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合格体験記>平成18年度 第2次試験合格体験記

「2次筆記試験には「解き方がある」ことを理解する」 宮川 淳哉

 

■受験歴

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■はじめに

12月8日、2次筆記試験合格発表の日。朝10時に診断協会で合格を確認できました。
嬉しさよりも、ほっとしたというのが正直なところです。
それは、「この1年間、勉強の過程で反省材料(量・質とも)はあれども、当日の答案は自分なりのベストの解答を記述することができた。1年後に同じ問題が出ても同じ解答しか書けない。」という思いがあったからです。
祝杯に浸りながら、約1年前、平成17年12月24日の合格答案分析会での合格者のやり取りを思い起こしていました。
そこでは、異口同音に、設問文の読み方、与件の捉え方、答案の書き方・・ etc が語られていました。目から鱗が落ちました。大同小異とはまさにこのことで、参加者が皆同じことを口にしているのです。AASのHPにある合格体験記を見れば、それを理解していただけるはずです。
不合格発表後も自分に何が足りなかったのかがわからず、「運が悪かった」「調子が悪かったのではないか」という考えもよぎっていたのですが、それがあまりにもばかげた考えであったことがよくわかりました。合格者と自分の間には歴然としたギャップがあったのです。

■問われたことに、問われたように答える

試験で求められているのは、コンサルタントとしての基礎的な素養があるかどうかであり、高度な「戦略策定力」でも「問題解決力」でもありません。
2次筆記試験で求められる基礎的な素養とは、「問われたことに、問われたように答えられるか」に尽きると思います。

@「問われたこと」とは何なのか?

設問文が全てです。設問文には問題作成者の意図とヒントが書かれています。題意と制約条件を徹底的に意識します。

A「問われたように答える」には?

コミュニケーション力が必要です。コミュニケーションとはキャッチボールです。返ってきたボールをしっかり受け止め、相手が取りやすいところにボールを投げる。これだけです。
当たり前のことなのですが、なかなかできていないものです。
キャッチボールでは、相手が取りやすいところにやさしくボールを投げればよく、剛速球や変化球は不要です。つまり、高度な1次知識のひけらかしや、自分の経験、素晴らしいアイディアを記述することは求められていません。それでは相手にぶつけるだけのドッヂボールになってしまいます。そんな人とこの先再びキャッチボールをしようと思うでしょうか。

事例の中で行うキャッチボールとは、

・与件・設問を正確に把握する
・題意に対応した結論を答える
・目的や効果といった制約条件を意識した述語表現にする

などのことです。

B「問われたことに問われたように答えている」とわかってもらう文章表現は?

@Aができていても、Bがなければ試験に合格することはできません。
なぜなら、採点官は@〜Bを総合的に見てくれるのではなく、Bのみを見るからです。
わかりやすい文章構成とはどのようなものでしょうか?
それは、「一度読めばすっと理解できる文章」です。
すっと理解できない文章とは、
「結論が何なのかわからない」「一文が長い」「主語がない」「主語と述語が対応していない」「切り口が明快でない」「修飾語がどこにかかっているのかわからない」「与件や設問文にない表現・キーワードが多用されている(逆に言うと、与件・設問文の言葉をそのまま使えばわかりやすいと言える)」「造語や難解なキーワードが入っている」「抽象的過ぎる」などの文章です。

■自分の思いや考え、経験を捨てる

「事例企業のことを本気で考えなさい」という言葉をよく聞きますが、これを履き違えると大変なことになります。本気で考えるといっても、あくまで基本は、設問文と与件、それに加えて誰でも知っている1次知識、中小企業白書の範囲内での中です。
実際の現場では気のすむまでさらに調査をする、ヒアリングをするなどが可能です。しかし、事例問題ではすでに調査・ヒアリングなどは終わっており、もはや自分の考えを反映させる余地はありません。自分の思い・考え・経験を記述しても、それは往々にして単なる思いつきとしか捉えられません。設問・与件に書かれている「事実」をベースに情報を整理する必要があります。
私自身、実務で携わることが多い組織・人事事例では、上記のことを実行できるのに相当時間がかかりました。

