たり前のことですが、設問が「問題点」と「対応策」を聞いていたら回答でもどこで「問題点」を書いていてどこで「対応策」を書いているのか明瞭にする、設問で「〜を踏まえて」と書いてあったら、解答のどこで踏まえているのか明瞭にするということは重要です。問題文に指示されていることは当然配点の対象になっていると考えるべきです。配点対象について、何か書けば加点されて点数を積み上げることができます。

C人より抜きんでた答案を作ろうとしない

私が一番大事だと思っている点です。

基本的に診断士の2次試験は受験生の10〜20%の人が合格する試験です。受験生の10%〜20%になるためには、他の受験生より圧倒的に抜きんでた解答を作る必要はありません。統計的に考えれば、全ての問題について受験生の上位50%程度の解答ができれば自然と上位10〜20%の中に入るはずです。受験生のレベルはごく一部の人を除けばそんなに変わりません。正解が分からない試験を突破する最善の策は人より抜きんでることではなく、人よりひどいことを書かないことです。

よく、試験中に「自分だけが他の受験生が気づかないことを気がついた」とか思う場面がありますが、多くの場合は自分だけが他の受験生がしない勘違いをしているとケースが多いと思います。実力者が本番で力を発揮できないもう一つのパターンは、人より一方抜きんでた答案を作ろうとして、人がしない勘違いを自分だけしてしまう、人が読んだら意味不明な自己満足的な答案を書いてしますというパターンだと考えています。基本的に、誰もが思いつきそうなことを無難に書いていく、これが全ての設問で貫ければ合格できるはずです。

D試験委員対策をしない

診断士試験では最近試験委員対策がはやり始めているようですが、私は、受験生が率先して試験委員の本を読みあさったりするのは、時間の無駄だと思っています(もちろん、専門学校が問題を作るときに試験委員の本を参考にしたりするのは当然ですが)。試験委員の本を読みあさる暇があったら基本事項の確認と過去問を繰り返すべきです。

■ 3 AASのメリット

AASは、フレームワークで考え方の方向性を予め指定してくれますし、文章の書き方も予め指定してくれます。AASが指定したパターンが全ての問題で通用するわけではありませんが、正解の分からない問題に立ち向かうときに予め形式だけでも決めておくと後は考えることに集中できます。また考え方の方向性についても大きな誤りはしなくなります。

AASではロジカルでかつ癖のない思考方法が学べます。AASを信じてみなさん頑張って下さい。

平成18年度 第2次試験

 
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