■当日一生懸命がんばるのは×。「普段通り、手順通り」解く人が合格する

これは、8月の合宿で聞いた言葉です。
「当日がんばるな」というと語弊がありますが、試験前に「普段通りやれば安定した答案を提出できる」という境地に至ることが、合格というゴールに対しての目標水準になるかと思います。
各受験機関での答案練習や模試、過去問をいくつか解いてみると、誰にでも得意な問題はあるでしょうし、実際に高得点を取れることもあるはずです。
私も、高成績の時には安堵し、そうでなかった時には「問題との相性が悪かった」などと考えていたものでしたが、それではいつまで経っても「博打の世界」です。1年に1度しかない試験で博打を打っていてもよいのでしょうか。
では、博打の要素を排除して安定して高成績を取れる、そして本番で安心して取り組めるようにするには何をしたらよいでしょうか?
それは、自分の解答手順を確立させ、表現方法を確立させ、さらには、自分の解答手順で解けない場合にどのように対応するのかを決めることです。つまり、「その場の思いつきの対応」を排除し、可能な限りリスクを回避できる状態にしておくことです。
「普段通り、手順通り」解くためには、設問の捉え方(題意・制約条件)、マーカーのチェックの仕方、与件の読み方、メモの取り方、事例テーマの捉え方、考え方、下書きの仕方、答案の書き方に至るまで80分間のタイムマネジメントを確立させることが前提となります。

■考えながら書くな、消しゴムを使うな

考えがまとまらないまま解答欄を埋めていくと、必ず推敲することになります。
それが大きな時間のロスとなります。
そこで、下書きを問題用紙の余白に記述することをオススメします。
題意に応じて主語が決まり、設問が求めている目的・効果によって述語が決まります。
そして、文章構成のベースとなるピラミッド=「結論+具体@+具体A」 or 「結論+理由@+理由A」などの形を作ります。この辺りは、ロジカルシンキングの本が参考となるでしょう。
さらに、与件情報、1次知識等から空欄となっている箇所をまとめます。
もちろん一字一句まで下書きの段階で作り上げる必要はありません。
「80字の解答で、結論で20字になった。だから、具体@を30字、具体Aを30字程度で記述しなければならない」程度のつもりで、具体@の30字に活用する与件箇所を明確にしておく。これでほとんど消しゴムは使わなくなります。
(とは言っても、本番では使ってしまうものですが・・・)

■自分自身をマネジメントせよ

コンサルタントを目指すならば、自らをマネジメントできなければなりません。
自分をマネジメントできない人間が、企業、経営者に対してコンサルティングできるでしょうか?また、信頼を得られることができるでしょうか?
「集中力を高めるための方策」「モチベーションを維持・向上させる方策」「自分自身のSWOT分析」「弱みを克服するための学習計画」など、これらは自らが考えるべきことです。
試験対策は自己責任です。「受験機関に任せれば大丈夫」「アソシエに通えば合格まで導いてくれる」ということはありません。
受身で「お世話になる」のではなく、活用できるもの、吸収できるものを貪欲に取り入れ、さらにそれを自分なりに進化させるプロセスが必須であると思います。

■気づき

「努力を重ねていけば、ずっとそれが見えなくても、8月、9月頃に突然現れる」「極端に言えば試験当日までに気づきを得られれば大丈夫」と、AASでの学習初期に先生がお話しされました。
私自身もそれが見えない状態が続いていましたが、8月の合宿でようやくそれらしきものを掴めた気がします。
今回合格体験記を作成するに当たり自分自身の気づきをまとめていましたが、過去のAASの合格体験記に書かれていることと似通っている内容が多いことに気づきました。また、合格者の再現答案にも、合格のためのエッセンスが詰まっています。
正直に申し上げると、私は合格体験記もまともに読んでおらず、合格者の再現答案も確認していません。ですが、私が8月になってようやく得られた気づきというものは過去の合格体験記にのっていることばかりです。なんと非効率的な学習を進めてきたのかと、今更ながらに猛省するばかりです。

■最後に

2年間相当なプレッシャーを持って学習を続けてきました。しかし、未だに合格の実感は薄いです。
私は診断士合格という結果よりも、そこに至る過程で大きな財産を得ることができました。
上述した様々な気づき、文章表現力、忍耐力といった学習面で得られたスキルは、仕事上にも大きく役立っています。
また、学習仲間、AASの講師の方々から得られた刺激、そして今後も続いていく関係は何よりもかけがえのない財産です。本当にありがとうございました。
本文を最後まで読んで頂いた受験生の皆様、来年、必ず合格してください。
中小企業の経営革新・成長・再生に寄与すべく、共に仕事をさせて頂くことを願ってやみません。

平成18年度 第2次試験

 
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